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アメノチハレ

都志見隆の果てしない日々の日常

青春のわすれもの

2019-03-25 | 広島
年々 東京にとどまっている必要性を自問自答しながら
それでもあと数年かなとも思っている
僕の周りのほとんどの事はもう何処に居てもできてしまう

昔はここ東京に向かうことがまずは最初の一歩だった
生まれ育った故郷に一度は背を向ける
そんなメンタリティーも試されるくらい
広島〜東京には大きな距離の隔たりがあった

決意の一歩を踏み出した1976年の広島駅
その新幹線口は今では見違えるほど立派になった
観光客の増加に追従するかのようにホテルも増えて賑わいを増すが
ホームに降り立てば 今もあの時代の匂いがある


 
順番待ちをしていたら
優しそうな運転手さんのタクシーが乗り場に着いた

普段は運転手さんとの話は面倒くさくて
すぐに携帯見たり目をつむったり

だがその運転手さんの
気を使わせない控えめな話術が妙に良くて
実家までの道すがら色々と話を聞いた

スマホさえ持っていれば自分がどこにいるのかわかるし
どんな知らない土地に行っても殆ど困らない
いい世の中になりましたねえ 

撮影した孫の写真も今はラインで送れるから便利ですよね とか

近所の店より通販の方が安くて驚きました などなど

70歳代半ばの運転手さんだがなかなかどうして
日々の生活の中にハイテクを上手く取り入れて
楽しみながら使いこなしている風だった

「私は旅好きでしてね まとまった休みがあると
近県に出向いたり 先日は四国一周して来たんですよ」

「バイクでね ヤマハの大型スクーターなんですが
たまに女房を後ろに乗せてね」

「いやいや 行き当たりばったりで
今日は日没までまだ時間があるから 
もう少し走るかなんて感じで
細かな計画は立てずにね」

「60歳の還暦から乗り始めたんですよ
僕らの免許は大型も乗れる時代のものなのでね」

どうしてまた60歳でバイクに乗ろうと思ったんですか?

「バイクはわたしの青春のわすれものなんです」

「少し余裕ができたので還暦の記念も兼ねてね
女房に ちょっと忘れものを取りに行ってくると残して
バイクを買いにいきました」

「昔は乗りたくても乗れなかったから
今少しずつ忘れものを回収しています 笑」

こんな素敵なことを言える人
どんな場所に住んでたって
自分の暮らしを豊かに彩れるに違いない

僕は今だに東京に住む田舎もの

話の面白さに時間を忘れた
あっという間に到着した実家前
トランクから荷物を出してもらって挨拶をして別れた

そういえばタクシー車内にとても小さくかかっていた曲
耳を澄ましてよ〜く聴いてみると
偶然にもそれは僕が書いた歌だった

ラジオから聴こえて来たのではなく CDから流れる歌だった

買ったのだろうか 孫がくれたのだろうか
割とポップな歌だった

そんな事も聞いてみたかったな


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1 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (Mutsumin)
2019-04-07 23:02:51
前略ごめんください。

過ぎてみればあっという間だった様な年月でした。
私も今 「忘れ物」をひとつづつ拾っている様な日々かもしれません。
やっと心が少し解けてきた様な気がして、心軽く感じます。
身体はあちこち傷んでいるせいで、痛む事もありますが。

この週末こちらも満開の桜です。
摘んできたよもぎで作るはじめての草木染めにも満足しています。
まだ小さくて柔らかくて、シルクシフォンの発色もやさしい。

穏やかな日々に多謝!
皆さまにも、やさしい時間が訪れています様に。
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