福岡 モンコレメモ

モンスターコレクションTCGのブログ。活動地域は福岡市周辺なので地方ネタも稀に書きます。ドレノ・モンハン・ドラクエなども

モンコレの世界(25)

2010-03-28 16:47:18 | モンコレの世界
■ヴラドの一族

【嘆きの街アゾール】
ミキア山脈を越えたサーガランドの南西端に、「嘆きの街」ことアゾールは存在する。
サーガランド連合国の首都バルティスと隣り合う位置に存在するこの街はしかし、独立時点からバルティスの支配者「雪の女王」の手から離れた場所でもあった。

アゾールの成立はBR250年頃といわれ、約600年もの歴史を誇る古い街である。
しかしその人口は町の成立の頃から少なく、バルティスの10分の1程度にすぎないようだ。
そうした小さな都市国家にすぎないアゾールは、始まりの時以来、ひとつの一族によって支配され続けている。
その一族とは、初代領主クライン・モランディーニ卿の縁者たちである。

この一族によるアゾールの支配は、至極シンプルな規則で成り立っていた。
「モランディーニ卿と、彼に連なる者たちに逆らうな」それだけである。
つまり殺人も強盗も、この街では犯罪とはならない。
600年もこの政策を続けていれば、この街にまともな住民などいなくなるのは、当然のことであろう。
街中には死体があふれ、暴力で満ち溢れており、いたるところに死の罠がしかけられている。

とある見聞録によれば、モランディーニ卿は「あること」をこの街で表現したかったのではないかと推測している。
それは「完全なる自由」である。

【不老の一族】
初代領主であるモランディーニ卿は、著名な召喚術師であった。
彼の持つ知識や蔵書量は、〈大学院〉にも匹敵するという学者もいるほどだ。
しかし彼には、明らかに特異な点がある。
これは厳然たる事実として記録されていることだが、彼の治世はアゾール独立以降、300年以上に渡って続いたとされているのだ。
モランディーニ卿は、不老の力を持つ「人ならざる者」であったのだ。

そしてある時、モランディーニ卿は姿を消した。
代わって現れたのは、彼の後継者を名乗る紳士であった。
新領主を認めぬ住民たちは、彼の寝首をかこうと奔走したものの、返り討ちにあったとされる。
以来300年、アゾールは二代目領主となったジルベール卿によって支配されることとなった。
反対する者はすべて町から姿を消すか、いつの間にか彼の下で物言わず働く忠僕になっているという。

ジルベール卿は、モランディーニ卿と同様の政策を執っている。
ただ彼がモランディーニ卿と異なるのは、彼には友人が多い、ということだ。
彼は新月に夜会を開き、その「不老の友人たち」をもてなすらしい。
そして夜会を経るごとに、彼の友人はその数を増やすのだという。
  
《常闇の伯爵ジルベール》《ヴァンパイア・キャリアー》《暗黒の祭壇》

【蝙蝠王ヴァンデミオン】
コウモリが舞う新月の夜には出歩いてはならない――サーガランド地方では子供の頃から、こう言い聞かされる。
アゾールの近くでは、闇夜のコウモリは恐怖の対象となっている。
それは「蝙蝠王」ヴァンデミオン卿の伝承があるためだ。

ヴァンデミオン卿は、モランディーニ卿に連なる一族の者とされている。
その姿は醜く肥え太った壮年の男をしているが、コウモリに身を転じて空を飛ぶことができる、神出鬼没の存在だという。
彼のでっぷりとした身体は本来の姿ではなく、無数の吸血コウモリが寄り集まったものが、ヴァンデミオン卿の本性だと唱える者もいる。

ジルベール卿の友人としても知られるヴァンデミオン卿だが、数百年来の付き合いとなる彼らの間には、幾度かの諍いもあったようだ。
そのたびごとに、アゾールは夜の間に屍の溢れる街となっていたらしい。
こうした争いの際、ことにヴァンデミオン卿配下の者たちは、まるで身体中の生気を吸い尽くされたかのような、干からびた姿で見つけられるという。

《蝙蝠王ヴァンデミオン》

【流血姫エレオノーラ】
闇夜のアゾールに現れる、美しい女性の姿。
だが、その姿に惑わされてはならない。
それは近づく者の生気を貪る亡者か、あるいは血を求める悪魔である可能性が高いからだ。

ことに近年のことだが、夜のアゾールではサーガランド地方で見慣れぬ民族衣装に身を包む、エレオノーラと呼ばれる美少女の目撃例があとを絶たない。 彼女の名が知れているのは、その声を聞いたという男の証言が伝わっているためだ。
その男の仲間は、エレオノーラの爪に貫き引き裂かれ、全身から血を流して絶命していたらしい。
エレオノーラは朝日を浴びた男の姿に眉をひそめると、陽の射さぬ暗闇へ姿を消したという。

一説によれば、ジルベール卿は各地から「陽光を嫌う、儚き者たち」を集め、友として迎え入れているらしい。
はるかかなたの異国の衣装に身を包むエレオノーラは、元いた平穏な闇の棲家を追われ、この地へたどり着いた――という噂もある。
彼女は安息の地を、人間によって追われることになったのか、精霊嵐によって破壊されたのか……真実は闇の中である。

《流血姫エレオノーラ》

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