友田 修/花冠同人

友田 修の俳句ブログ

冬の月 1-31-06

2006-01-31 19:24:49 | 今日の俳句
冬の月一筋白く海照らす
断崖の入り江を照らす冬の月
石蕗の厚き緑や冬の月

ともし灯のちらちら見ゆる冬の風
枯れ枝を折りて驚く茎の青
辻脇のひつそりと咲く寒椿

大鷹の高き巣のある冬の空
つるつると滑る日陰の氷雪
町並みを赤く染めるや冬入日


冬菫 1-30-06

2006-01-30 22:52:10 | 今日の俳句
冬菫色あせたるもあはれかな
若枝の天を指したる冬日かな
夕映えの日の透きとほる冬紅葉

畠の畝雪間に黒く盛り上がる
山門の欅の冬芽色付きぬ
笹竹の横にたちたる蜜柑の木

葉牡丹の青き空より光受く
鉢植えの水仙一つ香を放つ
凍湖の岸辺に立ちし父と母


サボテン 1-29-06

2006-01-29 08:42:54 | 今日の俳句
手をつなぎ雪の上あるく親子かな
真ん丸のサボテン冬日を受けて咲く
寒晴れや人の住み家に日を注ぐ

山茶花の垣根の先の山家かな
残雪の残る垣の葉色あせし
冬つつじ葉の色あせて伸びにけり

旅宿の夜は長くなり蕪蒸し
古菊を焚きたる煙父を呼ぶ
世の中の無常映すや枯れ蓮


冬登山 1-28-06

2006-01-28 07:47:47 | 今日の俳句
冬登山光溢るる朝日かな
禿山の稜線きらり冬日射す
枯木立こぶを要に小枝張る

枯芝に残りぬ雪の白さかな
茶畑の雪を戴きもこもこと
薄氷流れよどみて重なりぬ

柊や戸口に強く濃き緑
赤々と大きく傾ぐ冬没日(いりひ)
人生も半ばを過ぎし冬入日

[橘句会]
水際のはっきり見ゆる大枯野


万両 1-27-06

2006-01-27 07:45:10 | 今日の俳句
万両や鳥待ち紅き実を垂るる
万両に雪の残りて色添えし

雪晴れの日を照り返へす寒椿
冬菫公園に陽を呼んで来る

遠目にも冬芽ほころぶ気色かな
鉢植えの置き場を変える冬日かな
匂ひたつ母のつくりし根深汁

[橘句会]
万両の隣の庭の奥にあり
屋根の苔ゆふべの雪の残りけり
鉢植えの光を探す冬日かな


春隣 1-26-06

2006-01-26 07:56:23 | 今日の俳句
霜解けの土の温みや春隣
レース越しのひかり戯れ春隣
冬うらら水も温みし小川かな
春待つや日差しの温き四畳半

代替る冬芽の色のうすみどり
枯つつじほのかに赤き冬芽かな
山鳩のかさかさ歩く落葉かな

[橘句会]
あたたかき雨ふる朝春隣
踏みしめし土やはらかき春隣


冬満月 1-23-06

2006-01-23 17:11:17 | 今日の俳句
うすうすと朧に浮かぶ冬満月
寒鯉の氷の下にじっといる
寒風をこらえし目にも泪かな

松原をくぐり越すれば冬の海
断崖の岩なぐりたる冬波頭
残雪の風に砕けて駆けゆけり

水はえし噴水は背に寒椿
噴水も凍てつく都市の朝かな
氷柱垂る噴水の日に輝けり