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スタートレック・コミュニティ

スタートレックを楽しむ人たちのブログです

#85 バルカンの夜明け

2006-07-09 09:33:56 | ENT
良かったですね。
これまでがこれまでだっただけに、
この3部作は、
ENTで最も良かった感じさえしました。

TOS前史という難しい設定の中で、
ヴァルカンの「進化」を扱うのは、
最初から想定されていたのだと思います。
第1シーズン当初から、
ヴァルカンとアーチャー船長の確執を
執拗に描き続けてきたのが
ここにきて生きてきました。

無人君・アンドリアは
予想以上に活躍してくれました。
シュランがソヴァル元大使を拷問したのは、
逆にシュランの個性をひきたたせたと思います。
元大使の警告をあっさりと受け入れてしまったら
何だか間抜けな感じですよね。
デグラの変心にも、このくらいの伏線が欲しかった。

相当に屈折したキャラであるにもかかわらず、
激しい戦闘の間に
「これで貸しが2つになったとアーチャーに伝えろ」と
怒鳴る辺りがかわいい。
チープな見た目も含め、非常に分かりやすい。
DS9のガラックに通じる不思議キャラですね。

アーチャーたちの最高司令部侵入を助けたのが、
トゥポルの夫だったというのは意外でした。
「あてがある」といった船長の言葉から、
あの結末は想像できませんでした。
「何でだよ~」と思った、
トゥポルの結婚がここにつながる伏線だったとは…。
第4シーズンはなかなか練られてますね。

表題にもなった「キルシャラ」が起動したときの
映像も素晴らしかったですよね。
美しく、荘厳な感じがしました。
ヴァルカンの伝説という雰囲気は
あの短いシーンで十分に感じることができました。
船長のカトラを移すシーンも
ちゃんと描かれていましたね。

スタートレックらしくなってきました。

#84陰謀の嵐

2006-06-30 10:43:24 | ENT
いい感じの中編でした。

特に、
何に役立つかは分からないけど
きっと貴重なものなのだろう「キルシャラ」を
見つけるシーンは、ワクワクさせてくれました。
インディージョーンズ的な「宝探し」は
TNGだとピカード艦長が考古学が趣味だったことで
よく取り上げられてますし、
DS9でもベイジョーの遺跡のシーンがたくさんありました。
振り返ってみると、
ENTには余りこの要素はこれまでなかったですね。

ストーリー的に面白いと思ったのは、
バルカン最高司令部が、
アンドリアとの戦争遂行のために
平和主義者(シラナイト)を「危険分子」とみなして
弾圧するという設定です。

ENTは不幸にも、「9・11テロ」や「イラク戦争」という
現実の出来事とそれに伴う世論に
物語の底流が影響を受けてしまいました。
このバルカン編では、少し違ったトーンが見られます。

主要な登場人物を次々と死なせてしまうのは
ちょっといただけない気持ちがしますが、
全体の流れとしては、
スタートレックらしい展開に戻りつつあるような気がしました。

トリップとソヴァル元大使の掛け合いも良かったです。
警戒衛星を妨害する作業をしていた時の会話は、
スポックとドクター・マッコイに通じる雰囲気が
少しだけ感じられました。

次回が楽しみになってきました。

#83狙われた地球大使館

2006-06-22 23:01:18 | ENT
今度はバルカンがテーマですね。
火星を彷彿とさせる砂漠のシーンが印象的でした。

ENTでは、
バルカンについて否定的な見方が
最初からとられていました。
その象徴的存在だった大使が
今回から一転して「理解者」に変貌しました。
デグラのようですね。
でも、デグラのときよりは、
必然性を感じることができました。
命と引き換えに自分を守ってくれたのですから
この心の変化は当然のものにも感じられました。

何やら貴重な遺物らしきモノを探し出した冒頭から
地球大使館での唐突な爆破、
そして砂漠での冒険。
オーソドックスな昔風の探検物語に、
ENTでのDNAトリックの見破りなど
近未来的な要素も織り交ぜてあり、
面白く見られました。

艦長に「忘れるな」という言葉を残したのは、
映画ST2のスポックを思い出しました。
あのときは「リメンバー」と言って、
マッコイにカトラを移したんですよね。
アーチャー船長もマッコイのように
徐々に人格が壊れてくるのでしょうか。
さらに、カトラを分離するあの儀式をしなければ、
元に戻れないのでしょうか?

バルカンの最高司令部に渦巻く陰謀が何なのか、も
興味深いところです。
考えてみると、
スポックの時代には、
精神融合は「恥ずべき行為」ではなくなってますよね。
バルカン自体も、
ENT時代からTOS時代にかけて、
大変革を経ているはずです。
今回はそれを描いているのでしょうか?

