解雇・退職110番

解雇・退職トラブルの知識!知っていて良かった~!
by 竹林社会保険労務士事務所

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退職勧奨

2005-07-25 00:09:45 | ケーススタディ

 しばらくブログから遠ざかっていたのですが、せっかくご質問を受けたのにそれに気づかず、大変な失礼をしてしまいました。お知らせに質問もお受けできない旨を記載していましたが、ブログの場合、直接記事に来られる方もいらっしゃるわけで、かか様にはご迷惑をおかけし、誠に申し訳なく思います。

 ところで退職勧奨と解雇の関係ですが、これはまったく別物です。退職勧奨は会社から雇用契約の解除を労働者に申し出る行為であり、すでに契約が成立している以上、会社側が一方的にそれを解除することはできません。平たく言うと、会社はお願いするしかないわけです。
それに労働者が同意すれば退職勧奨が成立し、同意しなければ契約期間満了まで雇用契約を存続させるか、一方的な解除=解雇をするしかないわけです。
そして解雇には制限があるということはすでにこのブログでも別記事に書いているところです。

 かか様のように「退職勧奨に応じなければ解雇」といった脅しを伴う勧奨行為は、退職強要として不法行為と判断される可能性が非常に高いと思われます。
詳しくはこちらをご覧ください。
リンク先のページに書いていますが、かか様のケースでは「被勧奨者の自由な意思決定を妨げるような言動を与えたり、監禁など」に該当する可能性が非常に高いと思われるためです。

 退職勧奨については「下関商業高校事件」という判例が参考になりますので、一度ご参照ください。

 ところで退職勧奨に応じたとき、それは自己都合なのか会社都合なのかということですが、あくまでも合意解約なので、自己都合ということになります。しかし、解雇に準ずるものとして雇用保険(失業手当)の手続上は会社都合扱いとされ、3ヶ月の給付制限は行われません。
ハローワークに手続に行くとき離職票を提出しますが、そこに退職理由を記載する欄がありますので、退職勧奨欄にチェックがされているか確認してください。仮に会社が勝手に自己都合にチェックをしていても、ハローワークで状況を説明すれば救済されますので、予めいつ退職勧奨を受け、どのようなことを言われたか、メモを残しておいてください。

 もっとも退職勧奨には応じる義務はないため、必ずしも会社を辞める必要はありません。正直なところ、そんな酷い会社にしがみつく必要はないと考えますが、再就職が簡単にできる時代でもなく、やむにやまれず会社に残らざるを得ない方もいらっしゃるでしょう。しかし、退職勧奨に応じなければ不当な配転やいじめなどが生じる可能性もあります。ましてや労基法があるとはいえ、1対1では圧倒的に労働者の方が不利です。
もしそういった不安があるときは個人加盟ができる労働組合に相談してください。私のように会社の利益を守る立場で仕事をしている社労士が、労働者の方に労働組合に相談することを勧めるのは少々気が引けるのですが(少なくとも私が関与させていただいている会社ではこういったトラブルが起きないように仕事をしているつもりです)、会社に残ることを前提として労働者の方の身を守るにはそれ以外に方法はないと考えます。

 最後に、経営者の方にも労働者の方にも知っておいていただきたいのですが、労働契約や雇用契約といわれるものも契約の一種です。そして契約は双方が合意して初めて成り立つものであり、解約もしかりです。会社の上下関係はあっても契約上は対等であり、経営者だからといって強権発動することを法律は認めてくれません。
逆に労働者の方も、労働者保護の労働基準法があるからといって、すべきことをせずに(職務専念義務といいます)、また就業規則で定められている、してはいけないこと(懲戒規定)をして、それで法律が守ってくれるといった甘い考えは持たないでください。
双方が相手の立場を理解・尊重し、労働者は誠実に労働力を提供し、経営者は決められた労働条件を守るといった当たり前のことを履行することが無用なトラブルを避ける最良の方法だということを認識していただければと思います。


【参考判例】
ID=03539(このIDをリンク先の枠内に入力し、全情報ボタンを押してください)
全基連判例検索へ下関商教諭退職勧奨損害賠償請求事件(山口地裁下関支部・昭和49年年09月28日・判決)

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