東武バスイースト前史６ ～路線バスの絶佳、バスガール～

 　今回は路線バスを路線バスならしめたまさにバスの華、公共交通の美中の美、車掌さんがよく登場します。遠い日の記憶に残る車掌さんの姿といえば従前このブログでお話ししたこともある、運河でバスを降りて頭から水をかぶった若い車掌さんとか関宿の日枝神社で車が多くてそれで降りてきて白いブラウス着てピーピー笛吹いてた和田アキ子によく似た車掌さんとか、松戸ゆきのバスのなかで母親の膝の上に座っていると頭をなでなでしてきた真っ赤な腕章のおばさん車掌さん、そんないくつもの姿がまずわたくしの脳裏に浮かんでまいります。あまり美中の美という感じがしませんけど。さて、みなさまの記憶にある車掌さんはどんな方でしょう。
最前に申したように★とあるのはウラが取れないので「東武バス年表」からのパクリ引き写しです。その他参照はこちら

 

・・年・・	・・月・日・・	で　き　ご　と
1957年昭和32	7月29日	この日より以前、柏・伊勢角の北にあった旧柏車庫に当時珍しいCOE型もしくはリアエンジン型車両が配車されたので学童ら見物に集まる
1958年昭和33	3月1日	関宿町次木・庄和町西宝珠花間に宝珠花橋(永久橋)が開通。これよりやや前、棋士土居市太郎が関根金次郎の墓参りのため春日部駅からバスに乗るが間違えて西宝珠花止りに乗ってしまい東宝珠花になかなかたどり着けず難渋する（1958.3『将棋世界』
〃	4月	春闘中の東武交通労組に家族会「野田むらさき会」から「願いは一つ、ともにたたかう」との檄文届く
〃	6月1日	野田営業所、柏駅西口－新国道－北小金駅（6.7km）の新路線運転開始。 柏駅発7：40　8：40　9：40　11：20　12：50　14：20　15：40　16：50 北小金駅発8：00　9：00　10：00　11：40　13：10　14：40　16：00　17：10
〃	8月1日	野田営業所、柏管内の以下路線を増発。柏駅-緑ヶ丘間40回→50回、手賀-布瀬間５回→10回、柏-手賀間10回→11回、柏-沼南村役場間５回→６回へ
〃	9月1日	東武鉄道、大規模な機構改正を行い越谷分所および春日部分所を越谷営業所および越谷営業所春日部出張所に改組、また柏分所を野田営業所柏出張所に改む
1959年昭和34	2月1日	野田営業所、柏線ダイヤ改正を行い柏発水堰橋止り・船戸止りの便の一部を野田市駅まで延伸。柏発19：55(最終一つ前)　20：50(最終)を19：20、20：30に変更
〃	3月8日	野田市瀬戸付近の県道が溜り水のためひどく破損したので行路にしている路線バスは日中運休、朝夕のみ２本ずつ運行している
〃	3月25日	埼玉県北葛飾郡松伏領村が町制施行し松伏町となる
		この頃車掌の過酷な労働を綴る村上信彦著「紺の制服」がベストセラーになり車掌不足金弁納制度等々の車掌業務が労基法違反ではないかと社会問題になる
〃	6月15日	江戸川堤防補強工事に伴い県道松戸野田線を堤防上から堤防下に移し幅員８mの直線道路にする計画が決まる(工事費１億４千万円)
〃	11月10日	野田営業所、柏駅西口-我孫子間の新路線を開通
1960年昭和35		当年度より東武鉄道、男子バス車掌の採用を本格化させる。 この年野田市駅の年間貨物取扱量、史上最大を記録（車数35,983両/年　取扱高466,162トン/年、入貨は塩・平麦が主。出貨は野田醤油77％、キノエネ醤油20％）
〃	1月23日	東武鉄道労使間に協定書作成され東武バス車掌不足金弁納制度廃止さる
〃	2月27日	遅くともこの日までに越谷営業所春日部出張所により春日部駅-木間ヶ瀬-野田市駅間に路線開通
〃	春頃	東武鉄道、手賀沼観光株式会社に参画
〃	5月2日	平将門に興味を寄せていた詩人・佐藤春夫が越谷駅から野田方面ゆきバスに乗る(岩井まで行ったか不明)
1961年昭和36	4月2日	東武鉄道、野田営業所日産キャブオーバー型バスを柏市役所に寄贈
〃	4月17日	野田市野田で運賃支払いを求められた少年３人組がバス車掌を殴る
〃	8月	私鉄総連関東地連大会で車両の大型化や交通渋滞によるダイヤ遅延等によって所定労働時間を超えたサービス労働として行われ、女子車掌から強く望まれていたバス乗務員による車両清掃労働問題が取り上げられ「バス清掃員獲得闘争方針」を決定
〃	11月22日	野田営業所、柏駅西口-柏ゴルフ場線を開通★
1962年昭和37	2月18日	柏駅前通商店街組合、駅前交通緩和に協力し自主的に駅前通りを駐車禁止とす
