(週刊ポスト2017年10月6日号)
10月から、厚生年金保険料が18.3%まで引き上げられる。
このタイムスケジュールを組んだのは2004年の小泉内閣だった。
それまでは5年に1度の見直しだった年金保険料を、13年連続
で引き上げるという過去に例のない「年金大改悪」を断行した
のだ。
このやり方が極めて悪質なのは、サラリーマンたちが気がつき
にくいかたちで負担増を強いられていることだ。
流通業に勤める30代男性はこう憤る。
「総務の先輩と飲んでいて、厚生年金の保険料が毎年
上がっていることを初めて知りました。給料はほとんど
上がっていないのに、4年前より年間2万円以上、厚生
年金の負担が増えていると教えられて愕然とした。給与
明細で何が引かれているかなんて細かく見ないのを
いいことに、知らない間に負担を増やされているようで
腹立たしい」
これから先の話を知れば、多くのサラリーマンがこの男性以上
の怒りを抱くだろう。
2004年の制度改革時、国は《保険料がアップするのは2017年
10月まで》とし、現役世代の収入と年金給付額の比率である所
得代替率について《50%以上を確保する》と約束してきた。それ
がいよいよ反故にされようとしている。
年金制度に詳しい年金博士こと、社会保険労務士の北村庄吾
氏は、「負担増がこれで終わるはずがない」と警鐘を鳴らす。
「2004年の改悪時、政府は『保険料を13年間上げ続ける
代わりに100年安心の制度にします』と宣言した。ところが
厚労省は、人口や経済の動向などから年金制度が持続
可能かどうかを検証する2014年の『財政検証』で、『所得
代替率50%を維持するには《25.9%》の保険料率が必要
である』と密かに“軌道修正”しているのです。シミュレー
ションを提示した以上、国が保険料率の再引き上げを狙
っているのは間違いない」
ようやく保険料率のアップが止まると思ったら、〈所得代替率
50%の維持〉を名目にまた、国民負担を増やそうというのであ
る。 最初から国民との約束を守る気などなかったとしか思え
ない。
10月から、厚生年金保険料が18.3%まで引き上げられる。
このタイムスケジュールを組んだのは2004年の小泉内閣だった。
それまでは5年に1度の見直しだった年金保険料を、13年連続
で引き上げるという過去に例のない「年金大改悪」を断行した
のだ。
このやり方が極めて悪質なのは、サラリーマンたちが気がつき
にくいかたちで負担増を強いられていることだ。
流通業に勤める30代男性はこう憤る。
「総務の先輩と飲んでいて、厚生年金の保険料が毎年
上がっていることを初めて知りました。給料はほとんど
上がっていないのに、4年前より年間2万円以上、厚生
年金の負担が増えていると教えられて愕然とした。給与
明細で何が引かれているかなんて細かく見ないのを
いいことに、知らない間に負担を増やされているようで
腹立たしい」
これから先の話を知れば、多くのサラリーマンがこの男性以上
の怒りを抱くだろう。
2004年の制度改革時、国は《保険料がアップするのは2017年
10月まで》とし、現役世代の収入と年金給付額の比率である所
得代替率について《50%以上を確保する》と約束してきた。それ
がいよいよ反故にされようとしている。
年金制度に詳しい年金博士こと、社会保険労務士の北村庄吾
氏は、「負担増がこれで終わるはずがない」と警鐘を鳴らす。
「2004年の改悪時、政府は『保険料を13年間上げ続ける
代わりに100年安心の制度にします』と宣言した。ところが
厚労省は、人口や経済の動向などから年金制度が持続
可能かどうかを検証する2014年の『財政検証』で、『所得
代替率50%を維持するには《25.9%》の保険料率が必要
である』と密かに“軌道修正”しているのです。シミュレー
ションを提示した以上、国が保険料率の再引き上げを狙
っているのは間違いない」
ようやく保険料率のアップが止まると思ったら、〈所得代替率
50%の維持〉を名目にまた、国民負担を増やそうというのであ
る。 最初から国民との約束を守る気などなかったとしか思え
ない。