オレンジノートライター2

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星の彼方へ

2010年12月09日 00時21分24秒 | 音楽BOX
宇多田ヒカルさんのベストアルバム「Utada Hikaru SINGLE COLLECTION VOL. 2 」を買いました。

最初ジャケットアートを手にした時、なんか怖い、と思ったんですよね。

ベスト盤ではアーティスト写真が一切ないブックレットは結構よくあるのですが、このブックレットは黒地に白い歌詞と文章、黒い宇宙の世界に、いくつもの星がかすかに輝くだけの世界観で構築されており、なんだか寂しさすら感じてしまいました。



だけど、実際に聞いてみると、宇多田さんの心境って実はこんな感じだったのかと想像してしまいます。

デビューから今までずっとJ-POP界を牽引する存在であり、それに比例するプレッシャーを感じ続けていたんじゃないでしょうか?

最近のラジオで「ヒカルのことを叱る人がいない」との発言がありましたが、こういう世界では自身の感受性と才能でしか進む事ができません。

進んでいると思いきや、全く違う方向へ進んでしまったり、後ろへ下がっていたという感覚を、きっと宇多田さんは感じていたんだと思います。

そんな心境を、真っ暗な宇宙の中で、小さな星の輝きを頼りに進んできたジャケットに示したような気がしました。


だけど、そんな星の輝きのような曲だからこそ、宇多田さんの曲は常に当時のセンスと才能100%に満ちています!!



こういう時系列順に並べられたベスト盤って、当時のアーティストの好みや傾倒が感じられるのも醍醐味の一つだと思うのですが、今はR&Bテイストの強いサウンドであるのに対して、終盤につれてアコースティックでシンプルな傾向が見られたりして、まさに「宇多田ヒカルの歴史」と言っても過言ではないのかもしれません。



新曲も収録されていましたが、ひとまず宇多田ヒカルさんのキャリアはこれで終わりです。

だけど、新曲が収められたディスク2の曲を聴けば聴くほど、宇多田ヒカルさんの歌が終焉なんて迎えていない事を教えてくれます!!


いつでもいいから、また歌ってくれればいいと思えるような、そんなアルバムです。