またもや連続エピソードとなっていますが、
導入としては良かったのではないでしょうか?
今回はわだかまりなく、
素直に話に入っていけました。

突っ込みどころを探してみている訳ではありませんが、
「そりゃないでしょう」という部分が目につくことの多いENTです。
でも、今回はなかったなあ。
TOS前史を描くなら、
やっぱり、この分野ですよね。
次回が楽しみです。

#82野望の果て

2006-06-16 12:11:16 | ENT
サッカー観戦に時間をとられて、
なかなかスタートレックが見られない毎日ですが、
「これだけは…」という感じで、
すぐに見ました。

予想通りの結末でした。
ちょっと残念です。
この話って、ブレント・スパイナーがでてなければ、
何てことのない内容だったような気もします。
3話も引っ張った割には、
ちょっとワクワク感が足りなかった感じです。

ただ、TNG好きの僕にとっては、
データ誕生の秘話(そうとう昔の話ですが)ということで
興味深く見続けることができました。
スパイナー氏の演技も期待通りで、大満足です。

スン博士が再び拘束室に入り、
アーチャー船長と交わす最後の会話は、
データ誕生を示唆するもので、
思わず「ニヤリ」の落ちでした。
ラストシーンで机に向かって書き物をする際のしぐさは、
データを彷彿とさせました。意識的ですよね。

想定内というか、
余りにも予想通りの結末だったので、
逆にすごく安心してしまいました。
この辺りは長くスタートレックに関わっている
スパイナー氏の感性だろうなあ…と納得してしまいます。

あと、スン博士が
バード・オブ・プレイから脱出して、
ENTで優性人類の子供たちの行動を阻止するというのは、
なかなかリアリティがあったと思います。

アーチャー船長が総裁乗船という嘘で、
クリンゴン船をだますシーンは
TOSのカーク船長っぽくて、
楽しく見られました。

ただ、クリンゴンが意外に「もの分かりが良い」というのには、
ちょっと違和感がありました。
カーク船長時代に、あれほど憎しみあったのですから、
この時代はもっと「理解できない」「訳の分からない」
「威圧感のある」種族であってほしいですね。
TNG以降の「クリンゴンは仲間」という流れを踏襲してます。

全体を通じて思ったのは、
この3話の面白さ、醍醐味は、
スタートレックを見続けていない人に
感じられるのかな、ということでした。

ブレント・スパイナーを知らなければ、
スン博士の重要性が分からないし、
僕が面白いと感じた部分は、
過去(放送順の過去という意味です。
スタートレック年表では未来)のエピソードを受けた部分が多く、
そうした内容を除いた場合、
ドラマの質として、どれだけのレベルにあるかということです。

スタートレックは誰がみても面白く、
見続けるとさらに深みがでてくるものであったはずです。
だからこそ、
僕がTNGにハマった訳で…。
もし、今、ENTでスタートレックに入っていたら、
多分、他のシリーズまで見ようとは思わないだろうなあ…
そんなことを考えてしまいました。
やっぱりVGRから何百年もの過去に戻るのは、厳しかった。
「未来」が決まっているので、
ストーリーに制約が多過ぎます。
SWに惑わされたなあ…

#81コールド・ステーション

2006-06-08 21:05:48 | ENT
先週の続き-
まさに続き、というエピソードです。
進展があったのか、なかったのか…
「引っ張ってるなあ」というのが正直な感想です。

話としては、
優性人類の凍結受精卵を強奪するという
新たな「危機」が提示されました。
スン博士とその子供たちの微妙なズレも
印象的に描かれていました。

一度ステーションからUターンしたENTが
なぜ転送可能領域に再び入っていけたのかなど
細かい疑問はありましたが、
そんなにめちゃくちゃなところはなかったと思います。
逆に、少し地味すぎるくらいストレートな造りかも…

フロックスの友達の科学者をいじめるシーンが
この回の最大の見せ場だと思います。
ただ、一言でいうと「どっかで見た」シーンでした。
総じて「意外性」はありませんでした。
ちょっと厳しい見方ですが、
スン博士(ブレント・スパイナー)の
存在感に頼った作りでした。
悪役が彼でなければ、どうにもならない。

「起承転結」で言えば、
2話目は、完全に「承」です。
ここに「転」がきて、
もっとワクワク、ドキドキさせてほしかった感じがします。
でも、そのぶん、
3話目に、一気呵成の展開が凝縮されているかもしれないですね。
どういう決着をつけるのでしょうか?
楽しみですね。

ズゥインディ編からそうでしたが、
先週までのダイジェストからお話を始めるのは
そろそろやめにして、
TOS、TNGのように
1話完結、1発勝負の優れたエピソードが見たい感じがします。

視聴率的には、続き物のほうが
数字を取りやすいとは思います。
でも、この回から見た人は
次回を「どうしても見たい」とは思わないだろうなあ、と思います。
視聴率低下に悩んだ末、
数字を維持するための続き物にして、
それが新たなファンの掘り起こしを邪魔した。
視聴率低下の「デス・スパイラル」にどっぷりはまってますね。

やっぱりスタートレックは基本的に1話完結で、
シーズンをまたぐ長編のときに続きがあって…というのが、
いい感じだなあと思えてしまいます。
保守的ですか?