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subitohの時々昆虫記

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生態系とは何かを考える。

2020-07-18 04:50:42 | 自然観察

生態系という言葉がマスコミなどでもよく使われるようになったのはいつからだろうか。それ以前は「自然」とか「里山」とかが環境を指す言葉として使われていた。

辞書で生態系という言葉を調べると、「生き物を中心とした、物質循環=エコシステム」というようなことが書かれているはずである。生物の参考書などでは、太陽光から受けた光を植物が光合成で窒素分を固定して酸素を出し、草食動物がそれを食べ、肉食動物が草食動物を食べ、やがて死んだ生物を分解者が分解し、物質循環が起きる。などと解説されている。

ところが、マスコミで「生態系」という言葉を使う場合、このような背景を踏まえて、「自然」とか、「里山」「森林」よりも「なんとなく科学的な印象のある便利な言葉」として使われているような気がする。

ここからは、私個人の考えであるが、「生態系」という言葉を考えた人は、もちろん、参考書に書かれているような着眼点で生き物と地球の物質循環について表していた。地球レベルの環境を考えた場合、生物同士のつながりを表現したよい言葉であると思う。しかし、これをある特定の地域を切り取って考えると、いろいろと問題が生じてくる。

生態系という言葉が使われる以前、生物の分布を表す地域区分はいくつか知られていた。植物の生育種を区分した植生分布。気候区分図などであろう。ある特定の生物に着目すると、地球をいくつかの「環境区分」に細分することができる。

それぞれの地域には、特有の生物が生息しているからである。このことと「生態系」という言葉がつながるとややこしいことになる。ある地域にはあたかもその地域特有の「生態系」という環境が存在しているように表現されるからだ。

「もともとの生態系」とか「本来の生態系」などと表現されるのが、あたかも生態系が理想の環境のようなイメージとして表現される。

生態系というのは、人間が認識するための「概念」であり、「実在しない」ものであると私は考える。

ある地域を徹底的に調査すれば、そこに暮らすすべての生き物が把握できるだろう。いまだに新種が発見されることからも、これは、幻想にすぎないのだが、ある程度の物質循環がどのような生物によって行われているかは見えてくるはずである。これをこの地域の生態系であるといっていいのだろうか?では、その生態系と自然と何がちがうのか。

ある地域を考えたとき、そこに生息する生物はたえず入れ替わり、変化している。生き物はもともと、分布を拡大する特性を持っていて、利用可能な環境があればそこに進出していくからだ。これを、人為的に移動すると「外来種」問題が起きる。

この生態系という言葉の問題は、まだまだ自分の中で答えが出ていないものであるが、マスコミでこの言葉が使われる場合、制作者はどこまで理解して使っているのかを考えさせられるのである。

人間が認識するための「概念」と実在するものは分けて考えないといけないと私は思う。


昆虫記20200712

2020-07-12 18:36:30 | 自然観察

今日は、天気予報よりも天候が悪化せず。夕方になってから、近所で昆虫観察。

公園などに植栽されているタブノキには、ホシベニカミキリが見られた。

枝の樹皮をかじり、枝を弱らせ、産卵する。公園管理側からみれば、植栽を痛める、やっかいな害虫である。

こちらは、ホシベニカミキリが傷つけたタブノキの樹液を求めて飛来した、アカボシゴマダラ。

日本国内では、天然分布は奄美大島であり、本州で見られるのは、大陸産の亜種であるといわれている。どちらにしても、分布が拡大している外来種といえるのだろう。しかし、この十数年、すっかり定着した感じがする。


陸産貝類、シーズン真っただ中。

2020-07-05 08:04:16 | 自然観察

昨日は、歯医者の帰り道、大きな公園へ。

麻酔が切れるまでの時間、ぷらっと立ち寄るつもりだったけれど、思いのほか、成果があったので、ついつい本格的な観察モードへ突入。

一番多く確認できたのは、このミスジマイマイ。

イヌシデ、ケヤキ、ムクノキ、クワ、エノキ、サクラ、サルスベリなどの幹で確認。そのほか、アオキの葉でも確認。

同じく、幹を這っているのが確認された、チャコウラナメクジ。

そして、朽木にいたのが、

ナミギセル。

このほか、ヒダリマキマイマイ、ナメクジを確認。


地元で初確認

2020-06-27 21:25:18 | 自然観察

今日は、近所の散策。

初めて、地元でトウキョウヒメハンミョウを確認。

土が露出している環境がないと、生息できないと思っていたけれど、案外、たくましく生息しているのかもしれません。

今回は成虫のみの確認なので、幼虫がいる環境が、どこにあるか興味深いです。


真相はいかに

2020-06-21 20:51:31 | 自然観察

昨日、都内の某所で観察した「キセルガイ」。種の特定のため、数匹を持ち帰り、精査してみた。

左から3個体に関しては、ナミギセルでよさそう。右側2個体は、結局、種名までは解らず。

口の隆起や、体形などから、ナミギセルとは別種であることは明らかだが、なにものだろう。