時のうてなに立ちて風を感ず。

To the happy few (Henri Beyle)

本当の民主主義はとても脆弱

2023年03月31日 | 民主主義

『霧のロンドン』というちょっと幻想的な絵画をイメージさせる言葉が在ります。石炭の煙と霧の混じったスモッグが滞留したものと知るまでは、少し憬れていたものです。産業革命の頃の工場では、子供でも立派な労働力だったようです。安価ですぐ替えの利く労働者としてですが。勿論、労働基準法なんて影も形も無い時代です。病気や怪我で働け無くなれば、お払い箱になってしまいます。保障などは有りません。仲間が居て助け合うことが出来なければ……、命の安い時代だったのです。

チャールズ・ディケンズの小説には、そんな情景がユーモアを交えながらも鋭いまなざしを持って描かれています。『オリバー・ツイスト 』は月刊誌の連載として執筆された為なのか、読者を飽きさせる事も無く読み進められます。ディケンズは新聞記者だったので、当時の社会の様々な物事を見聞きしたのだろうと思う。弱者や虐げられている人々に寄り添う暖かなものが感じられるのです。

カール・マルクスも、産業革命の頃の工場労働者の状況に心を痛めた事が『資本論』を執筆する動機になったと、何かで読んだ記憶が在ります。昔の事なので確信はあまり有りません。その辺は広い心でお願いします…😓

弱者や虐げられている人々に寄り添うその心、人としてとても大切なその心が、今の社会を動かしている人々に感じられないのは私だけなのでしょうか。

民主主義を人の体に例えると、神経のようなものと考える事ができると思う。今、苦しんでいる人、困っている人は、痛みを訴えている神経細胞なのです。何らかの手当てが必要なのだと脳細胞に伝える事で解決を求めるのです。自分や周囲の人々だけでは解決出来ない困難に見舞われて困っている時、何らかの形で地方や中央の行政に伝わる仕組みを持つのが、民主主義の一つの基本的な形なのではないだろうか。

民主主義は、国民全てに主権が在るのです。赤子から老人まで一人も欠ける事無く主権者なのです。これに例外はありません。選挙権という政治行為こそ18歳に成るまで持てませんが、主権者としての権利は等しく持っているのです。



最近の日本では、大きなデモやストライキなど、主権者である国民の正当な権利の行使がほとんど見られなくなってしまったように思う。民主主義における国民の政治行為は、投票だけでは無いのです。デモにより自分の意見を多くの人に伝える事もまた主権者の大切な役割なのです。
今日のように、世の中がおかしくなっていると感じている時に、長いものに巻かれても抗わなければそのまま丸呑みされてしまいます。







吉村妃鞠さんは、。現在進行形で成長している姿を見せてくれている。
今でも素晴らしい演奏を聴かせてくださっていますが、将来がさらに楽しみです。
激動の時代ですが、健やかなる成長を祈ります。