テレビ朝日で「Future Tracks→R」という番組があるのだが、昨日、いやおとといか…テレビ欄を見ていたら
世界が大絶賛!アフラ
などとなっていたので、こやつちったぁ上手くなってるのかな?と期待が高まり「コマネチ大学」をわざわざ録画にしてまで見てみることにした。
以前、某バラエティ番組でAFRA & INCREDIBLE BEATBOX BANDのパフォーマンスを見たことがあるのだけど、そんときゃチンピラの学芸会かと思った。
ここでヒップホップ修行中の小僧がいくら「シロウトはわかっちゃいねーよ、AFRAはすごいんだぜ」とか口を挟んでみたところで、エンタテインメントのステージってのはクリニックやワークショップではないし、別に“頑張り”を見せるところでもない。
3人がかりでやったクルマの急ブレーキ以外は客席の反応も冷ややかだったので、まぁ、それが一般的な価値観での評価なのだと思うし、それがすべてだともいえる。
音色の完成度でいうなら芸人のこばやしけん太やレイパー佐藤のほうが遙かに上だと思った。いや、どくろ団の尺八やトランペットでさえも(笑)
ワンナイ黒木の「おまえ口で言うてるやろ」じゃないけど、INCREDIBLE BEATBOX BANDのパフォーマンスはそれこそ口で言ってる音にしか聞こえなかった。
もう20年ほど前になるだろうか?NHKでマイケル・ウインスローのワンマンショーをやっていたことがあった。ジミヘンのギターソロを口でやっていたのだが、フィードバックやらハウリングやら低音弦の厚みのあるオーウァードライブサウンドやらはとても人間の声帯が作り出した倍音構成とは思えなかった。
厚みのあるモノトーンは薄っぺらなポリフォニックを凌駕するものだ。
テクニカルな面もさることながら、ノイズの入れ方やフレージングなどの演出も絶妙だった。
で、今回のAFRA & INCREDIBLE BEATBOX BANDの海外遠征、某バラエティで見た時にもやっていた「APACHE」という曲をやってたが、なんの進歩もしてなかった(笑)
百歩譲ってINCREDIBLE BEATBOX BANDの個人技の完成度には目をつぶったとしても、あのアレンジはどうだろう。1+1+1が3以上になるのがアンサンブルというものだが、多分1.1くらいにしかなってない。別に3人でやる必要のないような構成にさえ感じた。(あれだったら打楽器音オンリーでもいいからAFRAひとりでやったほうがまだましだった。)
もし彼ら一人一人の発する音色がマイケル・ウインスローほどの完成度を持っていたとしても、あんな製作途中のトラックみたいなアレンジ聞かされたら客は寝てしまうだろう。
実際客もつきあい程度にしかのってなかった。“大絶賛”ってどんなもん?と思って見てたけど、たまに映る客席は愛想笑いか、失笑かといったところだった。
最後は多少、大きめの声援を送ってたけど、“お祭り”だからはけるときくらいは、おつかれさんという社交辞令は外人にもあるんだろうよ。だってほんとに“大絶賛”だったら大リーグ報道でもお馴染みの聴衆にインタビューしてみました…みたいなのやるもんだが、それもなかったしね。
2年連続で招待されたのが認められた証しだなんていってたけど、今年の村祭りには歌舞伎のまねごとやってるという珍しい外国人を呼んでみました…なんてのと同じノリぢゃねーの?
