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半蔵商店 (旧:捨てブログ)

◎このブログは5/6より"hanzo.tv"に移転しました。※写真サイト始めました→pengo.jp

■SNS批判とかじゃないです、念のため

2005-03-20 05:01:35 | 作文
■すべてのテクストサイトは、やはりmixiへ吸収されていくんだろうか? と、『更新パワーをmixi日記に奪われてしまってほったらかしになってた自分のサイトをあの頃のように再建しようとしたがやはり頓挫してしまった感のあるサイト』を見るたびに思います。(ま、もちろん「すべての」というと語弊がありますが)


■つーか、おれのブラウザのブックマークってほとんどそんなサイトばっかなのな。 だからブックマークの数は整理整頓するたびにだんだん減ってく一方です。


■自分サイトの日記コーナー、はてなダイアリー、各種ブログ、各種SNSの日記機能、といったように「書く場所」が増えるに連れ、「書くパワー」が分散されていった結果(*1)、どうも半端なテクストが量産されていき、勢いのないテクストのアーカイブスというかむしろ残骸がウェブ上のあちらこちらに残る、という現象は日記好きには悲しいものがあるのです。


■なんちゅーか、「おれがWEBで書いてるのはこの日記一本だぜ!!」みたいな信念の人が書いてるテクストサイトには面白いものが多い。と思います。そんなサイトがもっと見たい。(実際、まだまだありますしね)


■と、ここまで書いて、ごくごく狭い範囲の事柄でしかモノを書いてないなあ、と自分でも思いますが、今日はそういうことを感じたので、書いておきました。


【*1】このほかにも、電子メール、携帯のメール、SNSのメッセージ機能、自分のBBS、友人のBBS、見知らぬ人のBBS、ブログのコメント欄、MSNメッセンジャーなども含めて考えると、「書くパワー」を消費する事柄はだいぶ多いなと。こんなにいろいろ書いてちゃ日記書くパワーなんて少なくなって当然かもしれない。

というか、「書くパワー」ってそもそも有限なものなの? とか、メールやメッセージのやりとりから日記のアイデアが生まれることもあるのでは? といった疑問はいったんそばに置いときました。

【結論】つか、面白い日記が読みたきゃもっと検索などして探しなさい>自分


【ちょこっとリンク】九十九式さんのとこ。


■風のブログを読め (11)

2005-03-11 20:01:18 | 作文
「発泡酒の良いところはね、全部小便になって出ちまうことだね。ワン・アウト一塁ダブル・プレー、何も残りゃしない。」
鼠はそう言って、僕が食べ続けるのを眺めた。
「なぜテキストサイトばかり読む?」
僕はうまい棒の最後の一口を発泡酒と一緒に飲みこんでから包み紙をごみ箱に捨て、傍らに置いたノートPCに「WORLD9-1」を表示させてマウスのホイールでカリカリとスクロールさせた。
「WORLD9-1がもう凍結したサイトだからさ。」
「現役のテキストサイトは読まない?」
「現役のテキストサイトになんてなんの価値もないよ。」
「何故?」
「凍結したサイトに対しては大抵のことが許せそうな気がするんだな。」
僕は別窓で表示した「ウガニクのホームページ」を眺めながらそう答えた。鼠はまたしばらく考え込んだ。

■風のブログを読め (10)

2005-03-11 07:15:21 | 作文
鼠はおそろしくテキストサイトを読まない。彼が自サイトの元ネタサイトと2ch以外のサイトを読んでいるところにお目にかかったことはない。僕が時折時間潰しに見ているサイトを、彼はいつもまるで犬が犬鍋を眺めるように物珍しそうにのぞきこんだ。

「何故テキストサイトなんて読む?」
「何故発泡酒なんて飲む?」

僕は「タラタラしてんじゃね~よ!」とうまい棒を一口ずつ交互に食べながら、鼠の方も見ずにそう訊き返した。鼠はそれについてずっと考え込んでいたが、5分ばかり後で口を開いた。

■風のブログを読め (9)

2005-03-10 19:22:22 | 作文
「何故ニュース系サイトが嫌いだと思う?」
その夜、鼠はそう続けた。そこまで話が進んだのは初めてだった。
シラネーヨ(´ー` )、といった風に僕は首を振った。
「はっきり言ってね、ニュース系サイトなんて何も考えないからさ。2chとGoogleがなきゃ一行も書けやしない」
はっきり言って、というのが鼠の口癖だった。
「そう?」
「うん。奴らは大事なことは何も考えない。考えてるフリをしてるだけさ。……何故だと思う?」
「さあね?」
「必要がないからさ。もちろんニュース系サイトを立ち上げるには少しばかり頭が要るけどね、ニュース系サイトを続けるためには何も要らない。人工衛星にガソリンが要らないのと同じさ。グルグルとニュー速プラスを回ってりゃいいんだよ。でもね、おれはそうだけど、あんたは違う。WEB日記をやるためには考え続けなくちゃならない。書き出しの掴み方から、オチのつけ方までね。そうだろ?」
「ああ。」と僕は言った。
「そういうことさ。」


鼠はしゃべりたいことだけをしゃべってしまうと、ポケットからVAIO Uを取り出しつまらなそうに音を立てて自分のニュースサイトの更新を始めた。鼠がいったいどこまで真剣なのか、僕にはうまく把めなかった。
「でも結局はみんなサイトを辞める。」僕は試しにそう言ってみた。
「そりゃそうさ。みんないつかはサイトを辞める。でもね、それまでにせめて1日50ヒットは稼ぎたいし、WEB日記で50ヒットさせるのは、はっきり言って2chの祭りスレまとめサイトで5000ヒットさせるよりずっと疲れる。そうだろ?」
そのとおりだった。

