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半導体について

2023-12-08 00:32:39 | 話の種

半導体について

[半導体とは]

シリコンを主な材料とした物質(素材)で、条件により導体にも絶縁体にもなりうる(電気を流したり流さなかったりしうる)もの。

*半導体の代表的な素材はシリコンだが、高純度のシリコン単結晶は、ほとんど電気を通さないので、リンやヒ素などの不純物を敢えて混ぜることで、電気を通しやすくしている。

*半導体にシリコンが使われる理由
・資源が豊富にあること。( シリコンは地球表面で存在するすべての物質のうち2番目に多い物質といわれている。)
・加工しやすく、純度を高めたり、不純物を調整したりするのが容易。
・酸化膜をつくりやすい。(半導体デバイスは必ず絶縁膜を必要とし、シリコンは酸素の存在下で加熱するだけで自然にSiO2の酸化膜を形成する。 SiO2は高い絶縁性を持ち欠陥も少ないため、半導体デバイスにとって非常に信頼性の高い絶縁膜となる。)
・光や熱などのエネルギーを受けても、比較的安定した電流制御が可能

*半導体は、温度によって電気抵抗率が変化する。
・温度が高い:電気抵抗率が高くなり、電気が通りにくくなる。
・温度が低い:電気抵抗率が低くなり、電気が通りやすくなる。

*半導体デバイスにおいて、電流のオンとオフは半導体素子内で制御される。この動作は電気信号によるものであり、温度制御とは異なる。
(半導体デバイス:半導体の基盤上(ウエハー)に、ダイオードやトタンジスタなどの素子を組み合わせ電子回路を作成し、チップ状にしたもの。メモリやマイコン等のIC(集積回路)などをいう。)

[半導体の役割]

・電気の流れを制御する
(一方向に電気を流すこともできるし、その電気を止めることもできる。)
(高速で電気を通す/止めるを切り替えると、その連続値が0と1になり、デジタル化が可能。)
・電気エネルギーを光に変換する(LED、有機EL、レーザーなど)
・光エネルギーを電気に変換する(太陽光発電など)

(参考)

半導体とは?種類や役割、使用例などを簡単にわかりやすく解説
https://www.y-skt.co.jp/magazine/knowledge/guide-semicon/
(5分で復習)半導体の仕組み
https://contents.zaikostore.com/semiconductor/5445/

【基礎講座】ゼロから学ぶ!半導体の基礎知識(「サンケン電気」- YouTube )
https://www.youtube.com/watch?v=bfIMtiAml08

[ダイオードとトランジスタ]

・[ダイオード]:電流を一方向に流す(整流作用)
(この他、ダイオードには検波(ラジオなどの電波から音声信号を取り出す)、電圧制御、電流変換などの役割がある。)

(参考)ダイオードの仕組みと用途を解説!どんな場面で使われる?
https://www.matsusada.co.jp/column/diode.html

・[トランジスタ]:電流をコントロールする。電流・電圧を増幅する(増幅作用)、電気のオン・オフを行う(スイッチング作用)

(参考)トランジスタを徹底解説!原理・用途・使い方をマスターしよう
https://contents.zaikostore.com/semiconductor/3795/

*[バイポーラトランジスタ](NPN型とPNP型があり、電流によってコレクタとエミッタの間の伝導性を制御する)
ベースに電流を流すと、トランジスタはオンの状態になり、電流がコレクタとエミッタに流れる。ベースに電流がない場合、オフの状態で、電流は流れない。

(ベース(B)、コレクタ(C)、エミッタ(E)・・・電極の名前)
(ベース電流は全開(Open)=ON、全閉(Close)=OFFだけで、半開のような調節はしない。)

(増幅作用):
・エミッタ-ベース間のわずかな電流変化が、エミッタ-コレクタ間電流に大きな変化となって現れる。
・ベース信号を入力信号とし、エミッタ-ベース間の電流を出力信号とすることで、増幅作用が得られる。

(スイッチング作用):
・エミッタ-ベース間にわずかな電流を流すことで、エミッタ-コレクタ間にその何倍もの電流を流すことができる。
・エミッタ-ベース間のわずかな電流をON/OFFすることで、エミッタ-コレクタ間の大きな電流のON/OFFの制御ができ、ここにスイッチング作用が得られる。

