ドバイの経済危機で、ヨーロッパの機関投資家も円を買い。円高が加速しているという。リーマンショック前は、世界中の建築家、建設業者がドバイ詣でをやっていたが、今、工事の止まった超高層群は、たんなる墓石でしかない。
現代とは、巨額な富が集積したところは崩壊していく。昔、ポルトガルやスペインが隆盛し、今は落ちぶれたように、現代の富の巡回はあっと言う間。
あんな、鉄とコンクリートの墓石を作るために、数兆円の投資がなされ、結局は著名な建築屋が少々稼ぎ、悦に浸っただけで、後数年すれば、ドバイの廃虚は朽ちていくだろう。
日本の高層建築、特に新宿の1970年代の古層建築は、そろそろ寿命が来つつあり、新宿の高層建築群とて、そう遠くない将来、構想スラムと化すでしょう。
歴史的には、風土的建築が生き残り、近代建築は廃虚と化す。建築家もそろそろそれに気づくべきだが、巨大なものを作りたいのも人情。
谷間の建築屋は、そんな事を考えながら今日をいきる。