かつてはイタリアのサンレモ音楽祭なんてちゃんとしたイベントにだって田原トシちゃんなんかが出れたくらいだし(笑)。きっとそういう枠があるんだよ。
White Stripesの前で彼らの曲やったら受けたなんて自慢してた光景も、どうみてもWhite Stripesのほうはファンと接するみたいな上から目線にみえたけどな。
まぁ、別にいいんだけどさ…、でも日本の「テクニカル」とか「エンタテインメント」というものに対する基準がうさんくさくって気持ち悪い。一時のアカペラブームんときはピッチの不安定なハモってないヤツらがいっぱいいたし。
あと、ビジーフォーの洋モノの真似とかね。彼らの場合は確かに演奏や歌は達者だけどさ…。それと似てるかどうかっていうのはまた別問題でしょ?…でハッキリ言って全然似てないのに審査員もろとも絶賛…って…。(テクニック的にもファルセットに関してはイマイチだってーの。)
日本ってのは古くは五木ひろしのラスベガス公演にはじまって「海外進出」というコトバをやたらとふりかざしたがる。YMOの賞味期限の切れた後の80年代、日本で唯一“海外進出”できそうな分野として「ヘヴィメタル」というのがあった。
手先が器用な日本人は次々と超絶技巧な早弾きギタリストを排出…いや輩出し、ついでに連打自慢のパワフルドラマーや自己満足の変拍子ドラマーも生み出した。そうだ、世界進出といえばこのころはフュージョン、クロスオーバーといった恥ずかしいジャンルも盛況だったっけ。
海外での成果は結局いまいちだった。敗因はなんだったのかと勝手に考えるにひとつには超絶技巧に走りすぎたためか日本人が得意なはずのメロディアスな要素が意外と少なかったことがあると思う(別に当時のすべての海外進出バンドを聞いてみたわけじゃないけど)。純粋にタブ譜観賞用かと思っちゃうようなつまらない曲芸プレイか多かった。
様式美好きの欧州シーンなんて日本人が綿密に演出を組み立てていったらもっと何か起こせたんじゃないかと思う。演出でコケてるという意味ではAFRAハンドも同じ轍を踏んでる気がする。
エンタインメントって結局、最後は演出だから、それこそ、例えスローなフレーズしかできなくともどくろ団の尺八のほうがAFRAバンドよりは喜ばれたかもしれないし、音楽祭という趣旨からは外れるけどレイパー佐藤の映画ネタなんてのもやっぱりAFRAバンドより受けるんじゃないかと思う。
でも、結局、日本のヘビメタか大ブレークできなかった最大の要因は演出以前にボーカリストが不在だったということだろう。言葉のカベもそうだけど、存在感のあるボーカリストがいなかった。やっぱりポップミュージックはボーカルなのだ。千の速弾きより一回のシャウト、肉声の説得力はどんなものにも代え難い。
そういえば今回のSONAR Festivalの映像でちらっと流れた現地のビートボクサーは歌をからめていた。その時点で客のくいつきが違うと思うのだけど、その彼の映像を長めに紹介しなかったのはAFRAバンドの地味さが目立ったちゃうからか?と勘ぐりたくなる。
当時のヘビメタファンは「●●って日本人にしては声太いぜ」なんてことをよく言ってたけど、ある友人が「日本人にしては…」って言ってる時点でバカにしてんぢゃねーかと切り捨てていた。
そう、その時点でもう勝ちはないのだ。
日本人は昔から能書きたれるのが好きな国民だ。不思議なことに自分で楽器を演奏しないような人まで、超絶技巧に関する蘊蓄たれたりする。
高校時代に楽器に触れたこともないような友人がおいらにあるギタリストのソロアルバムを無理矢理聞かせて「どうだすごいだろ」と感想を求めてきた。
どうやらギターをかじっているおいらに「参った」と言わせたいらしい。ちょっと呆れたが、プログレ崩れのテクニシャンたちが日本で商売ができる理由を垣間見た気がした。
日本人にスペックで音楽を聴く人種がいるのだ。
はだかの王様といっしょで絵画でもなんでも、“知ったかくん”が増殖してシーンを作り上げてしまうことすらある。“知ったかくん”は最後は“思い込みくん”に変態するから結果としては本人は決してムリせずに楽しんでいるのだけど、能書きくんたちが好む重要なスペックのひとつに「海外でも受けた」なんてのがあったりするからハナシはややこしくなる。
「海外でも受けた」は大抵はマスコミの誇張だから一種の風説の流布。これがスポーツ選手だったらすぐにポシゃって気が付くけど、音楽やなんかはしばらくバレないから、株価先行、実力不明みたいな状態がビミョーにエンタテインメントの成長を妨げたりしてねーかと心配になる。
なんかヒューマン・ビートボックス専用のマイクを開発したなんて自慢してたけど、その前に芸を磨け。
とりあえずYouTubeでMichael Winslowで検索して勉強しろ。
で、そのMichael Winslowといえば来年には「ポリスアカデミー」の新作が公開されるらしい。チェケラ!