(参考)トタンジスタスイッチ
http://www.ee.ibaraki.ac.jp/09student/Lectures/KisoDenki/Tr/Tr_as_SW.html

*[MOSFET] (Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect = 金属酸化物半導体フィールド効果トランジスタ)(ゲートに印加された電圧によりチャネルの形成や遮断が制御される。)
ゲートに電圧をかけることで電界が発生し、チャネルが形成され、電流が流れる。ゲート電圧を変化させることで、トランジスタはオンまたはオフの状態に切り替えられる。

[ICとLSI]

・[IC] (Integrated Circuit):集積回路(複数の素子を一つに集積したもの。例えばトランジスタを複数組み合わせたり、トランジスタとダイオードなどを多数組み合わせたりして構成したもの。)

・[LSI ] (Large Scale Integration):大規模集積回路(ICの中の一つで、様々な素子の集積度がより高まったもの。)


[電気が流れる仕組み](理論)

一般的に金属は電気をよく通しますが、これは金属元素同士が結合する際に各原子の電子が自由電子になるからです。電圧を加えると、金属結晶内の自由電子が動き回り、電荷を運ぶことで電気が流れる仕組みになっています。

半導体は、流れてくる電気の状態によって導体としてふるまったり、絶縁体としてふるまったりします。半導体は金属のように豊富な自由電子を持ちません。電圧がかかると、電子が足りない穴を埋めるように電子が順番に動いていったり、金属結合よりも少ない自由電子で電気を運んだりします。

電気を流す仕組みの違いによって、半導体はP型半導体とN型半導体に分けられています。
P型半導体は前者の電子が足りない穴を埋めるように順番に動いていくものです。シリコンのような4価元素にホウ素やボロンなどの3価の添加物を混ぜたものがP型半導体になります。電子が1つ足りないので、正(+)に帯電していると考えます。
N型半導体は後者の金属結合よりも少ない自由電子で電気を運ぶものです。シリコンのような4価元素にリンなどの5価の添加物を混ぜたものがN型半導体になります。電子が1つ余っていますので、負(ー)に帯電していると考えます。

このP型半導体とN型半導体を1つの結晶としてつなげたものがPNダイオードで、ダイオードの中では最も一般的に使われています。PNダイオードではP型半導体につながる電極をアノード(A)、N型半導体につながる電極をカソード(K)と呼びます。

*(自由電子):
物質内で特定の原子間の結合に束縛されず自由に動き回れる電子のこと。金属結晶などには豊富に含まれるため電気をよく通す導体となり、ゴムなどには含まれないため電気が流れない絶縁体(不導体)となる。
半導体は導体と絶縁体の中間の性質を持つ物質で、シリコン(ケイ素:Si)やゲルマニウム(Ge)などの4価の物質の結晶中に価電子数の多い5価のリン(P)やヒ素(As)を添加したものには内部で自由電子が生じる。このような組成の半導体を「n型半導体」と呼び、自由電子が負(negative/-)の電荷を運搬する担体(キャリア)として振る舞う。

*(正孔 (hole)):
「p型半導体」中を価電子が移動した時に、価電子が元にいた位置に残った穴(孔)のことを正孔という。正孔は、負の電荷を持っている価電子が抜けた後に残る穴(孔)であるから、価電子とは逆に正の電荷を持っている。また、その他の価電子の移動により正孔が埋められ、正孔の存在する位置が変化することによって、あたかも自由に移動しているかの様に考えることができる。正の電荷を持った正孔が移動する事によって、電流が流れる(正の電荷が運ばれる)ので、電子と同様、正孔もキャリア(carrier)と呼ばれることがある。

*(キャリア)=電気伝導の担い手
このキャリアが半導体の電気的性質を決定するため、それらを如何に制御するかが重要となる。

(参考)電流と電圧の違いとは?川の流れに例えて分かりやすく解説!

https://towatowa.net/denryu-denatsu-chigai/

 

[フラッシュメモリーがデータを保存できる仕組み](理論)

フラッシュメモリーは、電源を切ってもデータを保持できる「不揮発性」である点が最大の特徴。メモリーは、不揮発性であることが理想の姿。パソコンのメインメモリーも本来なら不揮発性の方が望ましい。現在のパソコンが、データの消えてしまう「揮発性」のDRAMを使う理由は、ビットコスト(ビット当たりの単価)が安く、フラッシュメモリーに比べて高速なため。

