芸術は呪術だ

2006-07-08 | ART
昨晩、大好きな岡本太郎の番組があった。


呪術の国メキシコで描かれ、以来ずっと行方不明だった

岡本太郎の描いた壁画「明日の神話」。


縦5.5メートル、横30メートルの巨大壁画だが、岡本太郎記念館館長

だった岡本敏子が岡本太郎の没後ずっと探し続け、ようやく2003年9月

メキシコシティ郊外の資材置き場で、発見されたのだった。


35年ぶりに見つかり、そこから日本へ持ち帰ってこの壁画を

再生しようというプロジェクトが始まった。


岡本太郎というエネルギッシュな芸術家を振り返りながら、その

再生プロジェクトのドキュメンタリー番組だった。



「明日の神話」はメキシコシティの、ホテルの壁に飾られるはずだった絵

で、あの大阪万博で姿を現した「太陽の塔」と同時期(1968年から1969年)

に製作されたもの。


が、諸事情でホテルがオープンしなかったために以来、ずーっと

行方不明だったのである。




正直なところ、岡本太郎の絵画にしろオブジェにしろ作品自体は個人的には

あまり好みではない。


何が惹きつけるかというと芸術家としてのスピリッツ、姿勢、溢れんばかり

のエネルギーだろうか。


心から血を流しながら、常に自分自身と戦い続けてきた生涯。

芸術家という枠には収まらない幅広い活躍をしてきた。




以前、彼の残したたくさんの著書に衝撃を受け、ファンになった。



一見、単に奇をてらっただけの言葉や言い回しに思われるかもしれないが

常に魂にグサリと突き刺さる言葉を突きつけてくる。


読んだ者に曖昧な生き方や考え方を許さないという強烈なプレッシャー

をかけてきて、何かやらなければという衝動に駆られる。


正に言霊。


コレは彼の絵や彫刻すべてに言えることで、見るものにこの世の中に対して

「お前はいったい何が出来るんだ」と問いかけ挑発してくる。


事実、彼の作品から挑発され影響を受け何かを成し遂げた人は芸術家、

一般人問わずたくさん存在する。


そして日本が変わっていけばいいと・・。



この効果がいわゆる「芸術は呪術だ」と言わしめる所以なのだ。



この番組を見てまた少しエネルギーをもらうことができた。



「明日の神話」は

東京 汐留 日本テレビ 日テレプラザ ゼロスタ広場にて(入場無料)

2006年7月7日、華やかに除幕され、7月8日より一般公開。

公開期間は、2006年8月いっぱいの予定。







「芸術は太陽のエネルギーだ。

 経済原則のギブ・アンド・テイクは成り立たない。

 陽光のごとく無制限に、エネルギーを放出し、

 怖いほど与える。」



「ぼくは、人に好かれる楽しい絵を描こうとは思わない。
 
 それよりも猛烈に叫びたい。絵のなかで。」




「いつも自分自身を脱皮し、固定しない。

 そういう人は、常に青春を保っている。」





「不動のものが価値だというのは、自分を守りたい

 本能からくる。

 錯覚に過ぎないんだよ。
 
 破壊こそ創造の母だ。」




「他人のものはもちろん、自分の仕事でも、なぞっては

 ならない」




「いつも危険だと思うほうに自分を賭ける。
 
 それが生き甲斐だ。」

                  
   by 岡本太郎

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