ある難病(パーキンソン病)患者の叫び

年齢51歳。医師。2004年4月病気のため退職。白衣を着ていた者がパジャマに着替えた時に感じた本音を叫び、訴える。

余話・閑談②:またまたタンポポの話

2005-04-12 13:08:31 | Weblog
植物に全く知識の無い私でも知っているものに「タンポポ」があり、花を見れば「タンポポ」、丸くなった種の集まったものを見れば「タンポポ」とわかります。
その「タンポポ」には外来腫であるセイヨウタンポポと在来種であるニホンタンポポがあり、この区別をするためには、花の下にある総苞片というところが反り返っているものがセイヨウタンポポでニホンタンポポは総苞片が反り返っていないとされています。ところが外来種と在来種の雑種というものがあるので区別は単純ではないと言われています。芹沢俊介氏の酵素たんぱく質分析によれば外来種と肉眼的には思われていたものはほとんどが実は両者の雑種であったと報告しています(エコロジーガイド人里の自然、保育社、1995)。さらに昨年度の第48回日本学生科学賞の岡崎高校の遺伝子解析によれば外総苞片の反り返り自体も外来種の雑種化により、「ばらつき」があったと報告されています。      
 タンポポには外来種と在来種の2つがあり、外来種が多くなった理由として以下のことがあるようです。
①ニホンタンポポは田園的な環境に適合していたが、セイヨウタンポポは都市部の空き地などに適応ている為、環境の都市化により外来種が適応した。
②外来種は受粉しなくても種子ができる(無性生殖)が、在来種は有性生殖で、さらに同株の受精では種子ができない。(ただし外来種でも優性生殖はするので雑種ができる可能性はある。)
③外来種では春から秋まで花が咲くが、在来種では春しか花が咲かない。
④外来種はアルカリ性に適するのでコンクリートに強い
(これは①に関与することであろう)。
以上のことから考えますと日本という国が都市化されてきたことが外来種の優勢に繋がったわけで、最近問題のブラックバスのような問題とは同レベルの話ではないようです。

他にもタンポポに関しては興味深いことが多いのですが、このあたりで一応終了とします。
何だか余話・閑談とは思えないほど長くなり、難病とも関係ないようですが、このように非常に当たり前に思っていること、見ていることは「なぜ」「どうして」と言った疑問や質問がしにくいことが多いのです。先日途中まで書きました「携帯電話の件」や、次に書くつもりの「エスカレーターの乗り方」などあまりに一般的には固定観念があります。
ステレオタイプに固定化した常識(?)ほど怖いものはありません。

*今回の私のベランダで咲いたタンポポは実は「ニホンタンポポ」であることを期待していたのですが、写真のように外総苞片が典型的に反り返っていて、「外来種」と確定しました(ただし雑種であるかどうかは分かりません)。



余話、閑談①

2005-04-11 17:38:02 | Weblog
「たんぽぽ」という名のおこり
 綿を丸めて布などでくるんだものを『たんぽ』と言いますが、種子の冠毛がまるく集まっている様子にこれが似ているので「たんぽ穂」になったと言われています。
一方英語名はDandelionですが、これは「ライオンの歯」という意味で「葉のぎざぎざ」をライオンの歯に例えたらしいです。
いかにも農耕民族の日本人がつけそうな名前ではないでしょうか。


植物達の競演

2005-04-11 17:10:18 | Weblog
 やっぱり春が来たんですね。昨日まで葉だけだと思っていたタンポポの花が咲きました。
何で、わざわざタンポポを育てるの?その辺の道端や野原にいくらでも咲いているだろう。
と、思われるでしょう。
でも、このタンポポ、いや正確にはこのタンポポの1代前(人間で言えば親)に私の想い出があるのです。
昨年の6月に「脳深部刺激療法(DBS)」という手術を都立S病院で受けたのですが、その手術を待っている間、私は東京都K市の病院へ一次的に転院していたことがありました。4月から6月という季節は冬の間、ひっそりと自分の出番をまっていた生き物が一斉に表舞台に出てくるような、そんな季節なのです。特にそのM病院は敷地が広く、入院当初はまだ冬の重苦しさを抱えていたのですが、4月の中旬過ぎ(ちょうど今頃)からその寒々とした土色が急速に緑色に変わると共に、木には八重さくら、ウコンさくら(右近桜?)つばきの花が咲き乱れ、地面にはタンポポ、その他様々な植物があるものはひっそりと、またあるものは華麗に、気品高く、さながら植物たちのファッションショウでした。
このタンポポが種をつけ今年、ベランダで花をつけたという訳なのです。
私の辛い、苦しかったあの時、タンポポの種を取りながら「この種を蒔き、花を見ることが本当にできるのだろうか」と落ち込んでいた時期でもありました。
1年後の今、あの頃の苦しさを昨日、いやついさっきのように思い出されます。


