水曜に塾長から「すげー楽しいから一緒に行かないか。」と沢のお誘いがあった。
行き先はピラトコミ山。
すげー楽しいとは結構なことだけど,山の名前からして怪しい感じだ(笑)。
調べてみたら,かなりハードな沢なことが判明。
大丈夫かしらって思ったけど,2つ返事で同行させてもらうことをお願いした。
札幌を深夜1時30分に出発して,2週連続の札内ヒュッテ。
先週の楽しかったカムエクの記憶がよみがえるけど,今日は楽しい思い出に浸っている場合じゃない。
塾長とのガチ沢だから,集中しないと怪我しそうで怖い(笑)
最初の短いトンネルを抜けて,コイカク登山口看板から林道へ。
右手に見えてきた砂防ダム跡を乗り越えて河原に出た。
河原歩きは短かったけど,実はこの河原歩きが以外と辛かったりする。
だって,塾長の河原歩き速いんだもん・・・。
足の置き場に一片の迷いもない塾長の高速河原歩きについて行くのは結構大変だ。
短い河原歩きも終わり,小滝が出てきた。
水は冷たいけど,思っていたほどではなかった。
小滝の登りは面白い。
こうしてみると結構迫力あるもんだなぁ。
ここは,取り付いてすぐのところで足の置き場に迷った。
ほかに足の置き場がないか探してみたけど,ホールドをつかみながら大きく右足を出さなければならなかった。
ビビッてなかなか右足が出なかった(笑)
でも,そこを過ぎてしまえば,あとはどーってことなかった。
朝のうちは天気は抜群によかった。
青い空に浮かぶ月を見たのは久しぶりだった。
俺たちの夏は終わらないぜっ!
気楽に登りを楽しめるのはここまでだった(笑)
この後に待っていたのは恐怖の高巻きだった。
高巻きは怖い。
なんせ怖すぎる。
僕は,高巻いてる途中で体勢を崩してしまい,にっちもさっちも行かなくなって塾長に救助してもらった。
塾長は塾長で小滝を登ってる途中で身動きが取れなくなってしまい,僕が高巻いてロープを出してレスキューするということもあった。
僕としては,手早く巻いてロープを出したかったけど,この巻きもかなり悪くてビビッて思うように進むことができず,長い時間,塾長に水しぶきを浴びながら待っててもらうことになってしまった。
塾長,寒い思いをさせてしまってすみません・・・。
でも,この巻きは本気で怖かった。
僕のこれまでの乏しい経験上,最も恐ろしかったのは間違いない。
結局,塾長と僕は,ここで一気に疲弊した。
水が涸れてからの登りが長かったように思う。
藪は比較的薄かったけど,崖のような斜度のところもあって疲弊した体にはかなりきつかった。
なんとか山頂にたどり着いた。
カムエクが見えた。
遠くに十勝平野。
山頂は寒かった。
塾長とミニカップ麺を食ったけど,暖かいラーメンがマジでうまかった。
僕たちは夏が終わったことを知った。
下りは,登りとは別の沢で。
はっきりした沢筋に出るまでに,長い笹漕ぎをした。
山頂からの景色はないに等しかったけど,沢の景色はスケールがでかくて本当によかった。
塾長による懸垂下降のお手本。
下手くそな僕には練習あるのみ。
クライムダウンは
ヌメヌメだから慎重に。
懸垂の途中で,絡まったロープを解く塾長。
今日の懸垂下降は合計4回。
失敗して,岩に体のどこかをぶつけるということはなかった。
いつも失敗ばかりで痛い思いをしてたから,失敗ナシっていうのは素直にうれしかった。
これはどう見たって濡れずには下れない。
塾長は,大声を出して自らを鼓舞し,釜に突入していった。
僕もそれに続いたけど,日も隠れてしまっていて寒かった。
沢の出口付近は狭くて薄暗くて何とも言えない雰囲気だった。
正直言って怪我せずに下りてこれたことにかなりホッとした。
河原歩きは,塾長も僕もランチパックを食べながら歩いた。
こう見ると,河原だってなかなかいいじゃないか。
今日はガチで疲れた。
精神的にも肉体的にも疲れた。
こんなに疲れたのは,5月の赤岳以来だ。
記事を書いている今(9/9)でも,僕の脚と腕は筋肉痛だ。
河原を歩いている時,塾長は言った。
「今日はコテンパンにやられて辛い思いをしたし,今はもう来たくないって思うけど,来シーズンになったらまたピラトコミに行きたいって思うはずだぜ!俺がそうだったように!!」
どうだろう・・・。
でも,振り返ってみれば,怖い思いもしたけど「楽しかった」という思いの方が強いかもしれない。
よ~っし,塾長,来年も行こう!
もっともっとスキルを上げてっ!!