世界が大絶賛!アフラ
などとなっていたので、こやつちったぁ上手くなってるのかな?と期待が高まり「コマネチ大学」をわざわざ録画にしてまで見てみることにした。
以前、某バラエティ番組でAFRA & INCREDIBLE BEATBOX BANDのパフォーマンスを見たことがあるのだけど、そんときゃチンピラの学芸会かと思った。
ここでヒップホップ修行中の小僧がいくら「シロウトはわかっちゃいねーよ、AFRAはすごいんだぜ」とか口を挟んでみたところで、エンタテインメントのステージってのはクリニックやワークショップではないし、別に“頑張り”を見せるところでもない。
3人がかりでやったクルマの急ブレーキ以外は客席の反応も冷ややかだったので、まぁ、それが一般的な価値観での評価なのだと思うし、それがすべてだともいえる。
音色の完成度でいうなら芸人のこばやしけん太やレイパー佐藤のほうが遙かに上だと思った。いや、どくろ団の尺八やトランペットでさえも(笑)
ワンナイ黒木の「おまえ口で言うてるやろ」じゃないけど、INCREDIBLE BEATBOX BANDのパフォーマンスはそれこそ口で言ってる音にしか聞こえなかった。
もう20年ほど前になるだろうか?NHKでマイケル・ウインスローのワンマンショーをやっていたことがあった。ジミヘンのギターソロを口でやっていたのだが、フィードバックやらハウリングやら低音弦の厚みのあるオーウァードライブサウンドやらはとても人間の声帯が作り出した倍音構成とは思えなかった。
厚みのあるモノトーンは薄っぺらなポリフォニックを凌駕するものだ。
テクニカルな面もさることながら、ノイズの入れ方やフレージングなどの演出も絶妙だった。
で、今回のAFRA & INCREDIBLE BEATBOX BANDの海外遠征、某バラエティで見た時にもやっていた「APACHE」という曲をやってたが、なんの進歩もしてなかった(笑)
百歩譲ってINCREDIBLE BEATBOX BANDの個人技の完成度には目をつぶったとしても、あのアレンジはどうだろう。1+1+1が3以上になるのがアンサンブルというものだが、多分1.1くらいにしかなってない。別に3人でやる必要のないような構成にさえ感じた。(あれだったら打楽器音オンリーでもいいからAFRAひとりでやったほうがまだましだった。)
もし彼ら一人一人の発する音色がマイケル・ウインスローほどの完成度を持っていたとしても、あんな製作途中のトラックみたいなアレンジ聞かされたら客は寝てしまうだろう。
実際客もつきあい程度にしかのってなかった。“大絶賛”ってどんなもん?と思って見てたけど、たまに映る客席は愛想笑いか、失笑かといったところだった。
最後は多少、大きめの声援を送ってたけど、“お祭り”だからはけるときくらいは、おつかれさんという社交辞令は外人にもあるんだろうよ。だってほんとに“大絶賛”だったら大リーグ報道でもお馴染みの聴衆にインタビューしてみました…みたいなのやるもんだが、それもなかったしね。
2年連続で招待されたのが認められた証しだなんていってたけど、今年の村祭りには歌舞伎のまねごとやってるという珍しい外国人を呼んでみました…なんてのと同じノリぢゃねーの?
