偽史倭人伝 ~ Carnea Historia

march madness の次が April Foolなんて小粋ぢゃないか。

プッシュ型は古いと猛プッシュするNHK(NHK技術研究所見物記 其之弐)

2008年05月28日 00時28分38秒 | ◎ツッコミ思案neo
 AdapTVというコーナーで忙しい人のために、個人の嗜好データからその人に合わせたダイジェスト版を作ってくれるという夢のようなシステムが(多分、悪い夢のほうだと思うが)紹介されていた。

 ニュースに「重要度」と「類似度(ユーザーの嗜好にマッチングしている度合い)」というスコアをつけていきポイントの高い順にダイジェストを作るというものだという。

 「類似度」の判定基準は個々のニュースにつけられたキーワード・タグにより計算される。

 ここでふと疑問が。毎日ダイジェストしか見ない人はどんどん内容が偏っていくんぢゃないだろうか?という恐怖。

…ところがそんなことはないと反論されてしまった。

「たとえば浅田真央ちゃんはいずれ年をとるからいなくなりますよね」

なんだかいきなりムチャに理屈だ。

「でも、フィギアスケートっていうワードは残りますよね?」

「ええ、そーですけど、重要なニュースは個人の嗜好とは別に必ずはいるから問題ありません」

 全然、説明になっていない。

 いつかフィギアスケートに興味がなくなったら、データが残らないようにフィギアのニュースが出てくるたんびにテレビのスイッチをいちいち切らなければならないんだろうか?

 あと別にあげあし取りということではなくふと思ったのが、特に見ようと思って見たわけではないコーナー、たとえばニュースの後半によくある海外トピックスとか地域のニュースとかは一生見られなくなっちゃううのではないか?という心配。

 そこらへんをぶつけてみたら

「そういった『ヒマ番組』は時間調整として半端なところに組み込まれるから絶対に見られないかというとそうでもありません」

 視聴者に対して自ら『ヒマ番組』って説明しちゃってるぜ。送り手の熱意とか誇りとかはないのか?(苦笑)

 そもそもテレビのよさというのは自分で選ばなくっていいというところだ。一方的に放送されるおかげで思わぬ啓蒙・啓発を受けることさえある。
 ましてや報道番組はエンタテインメントではない。

 テレビが自分に合わせてくれるということは、自分以上の広がりがないということでもある。それに対しては

「プッシュ型はもう古いんです。これは時代のニーズでみなさんが求めていることなんです」…だってさ。

「プッシュ型」って言葉、久しぶりに聞いたぜ。
おいらは「みなさん」ではないらしい。
「プッシュ型」は古いといってるわりには強力にプッシュしてきやがるな。
「提案」という名の押しつけ…ってか。

 ニュースはダイジェストに限るなんて人はハナっからテレビなんて見ないでネットオンリーなんぢゃねーかな。この人たちはテレビならではの存在価値ってどう考えているんだろうか?

 ところでニュースの重要度ってどうやって決めてるんだろ?もちろんそのスコアは人間の手打ちだよね?…と思ってきいたら機械任せなのだそうだ。こちらもキーワードだったり、あと「重要なニュースは大抵冒頭にきますし」…ってだったら手動でいいぢゃねーか!重要度を決めるのもジャーナリストの役目だろう。

 報道はグーグル化していき、そこからしか知識を得られない人間の脳みそもグーグル化してっちゃうんだろうな

…で、誰が得をする?

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