〃	4月1日	野田営業所、柏駅西口-鳥込-名都借-芝崎-中村-流山広小路間9.4km(所要時分30分、運賃30円、運転回数6回/日）および柏駅西口-第五小学校-柏学園-戸張間3.7km(所要時分10分、運賃10円、運転回数10回/日)を新規開通。 同日千葉県立野田実業高校が清水高校に改称したのを機に「清水高校前」停留所を設く（後年境営業所は「清水高前」と短縮している、野田営業所はそのまま呼称）
〃	4月30日	野田市長選挙開票され千葉県初の革新首長誕生
〃	5月1日	野田営業所柏出張所が柏市豊四季から同市柏字東宮前589に移転
〃	5月8日	東武鉄道、車両清掃を130名の新規パートタイマー雇用で賄うことで組合と覚書手交
〃	5月31日	営団地下鉄日比谷線が東武伊勢崎線北越谷まで乗入開始
〃	6月20日	越谷営業所春日部出張所、春日部駅-立野-日枝神社線を開通
〃	7月1日	東武鉄道自動車局、野田営業所柏出張所を廃止し新たに柏営業所を設く。 所属車両数42。敷地内に待合所を有す。 柏駅～手賀・松戸駅前・布施・草加・鎌ケ谷・光ヶ丘・大広戸・布瀬・折立・北小金・我孫子・柏ゴルフ場・戸張・流山広小路・市内左廻・右廻の各線を野田営業所から柏営業所へ移管。営業成績は手賀線・布瀬線・折立線が特に良い
〃	7月3日	野田警察署、中央小学校前Ｔ字路と警察署前交差点に信号機設置
〃	8月11日	芽吹大橋を経由する急行バス・境-岩井-野田-東京線が開通(境営業所)
〃	9月16日	柏営業所、柏駅西口-南柏駅-初石駅間(10.0km　所要時分30分　運賃35円　運行回数6回/日)および柏駅-大木戸-岩井-泉-柳戸-名内間(12.4km　所要時分40分　運賃45円　運行回数5回/日)新路線を開通
	12月12日	東武鉄道、バス車掌のうち喉の酷使により声帯を破壊した者は本人が請求すれば下車勤務とする旨労組に回答
〃	12月25日	東武鉄道の東京急行バスが埼玉県松伏町でダンプと衝突。乗客車掌あわせ６人負傷
1963年昭和38	1月8日	東武バス関宿橋休憩所、失火で全焼
〃	2月28日	この日までに東武鉄道の保有車両台数が2000台を突破。野田営業所40両（うち乗合32両、貸切8両）、柏営業所51両（うち乗合43両、貸切8両）。最多営業所は大宮（137両）、貸切最多は西新井（34両）、ハイヤー最多沼田(45台）
〃	3月30日	柏営業所、柏駅西口-豊四季駅-流山-江戸川台駅間(9.4km　柏-流山間所要22分　運賃30円　運行回数3回/日、流山-江戸川台間所要17分　運行回数7回/日うち３回は大広戸まで乗入）を開通
〃	4月14日	野田市立第二中学校男子生徒2名、ちょうど花見時とあって客の捨てた空瓶や紙屑で足の踏み場もないほど汚れた車内を清掃したので後日東武鉄道より感謝状を受く
〃	4月20日	柏営業所、柏駅－中之橋－大木戸－藤ヶ谷－自衛隊－高柳間に新路線を開通
〃	4月25日	東武鉄道、「一般乗合旅客自動車運送事業の運送約款」を改訂し不正乗車に対しては相当乗車区間の運賃料金の倍額収受とす
〃	6月	内山運送株式会社が茨城急行自動車株式会社へ社名を変更
〃	8月～10月	柏市を中心に鉤虫（寄生虫）感染症大流行、特別対策地区に指定され県、無料検便を開始
〃	8月7日	千葉県交通安全協会、無免許で二輪車の練習をなす者が公道上に多いため千葉市轟町に二輪自動車指導所を設く
〃	10月1日	八重洲通り工事のため野田・境および伊香保・谷川岳・前橋・猿ヶ京・桐生各急行バス東京駅乗車場をブリジストンビル向かい東北急行東京案内所前に移転
〃	10月3日	自動車局、小梅町本社中庭に日野RB10P(富士・帝国)、RB10(富士・帝国)、BT71(帝国)、いすゞBA741(富士)、BR10(川崎)を留置し車種別車輛展示会を開催
〃	11月3日	戦前千葉県市川町にあった「行徳馬車自動車株式会社」元運転士でくるみ幼稚園送迎バス運転手のYさんが柏警察署で優良運転手表彰され「東武の事故が少ないということは運転手の優秀なのとダイヤにゆとりがあるということ」とコメント
〃	12月29日	柏営業所、布瀬線五条谷停留所付近で車両転落事故発生、運転士死亡
1964年昭和39	2月	流山平和土地区画整理組合が工費1憶4千万円で飛血山東側農地に宅地造成を始める。 同月東武鉄道、従来の折戸式に比べ昇降口幅が５割増となり乗降時間の短縮と道路混雑緩和が期待されるエンジン駆動引戸車を西新井・練馬・大宮・草加各営業所に導入するが千葉県には配車なし
〃	2月1日	柏市との合併の噂が絶えなかった東葛飾郡沼南村が単独町制施行し沼南町になる
〃	2月20日	境大橋および関宿橋が開通。関宿橋停留所廃止
〃	2月25日	柏営業所、北小金発我孫子駅行の運転士と車掌が乗客の了解を得て新６号国道で交通事故で跳ね飛ばされた重傷の母子を柏市大橋病院までバスで搬送。３月11日柏地区交通安全協会と柏署から感謝状が贈られる

次回へ続きます