かつてはイタリアのサンレモ音楽祭なんてちゃんとしたイベントにだって田原トシちゃんなんかが出れたくらいだし(笑)。きっとそういう枠があるんだよ。
White Stripesの前で彼らの曲やったら受けたなんて自慢してた光景も、どうみてもWhite Stripesのほうはファンと接するみたいな上から目線にみえたけどな。
まぁ、別にいいんだけどさ…、でも日本の「テクニカル」とか「エンタテインメント」というものに対する基準がうさんくさくって気持ち悪い。一時のアカペラブームんときはピッチの不安定なハモってないヤツらがいっぱいいたし。
あと、ビジーフォーの洋モノの真似とかね。彼らの場合は確かに演奏や歌は達者だけどさ…。それと似てるかどうかっていうのはまた別問題でしょ?…でハッキリ言って全然似てないのに審査員もろとも絶賛…って…。(テクニック的にもファルセットに関してはイマイチだってーの。)
日本ってのは古くは五木ひろしのラスベガス公演にはじまって「海外進出」というコトバをやたらとふりかざしたがる。YMOの賞味期限の切れた後の80年代、日本で唯一“海外進出”できそうな分野として「ヘヴィメタル」というのがあった。
手先が器用な日本人は次々と超絶技巧な早弾きギタリストを排出…いや輩出し、ついでに連打自慢のパワフルドラマーや自己満足の変拍子ドラマーも生み出した。そうだ、世界進出といえばこのころはフュージョン、クロスオーバーといった恥ずかしいジャンルも盛況だったっけ。
海外での成果は結局いまいちだった。敗因はなんだったのかと勝手に考えるにひとつには超絶技巧に走りすぎたためか日本人が得意なはずのメロディアスな要素が意外と少なかったことがあると思う(別に当時のすべての海外進出バンドを聞いてみたわけじゃないけど)。純粋にタブ譜観賞用かと思っちゃうようなつまらない曲芸プレイか多かった。
様式美好きの欧州シーンなんて日本人が綿密に演出を組み立てていったらもっと何か起こせたんじゃないかと思う。演出でコケてるという意味ではAFRAハンドも同じ轍を踏んでる気がする。
エンタインメントって結局、最後は演出だから、それこそ、例えスローなフレーズしかできなくともどくろ団の尺八のほうがAFRAバンドよりは喜ばれたかもしれないし、音楽祭という趣旨からは外れるけどレイパー佐藤の映画ネタなんてのもやっぱりAFRAバンドより受けるんじゃないかと思う。
でも、結局、日本のヘビメタか大ブレークできなかった最大の要因は演出以前にボーカリストが不在だったということだろう。言葉のカベもそうだけど、存在感のあるボーカリストがいなかった。やっぱりポップミュージックはボーカルなのだ。千の速弾きより一回のシャウト、肉声の説得力はどんなものにも代え難い。
そういえば今回のSONAR Festivalの映像でちらっと流れた現地のビートボクサーは歌をからめていた。その時点で客のくいつきが違うと思うのだけど、その彼の映像を長めに紹介しなかったのはAFRAバンドの地味さが目立ったちゃうからか?と勘ぐりたくなる。
当時のヘビメタファンは「●●って日本人にしては声太いぜ」なんてことをよく言ってたけど、ある友人が「日本人にしては…」って言ってる時点でバカにしてんぢゃねーかと切り捨てていた。
そう、その時点でもう勝ちはないのだ。
日本人は昔から能書きたれるのが好きな国民だ。不思議なことに自分で楽器を演奏しないような人まで、超絶技巧に関する蘊蓄たれたりする。
高校時代に楽器に触れたこともないような友人がおいらにあるギタリストのソロアルバムを無理矢理聞かせて「どうだすごいだろ」と感想を求めてきた。
どうやらギターをかじっているおいらに「参った」と言わせたいらしい。ちょっと呆れたが、プログレ崩れのテクニシャンたちが日本で商売ができる理由を垣間見た気がした。
日本人にスペックで音楽を聴く人種がいるのだ。
はだかの王様といっしょで絵画でもなんでも、“知ったかくん”が増殖してシーンを作り上げてしまうことすらある。“知ったかくん”は最後は“思い込みくん”に変態するから結果としては本人は決してムリせずに楽しんでいるのだけど、能書きくんたちが好む重要なスペックのひとつに「海外でも受けた」なんてのがあったりするからハナシはややこしくなる。
「海外でも受けた」は大抵はマスコミの誇張だから一種の風説の流布。これがスポーツ選手だったらすぐにポシゃって気が付くけど、音楽やなんかはしばらくバレないから、株価先行、実力不明みたいな状態がビミョーにエンタテインメントの成長を妨げたりしてねーかと心配になる。
なんかヒューマン・ビートボックス専用のマイクを開発したなんて自慢してたけど、その前に芸を磨け。
とりあえずYouTubeでMichael Winslowで検索して勉強しろ。
で、そのMichael Winslowといえば来年には「ポリスアカデミー」の新作が公開されるらしい。チェケラ!
ホント、みんなできもしなくせにやりたがりますよね笑
みすちるとか言うのが
TVでかかってたけれど ひどかったな~。
ワシは一時ファルセット、かなりいけてましたよ笑
「コマ大」、録画までして見なくても・・・・笑
(↑前回は算数並だった笑)
でも、イラクの記事でのコメントにレスいただけないのは残念です。