タイムマシーンは作ることができるか?
タイムマシーン、それは、映画や、小説などで扱われる未だ完成していない道具である。
ちょっと昔、私たちが「21世紀はこうなる」みたいな、近未来の予想では、自動車が空を飛び、人はテレパシーで会話するというようなものが描かれていた。もちろん、まだ、実用化はされていないけれど、空を飛ぶ自動車は実験機が作られ、テレパシーとまではいかないけれど、ハンズフリーの携帯電話で、どこにいても、会話ができるようにはなっている。
実現していないのは、瞬間移動とタイムマシーンなどである。
タイムマシーンを作るとしたら、どうするか。
未来に行くのは、凍結冬眠が手っ取りばやい。本人は、意識がない間に、時間が経過するというもの。これは、今の技術でも、どうにか実現可能であるが、未来への片道切符である。では、過去に行くのは可能だろうか?
このような、話をする場合、かならずぶち当たるのが、アインシュタインが考えた、「相対性理論」である。
光のような高速では、時間の流れがゆっくりになるというのである。
最近、正確な時計を用いて、東京スカイツリーの上部と地上で、時間の進み方が違うという観測実験が行われて、実証されたというのが話題になった。
私も、SFやアニメーションが好きで、いろいろなタイムトラベルの表現を見てきたけれど、タイムマシーンの理論まで、正確に表現した作品は見られない。なぜか。
それは、タイムマシーンの理論自体が、成立していないからに他ならない。
そこで、そもそも、時間とは何か、空間とはなにか?私たちは、ここに存在しているということは何かを考えてみる。
そして、私なりに考えついたのが、「存在するもの」と「実在しないもの」を分けて考えなければいけないということ。
ここでいう「存在するもの」は物質。ヒトの体を含めて、様々な物質は、この宇宙(世界)には存在している。
「実在しないもの」は、人が観測するために決めた決まり事で、「時間」「距離」「長さ」「質量」などがある。
これらは、すべて、人間が認識するために決められた「お約束」でしかない。物質を情報化するのに、これらは重要であった。それを表すのに発明されたのが、数字である。数字と単位を組み合わせることで、一定の「物質の状況」を情報化するわけである。
数字は、人が決めた決まり事なので、「1」はどこまでいっても「1」であり、1に1をたすと2である。
ここに相対性理論の落とし穴が存在する。
相対性理論の扱うような、極限状態の世界では、人が考えた概念を超えてしまうのである。光のような高速で移動すれば、実際の物質の運動を数値で計測すれば、そこに差が生じるわけである。
人が考えた「概念」と実在する「物質」は別に考えなければいけないわけである。さてここで、過去と未来について考えてみると、どちらも、人が「記憶」を持っていることによって作られた「概念」であることがわかるだろうか?
概念は実在しない。
いや、過去は化石で残っているではないかという人もいるかもしれないが、化石も過去の生物が堆積物に閉じ込められて岩石に置き換えられたもので、何千年、何万年も大きな変化なく、現在に存在している「物質」であり、過去そのものではない。現在には、過去は存在しないのである。
未来はどうだろうか?未来は、ヒトが「予測」することで作られたもので、やはり、これも実在しないのである。
実在するものが実在しないものへと移動することはおそらく不可能であろう。
そこで、私の結論は、残念ながら、過去や未来へ移動できる「タイムマシーン」は実現不可能というものである。
さて、皆さんはいかがお考えでしょうか。