友田 修/花冠同人

友田 修の俳句ブログ

立春 2-5-06

2006-02-05 11:48:38 | 今日の俳句
春立ちて草木の伸びる音もする
春立ちて喜び人の足取りに
藪椿指先ほどの蕾あり

山茶花の花ほころびて散りにけり
山茶花の散りて明るき池の端
ほどけむと見ゆる椿の蕾かな

[橘句会]
春立ちて風の色まで変わりけり
春立ちて木の芽すべてが日に向かふ
春立ちて陽の透き通る風吹きぬ


落葉 2-3-06

2006-02-03 00:10:42 | 今日の俳句
一面に静かに眠る落葉かな
卒塔婆の倒れおりけり冬の墓
凍て道の真直ぐに向かう八幡宮

砲丸の柔く落ちるや霜の上
雪上を駆けるボールを追ふ球児
手袋もいらぬ朝になりにけり

[橘句会]
姫沙羅の冬芽光を受けて白く
木漏れ日の光を返へす落葉かな


冬の海 2-2-06

2006-02-02 07:35:43 | 今日の俳句
静かなる海に落ちゆくオリオン座
奈落へと落ちるが如き冬の海
貝殻を留めておかぬ冬の海

床屋帰り陽光溢るる四温晴れ
枯木立冬芽を包む四温かな
雨垂れの冬芽に宿り世を映す

信号機同時に変わる春隣
焼酎を妻一人飲む冬の夜
行き帰り早足となる枯野かな

[橘句会]
寒椿濡れて紅きの際だてり
山茶花の雨打ち濡れてうつむきぬ
冬柿のひとつ残れる里晴れて


寒雀 2-1-06

2006-02-01 21:52:36 | 今日の俳句
寒禽の陽光を受け騒ぎ啼く
寒雀陽光探しつつと跳ぶ
寒雀陽を受け顎を膨らます

枯芝に冬日射し来て黄金色
冬萌えのささやかにあり木の芽吹く
寒晴れの駅にも鳥の渡り来る

雪解けの水流れゆく笹の下
枯菊の鉢の並びし歩道かな
風すさび猫鳴く街の冬の月

[橘句会]
薄氷をとりて投げあう子等の声
陽を受けて白き蕾の椿かな
禿山の稜線にからり冬日射す