■風のブログを読め (8)

2005-03-10 06:07:43 | 作文
『青山ガチャピン会議』が、良いテキストサイトについてこんな風に書いている。

『テキストサイトをやるってことは、つまりWEB上に居場所をつくるってことなわけで(笑)。だから必要なのは一ヶ月に一本の名文じゃなく毎日追加されてく駄文(ぉぃぉぃ)なんだなー。』("tatsuの読まなくていい独り言" 1999/3/17)

僕がノートパソコンを片手に恐る恐る前のテキストサイトを始めたのは確かネスケ4.0が発表された年で、それは2年ばかり続いた。2年かけて僕は実にいろいろなものを放り出してきた。BBSを放り出し、デジカメ写真コーナーを放り出し、そして最後には日記も放り出すといったように、2年間の間僕はありとあらゆるものを放り出し、ついにはトップ画とアクセスカウンタしか残らないサイトとなった。

それが果たして正しかったのかどうか、僕に確信は持てない。楽になったことは確かだとしても、ネットづきあいがあった人々の記憶に僕が残っているかどうか考えるとひどく怖い。サイトを閉じた後にはGoogleのキャッシュひとつ残ってはいまい。

■風のブログを読め (7)

2005-03-09 06:36:26 | 作文
僕は文章についての多くを、テキストサイト『青山ガチャピン会議』(http://www.mmnet.or.jp/www/~gachapin/index.htm 既に閉鎖)に学んだ。ほとんど全部、というべきかもしれない。不幸なことに、青山ガチャピン会議は全ての意味で不毛なテキストサイトであった。読めばわかる。文体はヲタ気味で、フォントいじりがくどく、ギャグは滑っていた。しかしそれにも関わらず、それは過去ログを全て読み尽くしたくなる数少ない非凡なテキストサイトのひとつでもあった。オトウトイモウト、トーキョー23ピクセル、そういった同時代のテキストサイトに伍しても、青山ガチャピン会議の戦闘的な姿勢は決して劣るものではないだろう、と僕は思う。ただ残念なことに管理人・tatsu氏は最後まで自分の芸風を明確に確立することはできなかった。結局のところ、不毛であるということはそういったものなのだ。

2年と2ヵ月、彼はその不毛なテキストを書き続けそしてサイトを閉鎖した。1999年11月のある朝、誰一人にも告知せず、tcupの無料掲示板を残したまますべてのファイルを突然に削除したのだ。そんなサイトがあったことと同様、閉鎖されたこともたいした話題にはならなかった。

■風のブログを読め (6)

2005-03-09 00:11:27 | 作文
「虫酸が走る。」
鼠はひととおり指を眺めるとそう繰り返した。

鼠がニュース系サイトの悪口を言うのは今に始まったことではないし、また実際にひどく憎んでもいた。鼠のニュースサイトにしたところで数百万ヒットのアクセス数だったけれど、僕がそれを指摘する度に鼠は決まって、「俺の文章力のせいじゃないさ。」と言った。時折(大抵は発泡酒を飲み過ぎたような場合なのだが)、「いや、お前の文章力のせいさ。」と僕は言って、そして言ってしまった後で必ず嫌な気分になった。鼠の言い分にも一理はあったからだ。

■風のブログを読め (5)

2005-03-08 07:23:32 | 作文
もしあなたがネットづきあいを求めているのならSNSに入ればいい。ネットづきあいをするためにはサイトをいじる時間を抑えることが必要不可欠だからだ。mixiがそうであるように、機械が自動的にHTMLタグを書き出し、過去ログをまとめ、サイトデザインに凝る必要もなく、その間にユーザーはいろんなコメントを書き込み、メッセージを送る。ネットづきあいとはそういったものだ。

夜中の3時にメモ帳に手作業でHTMLタグを打ってるような人間には、それだけのネット人脈しか作ることはできない。

そして、それが僕だ。

■風のブログを読め (4)

2005-03-07 20:22:25 | 作文
僕が閉鎖された『青山ガチャピン会議』のログを偶然手に入れたのは、まだネスケ4.7を使っていた中学三年生の夏休みであった。僕にそのログファイルをくれた叔父は三年後にネットストーカーに遭い、BBSをずたずたに荒らされ、index.htmlに「いったん休止。近日復活します。」と表示させたままサイトを閉じた。最後に彼のサイトに行ったとき、BBSはまるでAA練習スレのようにひどく下手なモナーがたくさん貼られていた。

僕には全部で三人の叔父がいたが、一人は会社の同僚にばれてサイトを辞めた。会社で自分のサイトの更新をしていたのだ。ただ一人生き残った三人目の叔父は日記をmixiに移行してあちこちのコミュニティを巡っている。

■風のブログを読め (3)

2005-03-06 21:15:26 | 作文
今、僕はテキストサイトを作ろうと思う。
もちろん問題は何ひとつ解決してはいないし、作り終えた時点でもあるいは事態は全く同じということになるかもしれない。結局のところ、WEB日記を書くことは自己療養の手段ではなく、自己療養へのささやかな試みにしか過ぎないからだ。
しかし、正直に書くことはひどくむずかしい。僕が正直になろうとすればするほど、はてなアンテナは闇の奥深くへと沈みこんでいく。
弁解するつもりはない。少くともここに書いていることは現在の僕におけるベストだ。つけ加えることは何もない。それでも僕はこんな風にも考えている。うまくいけばずっと先に、何ヶ月か何年か先に、有名テキストサイトの管理人だけで催されるDJイベントに呼ばれるかもしれない、と。そしてその時、象は平原に還り僕は読者からのファンメールに返事しなくても許される身分になるだろう。