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by 竹林社会保険労務士事務所

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辞職-民法との関係-

2004-11-22 22:14:03 | 辞職の知識

【合意退職と辞職】
 まず知っておいていただきたいのは「辞職」と「合意退職」は違うということです。
「合意退職(合意解約)」は労働者が契約の解除を会社に申し入れ、会社がそれに応じることによって雇用契約が終了することを言います。
「辞職」は労働者が一方的に契約を解除することで、会社の承認や合意を待たずに民法の定めにより雇用契約が終了することを言います。

【辞職と民法の関係】
 さて、「解雇-民法との関係-」のまとめで(1)解雇の手続は民法でなく労働基準法の定めに従います。(2)労基法に定めがないこと(損害賠償など)は民法に戻って判断します。と書きましたが、辞職の場合はどうでしょう。

 まず、労働基準法上に辞職について記載がないか調べてみると、同法第15条2項に「明示された労働条件と事実が相違するときは、労働者は即時労働契約を解除することができる」と書いてあります。
※労働契約は雇用契約の中に含まれますので、ここでは雇用契約として話を進めてゆきます。

 雇用契約を結ぶときに労働条件を会社は提示することになりますが、その労働条件と実際の労働条件が異なるときは、労働者はいつでも辞職可能ということです。なお、ここで言っているのは、雇用契約を結ぶときに提示された労働条件との相違であって、求人広告などに載っている労働条件との相違を言うのではありませんので、ご注意ください。

 その他には労働者からの辞職に関する定めはありませんから、ここで民法に戻ることになります。民法では第627条と628条が雇用契約の解約に関する条文です。
(1)第627条1項では解約の申し入れをして2週間すれば自動的に雇用契約は終了するとなっています。
(2)同2項では、月給制社員の場合、賃金計算期間の前半と後半で扱いが違ってきます。
(3)同3項は年棒制など半年以上の期間で賃金を決めたときですが、ここでは割愛します。
(4)そして、第628条では有期雇用契約の場合は(627条を満たした上で)いつでも雇用契約を解約できるけれども、どちらかに債務不履行の過失があったときは損害賠償の責任を負うことになっています。
辞職では、時間給や日給の場合は(1)、月給の場合は(2)、有期雇用契約のときは(3)が適用されます。

 ここで注意が必要なのは(2)です。当期の前半に申し入れをしたときは翌期の初日に雇用関係がなくなりますので、その前日、つまり当期の末日が退職日になります。
次に、当期の後半に申し入れをしたときですが、このときは翌々期の初日に雇用関係がなくなりますので、その前日である翌期の末日が退職日になります。
11月15日に申し入れをしたときは11月30日が退職日で、11月16日に申し入れをしたときは12月31日が退職日ということです。

 この他に就業規則との関係がありますが、これについては次回触れたいと思います。ここで初めて合意退職が出てきますので、次回をお楽しみに!

 なお、民法第628条によって有期雇用契約の労働者が辞職したとき、労働者に損害賠償責任が発生するかという問題がありますが、多くの場合、会社がどれだけの損害を被るかを証明することは難しいと思われますし、証明できたとしても訴訟費用など割があわないため、実際に労働者が損害賠償責任を追及されることは殆どないと思います。また、パートタイマーに適用される就業規則に自己都合退職が定められていれば、その手続を守っていれば損害賠償の責任を負うことはありません。


【まとめ】
(1)辞職と合意退職は別物です。区別して考えましょう。
(2)辞職が労働基準法に定められているのは労働条件が違ったときの即時解約だけ。その他のときは民法に戻って判断します。
(3)月給制の場合、民法第627条2項が適用されます。

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