東久留米の『世界』を読む会・zoom、3月例会の報告
東久留米の『世界』を読む会zoomの3月例会が、3月12日(水)、午後7時より、5名の参加で行なわれました。
■ 今月のテーマは、
・岡野八代「個人の尊厳をひらく」
・斎藤 環「いじめ後遺症」
・永瀬伸子「子どもを産み育てられない社会」
・筒井淳也×亀田達也「この社会の社会学」
の4本でした。
◎ 第1テーマ・岡野八代「個人の尊厳をひらく」
確かに、日本では人権概念が根づいていないが、それはどうしてだろう。人権感覚の欠如は、他民族を殺す戦争に結びついている。戦前の日本人は天皇のために死ぬ存在で、人権などは全く蔑ろにされていたが、それが続いていないか。対国家という人権の捉え方が欠けている。ルール違反が罰せられるだけで、「差別」そのものが罰せられない。「本人の意志によって変更できない属性は貶められてはならない」という「正義論」は分かりやすい。人間が「自分自身でその全てを満たすことのできない」=「ケアされ、ケアする」存在だということを認識することが大切だ。
◎ 第2テーマ・斎藤 環「いじめ後遺症」
ニワトリには「つつきの順位」ということがあるが、いじめは似ている。いじめの現実では、先生の態度、見て見ぬふりの傍観者の態度、いじめる加害者の内面など、の問題がある。精神科医の立場からの検討は、とても意義深い。「いじめ後遺症」という概念が、ことの重大性を明らかにし、救いへの道になる。人間を信頼できる経験の「上書き」による回復の道を施せる社会でなくては。
◎ 第3テーマ・永瀬伸子「子どもを産み育てられない社会」
男性正社員では、学歴などが格差の元になっているが、女性の場合は、学歴に関係なく総合職と一般職、派遣、パートなどの差が格差になっている。日本的雇用慣行(長時間労働、急な残業、命令の転勤など)を変えなくてはダメだ。日本では、子どもは「消費財」、「投資財」としてばかり見られ、「公共財」として社会全体で大切にするものになっていない。「一〇三万円の壁」の議論も、それに対するものになっていない。
◎ 第4テーマ・筒井淳也×亀田達也「この社会の社会学」
なんの興味も惹かれない内容で、議論に値しないように思った。
などと、話し合いました。
■ 3月号のその他のお薦めは
・須山 「出生前検査と「生きられた障害」の時間」二階堂祐子
でした。
◎ 東久留米の『世界』を読む会、4月例会のお知らせ
●日 時 4月9日(水) 午後7時
●zoomでのオンライン開催
参加希望の方は、メールを下さい。案内を送ります。
●持ち物 雑誌『世界』4月号
○共通テーマ
・「常識の革命、あるいは排斥の残りかす」 望月優大
・「五〇年後のチャーチ委員会」 若林 恵
・「いじめ後遺症 第2回」 斎藤 環
・「反差別「地域からの革命」の一五年」 中村一成
※ 第2水曜が定例です。ご承知ください。
※ 他に、昼の部として、第3水曜、4時から会場で行なう会もあります。
● 連絡先 須山
suyaman50@gmail.com



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