いつも帰省の際は
息子にやってほしいことを
メモしておけと
母親に電話で告げる
色々ある
台所の上の収納棚には
使わないものばかりが埃を被らないように
丁寧に包装してしまってある
一つ一つ母に
これはまだ使うのか?
とっておきたいのか?と確認しながら
終いにはほとんどのものが
燃えないゴミや資源ゴミになった
弟と共に 僕らがまだ小学生だった頃に
使っていた夏の水差しなども丁寧に仕舞われていた
網戸が破れてどうしようかというので
新しいネットを買ってきて
張り替える
そんなことまでするの?と
よく驚かれるが
ノウハウを知ってしまえば
想像よりも簡単にできることが多いのだ
破れた障子紙も糊付けからやる
サッシの鍵が壊れたら
品番を確かめて その代替え品を買って付け替える

父 正 91 母 クニ江 87 2023.6.11
何せ昭和30年代に両親が買った家だ
人の身体と同じく
長く生きてりゃ
色んなところが傷んでくる
傷んだところは治し
要らないモノ達は終活の餌食になる
しかし もう先は短いのだから
この皿もこのコーヒーカップも
あんた達が要るなら持って帰りなさいと
そんな母親の言うことには応じないでいる
その気持ちは嬉しいが
両親が好きで買ったり集めたりしたものは
今でも彼らを守っていると思うからだ
この先 もうどうせ長くは生きないのだからと
今まで大切にしてきたものまで
間引いて歯抜けにしてはいけないと思っている
モノには気が宿るというが
良い気を宿すものもあるのだ
埃を被った必要のないものは整理し
好きな花を花瓶にさし
大切にしているものに囲まれて
余生を静かに送ってほしいと願う
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