*(半導体メモリには揮発性と不揮発性がある。 揮発性は電源を切ると記憶が消えてしまう物を言う。 DRAM、SRAMが代表的なものである。 不揮発性は電源を切っても記憶が消えない、すなわち揮発しないと言う意味で、フラッシュメモリはその代表である。)

DRAMとの違いはフローティングゲートの有無

 では、フラッシュメモリーはどうやって「不揮発性」を実現しているのか。そもそも、フラッシュメモリーもDRAMも半導体であることに変わりはない。フラッシュメモリーがDRAMと異なるのは、電荷を保持する「フローティングゲート」という領域が、トランジスターの内部に追加されていること。

 このフローティングゲートにある電荷の状態によって、電流が流れるときの電圧が変わってくる。フローティングゲートに電子がある場合は、1Vを超えると電流が流れ始めるが、ない場合は5V以上の電圧をかけないと電流が流れない。この違いで「0」か「1」かを区別する。

 フローティングゲートは絶縁されており、電源を切ってもそこに蓄えられた電子が漏れ出すことはない。つまり、電源がオフになったときでも、データを記録しておけるわけ。

(参考)大容量かつ高速化で普及が進む、「フラッシュメモリー」の原理を探る
https://xtech.nikkei.com/it/pc/article/NPC/20061129/255245/


(参考)

「半導体のウエーハは、なぜ丸い?」

半導体の原料であるシリコンから単結晶を成長させるには、引き上げ法と呼ばれる方法が広く用いられています。この方法では、原料を坩堝内で融点以上の高温に加熱し、液体(融液:melt)にします。この液体に種結晶と呼ばれる結晶を付け、ゆっくり回転させながら引き上げていきます。すると、円柱上の結晶が成長しインゴットになります。、それをダイアモンド粉末でコーティングした工具で薄く切断したのがウエーハなので円板状になります。
(回転させる理由)  原料の中には取り除くことができない不純物がごくわずか含まれています。融液を回転させることで、不純物は均一に混ざります。

「何故単結晶だと丸くなるのか?」

溶けたシリコンを四角い容器に入れて冷やしていくと、容器の縁から熱が逃げて冷えていき、あちこちから結晶化が進むので、単結晶になりません。製氷皿で凍らせた氷の内部にいろんな方向のスジが入っている事からもイメージしやすいでしょう。
大きな単結晶を作るには、小さな単結晶のかけらを溶けたシリコンに触れさせて、並んだ結晶に続いて結晶が成長していくように少しずつ大きくしていくしかありません。
結晶が成長したら引き上げて、少しずつ大きくする事を繰り返し、所定のサイズになったら一定速度で引き上げて行けば、見慣れたインゴットの姿になるのです。


(付記)

当方長年不思議に思ってきたのは、例えばCDやDVDで、どのようにして作られ、また手軽に安価に複製できるのかということ。印刷機みたいにペッタンペッタンやっていると言われても、アナログ人間には全くイメージがわかず理解できなかった。
その後、USBメモリーやドライブレコーダーなどが出現し、どうして大量の情報をあのような小さなものに収められるのかとますます疑問に思うようになった。
これらは全て半導体及びその進化によるものとのことだったが、この半導体というのも分かっているようで全く分かっていないということが分かり、今回これ迄の疑問点を念頭に調べてみた。

その結果分かったのは、この半導体の作用、作業というのは全て原子のレベルで行われているということ、また回路の作成、配線はレーザー光で行っているということでようやく納得できた。(アナログ人間の宿命でメカニカルな思考しか頭の中になかったので。)
(また情報の保存も全て0と1だけのシンプルなものなので(デジタル保存)、半導体を小さくできれば比例して半導体デバイスも小さくでき、同じサイズであれば情報はより多く保存できるということになる。)

ということで、ここに記したものは、当方が疑問に思っていたことを、本やネットで調べて、取り合えず納得できる範囲内で纏めたものだが、更なる疑問点については当方の理解力に合わせて習得したことを今後追加して行きたいと思う。(ここまででもういいやという気もあるが。)

 


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