春爛漫

2005-04-09 12:20:48 | Weblog
今日は全国的に良い天気で、ニュースをみれば日本列島の桜の花見のことばかりです。あとはローマ法王の葬儀のことと、チャールズ皇太子の「ジミ婚」と、郵政民営化法案の件がニュースになるくらいです。私の住んでいるマンションから自衛隊のA駐屯地が見えるのですが、まさに春爛漫といった様子です(写真)
昔だったら基地内の写真なんて撮ったら特高につかまってしまうでしょうね。やはり日本は平和なんでしょうね。

余話、閑談

2005-04-08 15:50:13 | Weblog
春がT公園にもやってきていることは、園内の池にもみられました。鯉の群れと一対の鴨にも春が来ていました。(写真)
「春よ、来い(鯉)」
“ Spring has come(鴨)”

春はどこにきた?

2005-04-08 12:08:11 | Weblog
昨日2ヶ月ぶりに、パーキンソン病の再診に都立F病院に行ってきました。その病院はK駅からバスで5-10分のところにありますが、車内から見ているとどの桜の木も満開でした。そのK駅から歩いて2-3分の所に都立T公園があります。この公園は以前「岩崎家」の別邸だった所で紅葉が本当に綺麗な場所ですが、昨日、病院の帰りに寄ってみました。秋は見ごたえがありますが、「春はどうかな」と思って入ってみたところ、ありました、春が。
その春には「かたくりの花」や「ひとりしずか」や「あんずの花」や他にもいろいろなものがありましたが、代表として『たけのこ』の写真をおみせします。
 『すくすく伸びて天まで届け』

携帯電話と日本語ワープロ;患者さんには必要なもの(part 1)

2005-04-06 13:47:13 | Weblog
 最近のIT(informational technology)機器の普及は著じるしく、その代表例は携帯電話だと思います。
最新の報告では2004年度末までの累計契約数は86,997,600件であり、人口普及率は前年度末より4.2%増加して68.1%だそうです(電気通信事業者協会の発表による)。一人で複数所持している場合もあるようですが、とにかく、この普及率は大変なもので東京都内ではおそらく10人中8人あるいは9人程度まで普及している可能性もあります。最近では街中の公衆電話そのものの数が減り、連絡を取りたいときは、携帯電話で行わざるをえなくなってしまうのです。確かに量販店などに行くと携帯電話売り場は常に新機種を求めて若者達で溢れています。まさに猫も使い、杓子もこっそりと持っているのではないかと思われるほどです。
 この携帯電話は単に電話の送受信だけでなく、今やデジタルカメラやテレビなどの機能もつき、今後はその他多種多様なことができるようになると言われています。もはや「電話」と言う名前を外しても良いくらいの地位と存在感があるものになっています。
 これほど社会で普及し、社会的地位もほぼ確立し、必要不可欠なものになりつつある物であるにもかかわらず、当然のように使用が制限されあるいは禁止されて、なおかつ一般的にもその禁止、制限に納得させられている場所があります。その代表例は病院なのです。、
「なぜ病院で使用が認められないの?」
などの質問は全くの愚問というような扱いをされてしまいます。「お前、そんなことも知らないの?教えてやるよ。医療機器に影響するんだよ!病院内でそんなことが起きたら大変だろう!だ・か・ら・使えないの!」と言わんばかりです。しかし、本当はどの程度の影響があるのでしょうか。
平成14年7月に総務省の「電波の医用機器等への影響に関する調査結果」では心臓ペースメーカー及び除細動器については「装着部位から22cm程度以上離すこと」が妥当であることが確認されています。輸液ポンプや人口呼吸器などの精密な医療機器では84cmでも影響があることも指摘されていていますが、1m以上距離をとればその機器に干渉しないことも確認されています。
したがって、病院のように様々な機器があり、その電磁波に対する感受性の違いが機器により異なる場合は携帯電話の使用場所を決めれば使用することは充分可能だと思います。
 また、最近では携帯電話の出力が以前より小さくなり、一方心臓ペースメーカー自体の電磁波に対する耐応性が増しており、以前生じたような事故の確立はかなり小さくなってきています。
 このため平成14年7月に厚生労働省医薬局は病院内の全面使用禁止ではなく場所によっては使用を認めてよいと安全情報179号で示しています。
(この続きはpart2で!)