1909年発刊の『女声唱歌』に、なじかは知らねど…の近藤朔風の名訳詞が載って以来、「ローレライ」は日本でも名高いドイツの歌曲になった。"ローレライ"は、ドイツ西部のライン川中流ヒンゲンとコブレンツ間の右岸に切り立つ、高さ120メートルの大きな岩のことである。
"Lore"は女名で"水の妖精"、"lei"はライン地方の方言で"岩"のこと。したがって"ローレライ"は"妖精の岩"。あるいは"魔の岩"という意味を持っている。昔、この岩上に憩うひとりの美しい水の精が、いつも金髪をくしけずりながら素朴で不思議な歌を歌っていた。ライン川を下って
航行する舟人がその声に聞き惚れ、心を引かれると、舵をとるのも忘れて岩に舟をうちつけて渕に沈んでしまう、という伝説が生まれた。この伝説のルーツは、後期ロマン派のクレメンス・フォン・ブレンターノ (1778-1824)の18番にも及ぶ詩『魔女のロレ・ライ』に拠ったものである。
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