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by 竹林社会保険労務士事務所

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辞職-就業規則と民法の関係-

2004-11-23 01:21:08 | 辞職の知識

【就業規則と民法はどちらが優先する?】
 就業規則に「自己都合退職のときは退職予定日の1ヶ月以上前に退職願を提出すること」といった定めをしているケースは多いと思いますが、これは有効なのでしょうか?

 「民法の規定は任意法規と解されているため、労働契約や就業規則で民法と異なる定めをした場合にはその定めが優先するが、それが極端に長いときは退職の自由を制限するため、民法90条違反(公序良俗違反)として無効となる」という説がありますが、高野メリヤス事件では「就業規則の規定は、予告期間の点につき、民法第627条に抵触しない範囲でのみ有効だと解すべく、その限りでは、同条項は合理的なものとして、個々の労働者の同意の有無にかかわらず、適用を妨げられないというべきである。」と、民法627条は強行法規だと解釈しています。
ここでは後者の強行法規ということを前提に考えてゆきたいと思います。

 前回に見たとおり、時間給制社員や日給制社員の場合は、民法第627条1項により申し入れから2週間後に自動的に雇用契約を終了させることができますし、退職願も不要です。(但し、後々言った言わないのトラブルを避けるためにも退職願は提出するべきでしょう。)

 それでは月給制社員の場合はどうなるのでしょうか?
賃金計算期間の前半に申し入れたときはその期の末日、後半に申し入れたときは翌期の末日というのは今まで見たとおりです。しかし、前半のときは申し入れから最短15日程度で退職することになりますし、後半のときは最長45日程度になります。
このようなときは先の判例にあるように「民法第627条に抵触しない範囲でのみ有効」なのですから、前半に申し入れたときは民法が優先し、後半に申し入れたときは就業規則が優先することになります。

 もっともこれらは辞職、つまり労働者が一方的に契約を解除するときのことであって、合意退職(合意解約)の場合は「1ヶ月前に退職願を提出すること」と定めることに特に問題はないと思われます。
但しその期間が世間一般常識から言って長すぎるときは「退職3ヶ月前までに退職届の提出を義務づける規定は、退職の自由に反し無効」としたプラスエンジニアリング事件がありますので、合意退職であっても1ヶ月くらいが相場と思われます。


【まとめ】
(1)就業規則の条項とと民法627条が異なるときは、民法627条に抵触しない範囲において就業規則は有効になる。
(2)合意退職の場合は予告期間を1ヶ月程度に定めるのが相当。

【参考判例】
ID=00425(このIDをリンク先の枠内に入力し、全情報ボタンを押してください)
全基連判例検索へ高野メリヤス事件(東京地裁・昭和51年10月29日・判決)

ID=07803(このIDをリンク先の枠内に入力し、全情報ボタンを押してください)
全基連判例検索へプラスエンジニアリング事件(東京地裁・平成13年9月10日・判決)


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