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半導体の製造工程

2023-12-08 00:43:08 | 話の種

半導体の製造工程

半導体の製造工程は、下記の流れとなっている。

A.マスク製造工程:回路を設計してフォトマスクを作成する工程
B.ウェハ製造工程:シリコンウェハを製造する工程
C.前工程:ウェハに電子回路を形成するまでの工程
D.後工程:ウェハをチップ状に切り出して、パッケージングをして検査を行う工程
E.流通:顧客に半導体を納入


〇「設計」:回路を設計してフォトマスクを作成する工程

[回路・パターン設計]
(半導体チップ上にどのような回路を配置するのか設計し、効果的なパターンを作成する)
[フォトマスク作成]
(コンピューターを使い、透明なガラス板の表面に設計した回路パターンを描いてマスクを作成。これがウェハに回路を転写するための原版となる)
[マスク検査]
(外観上の不良、回路パターンの寸法の精度不良、回路パターンの位置の精度不良などを検査装置で見つけ出す)

(参考)
[設計]
(半導体の配線は非常に細かいため、コンピュータで回路を描いたフォトマスクをウェハ表面に転写して、回路を形成する方法をとっている)
[回路・パターン設計]
(要求されている性能を満たす回路を設計する工程。回路を効率よくレイアウトするために回路パターンを作成して検討を重ね、動作シミュレーションも行う)
[フォトマスク作成]
(コンピュータを用いて、透明なガラス板に実際よりも大きく回路パターンを描いて、フォトマスクを作成する。フォトマスクはウェハに回路を転写するための原版(マスター)となるもの)

〇「素材」:シリコンインゴットを作成しウエハーを製造する工程

[シリコンインゴット切断]
(シリコンインゴットの塊を薄くスライスし、ウェハを作成する)
[ウェハの研磨]
(シリコンウェハ表面の凸凹を研磨剤と研磨パッドで鏡のようになるまで磨く)

〇「前工程」:前工程はウェハプロセスとも呼ばれ、ウェハ上に電子回路を製作する工程。

[ウェハ表面の酸化]
(ウェハ表面を高温の酸素で酸化させることで、絶縁層となる酸化膜を作成する。)
[薄膜形成]
(ウェハの酸化膜の上に配線となる金属薄膜を作成する。)

[パターン転写] =[リソグラフィー]
・[フォトレジスト塗布]
(フォトレジストといわれる感光剤をウェハ表面に均一に塗る)
(これにより光に反応して回路パターンを焼き付けることができるようになる。照射する光源の種類によって材料が異なる)
・[露光・現像]
(ウェハ表面にフォトマスク、縮小レンズを通して光を照射し、回路パターンを焼き付ける)
(その後、現像液によって不要なフォトレジスト部分を除去する)

[エッチング]
(フォトレジストで形成されたパターンに沿って覆われている部分以外の酸化膜と薄膜を削り取る)
(フォトレジストに覆われている部分は残る)
[レジスト剥離・洗浄]
(残っているフォトレジストを剥離する。その後、ウェハ上に残っている不純物を薬液に浸して取り除く)[イオン注入・活性化]
(不純物イオンを注入し、フラッシュランプやレーザーを照射するなど熱処理を行うことで半導体の電気的特性を変化させる)
[平坦化]
(ウェハ表面の凹凸をなくすため、研磨する。)

*(ここまでのパターン転写~平坦化までの工程を繰り返すことで、ウェハ上に設計通りの回路を形成していく。)

[電極形成]
(ウェハ上のチップの内部回路に外部の電気を通すために、電極用の金属を埋め込む。)
[プローブ検査]
(ウェハ上に形成された数百個のチップの一つ一つにプローブという針を接触させて、電気的に問題がないか検査を行う。)

〇「後工程」:後工程は前工程でウェハ上に製作されたチップを切り出して、パッケージ化した後、最終検査を行う工程。

[グラインディング]
(前行程で回路を形成したウェハを裏側から薄く削り、厚みを数分の一にする)
(ウェハの厚みが薄いほうがパッケージングの際に有利となるため)
[ダイシング]
(ウェハをダイヤモンドブレードで切断し、一つ一つのチップに分離する)

[パッケージング]
・[ダイボンディング](ダイ=チップ)
(切断したチップを銀ペーストやハンダなどの接着剤でリードフレームという金属の枠に固定する)
・[ワイヤーボンディング]
(チップとリードフレームを金線で接続する)
・[モールディング]
(チップにキズや衝撃を抑えるためにセラミックやモールド樹脂でパッケージしてガードする。)

[最終検査]
(温度や電圧の試験、電気的特性試験や外観構造検査などの品質検査を行い、不良品を取り除く。)


(参考)
イラストで分かる半導体製造工程
https://www.semijapanwfd.org/manufacturing_process.html
半導体のフォトリソグラフィとは?工程フローと原理
https://semi-journal.jp/basics/process/photolitho.html

【前工程編】工場見学:半導体ができるまで(「サンケン電気」- YouTube )
https://www.youtube.com/watch?v=poKpjfO5m_8
【後工程編】工場見学:半導体ができるまで(「サンケン電気」- YouTube )
https://www.youtube.com/watch?v=xBY5G9JFxe0&t=22s

 

(参考)

半導体の製造工程を簡単に纏めると次のようになる。

[半導体製造工程の流れ]

[前工程の流れ]:
成膜:電子回路になる薄膜を表面に張る
リソグラフィー:設計された回路をウェーハの表面に転写する
エッチング:リソグラフィーで転写された回路に沿って薄膜を加工する
不純物添加:シリコンに不純物を混ぜ、電気を通すようにする
平坦処理:薄膜の表面の凹凸を磨いて平らにする
(以上を繰り返す)

電極形成
ウェハ検査(プローブ検査)

[後工程の流れ]:
ダイシング:ウェーハから個々の半導体チップを切り出す
ダイボンディング:チップをリードフレーム固定する
ワイヤーボンディング:チップとリードフレームの間に金線を取り付ける
モールディング:樹脂でチップとワイヤーをカバーする
最終検査:半導体チップが正常に動くか検査する

 


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