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金融緩和継続 欧米と金利差拡大で円&国債大暴落の現実味

2018-06-19 13:29:26 | Weblog
2018年6月17日 日刊ゲンダイ
 
 「円安! いいね」のレベルじゃない――。
 日銀は15日、金融政策決定会合を開き、大規模な金融緩和策の「現状維持」を決めた。長期金利ゼロ%やマイナス金利、株や国債の大量買い入れを継続する。
 金利を上げ、引き締めを加速する米国に続き、欧州も金融緩和の年内終了を決定。
 日本だけが金融緩和の出口すら見出せない。拡大する欧米との金利差は“適度な円安”を通り過ぎて、円や日本国債の大暴落を招きかねない。年内にも、日本だけの大恐慌がやってくるかもしれない。

 13日 米連邦準備制度理事会(FRB)は、2015年12月にゼロ金利政策を解除して以来、7回目の利上げを決め、年内にあと2回、来年も3回の利上げを行う。また、欧州中央銀行(ECB)も14日、3年前から行ってきた量的緩和について年内で終了する方針を決めた。
   「米国に続き、欧州も緩和をやめることになると、日本のゼロ金
   利がいっそう際立ちます。急激かつ大幅な円安が進行してもお
   かしくありません。年内150~200円のレンジも考えられます。
   トランプ大統領も、自国産業保護は、ドル高・円安誘導よりも、
   手柄が目に見える関税政策にシフトしています。米国も急激な
   円安を容認するとみられているのです」(兜町関係者)

 トヨタやソニー、ホンダなどは今年度の為替レートを1ドル=105円と想定している。トヨタは1円の円安で400億円の利益といわれる。円安の進行は、輸出企業はウハウハなはずだ。
   「120~130円までならウエルカムですが、150円を超えて200円
   に近づくのは、信用を失墜した日本売りの局面です。喜んでい
   られません」(輸出産業関係者)
 1ドル=200円とはもはや大暴落だ。原油など輸入品の物価は大幅に上昇し、庶民の生活を直撃する。日本の金融機関の預金は、金利の高い外資へのシフトが進み、信用を失った日本国債も大暴落。まさに大恐慌の光景である。打つ手はないのか。
   「日本も、ゼロ金利、量的緩和という異常事態を脱し、正常化
   の道筋を描いているという出口を見せれば、日本売りにブレー
   キがかけられます。問題は、安倍政権も日銀もこの出口戦略を
   語れないということです」(経済ジャーナリスト・井上学氏)

 なぜ、出口を語れないのか。
 ・1つは、トランプやドラギECB総裁ににらまれていることだ。金融
 緩和解除を進める欧米は、日本に緩和継続を強く要求している。
 日本まで引き締められると、世界経済を一気に冷え込ませる恐れ
 があるからだ。
 ・もう1つは、その場しのぎの金融政策のツケだ。
 井上学氏が続ける。
   「株価が頼りの安倍政権は、日銀とGPIFが買い支えて株価を
   維持してきました。『金融緩和をやめる』と言った瞬間、株価
   は大暴落します。国債の金利も上がるので、財政も破綻に向か
   います。金融緩和はやめたくてもやめられない。出口を語るこ
   ともできないのです。北朝鮮との戦争でごまかすのではないか
   と、まことしやかに言われていましたが、米朝融和で戦争も遠
   のいた。まさに打つ手なしです」

 黒田総裁はきのうの会見で「現時点で正常化や出口の手法を語るのは時期尚早」と語った。アベ・クロはどう落とし前をつけるつもりなのか。