goo blog サービス終了のお知らせ 

スタートレック・コミュニティ

スタートレックを楽しむ人たちのブログです

#90 氷窟の民

2006-08-15 22:46:28 | ENT
いろいろなアイデアが詰まった意欲的な三部作でした。
バルカンの夜明け三部作と同じく、
とても面白く見ることができました。
「ENTとしては…」という限定付きですが…

ロミュランの無人船を動かすシステムは、
テレパシーを使っていたのですね。
思考を読み取るBMIだけでは、
ちょっとSF的ではなかったか…
イーナーという亜種は、
突然の登場でビックリしました。
もの分かりがいいのか、悪いのか、
とんでもない「石頭」だと思ったら、
最後はとても理解的でした。
複雑な民族感情を
短い時間で表現し切れないのは仕方ないですね。
一話か二話くらいに、
伏線があったら良かったのに、と思いました。

ちょっと気になったのは、
イーナーの「平和主義」に対する見方です。
このエピソードのシチュエーションだと、
イーナーがかなりの「石頭」に見えましたので、
そんなに目立たなかったかもしれませんが、
「平和主義」「不戦主義」を即「石頭」と
決め付けてしまう筋書きには、
ちょっと危険なものを感じます。
これはENTに限ったことではなく、
どのドラマでもそうです。

「石頭」の「平和主義」ばかりじゃ、
ダイナミックな話にはなりません。
ドラマ制作上は難しい問題だと思います。
でも、少なくともTNGの頃には、
「戦うこと」と「戦わずに平和を求める」ことが
同等の価値として描かれていたと思います。
戦うことにのみ意義を見出すクリンゴンのウオーフと
ピカードやライカーの立場、考え方の対比が
そうした価値を浮き立たせていたように感じました。

エピソードの内容によって、ケース・バイ・ケースですが、
アメリカのドラマには往々にして
こういう筋書きが多いです。
「なぜお前は戦わないんだ」「戦わない奴は腰抜けだ」
みたいな感情を煽る設定です。
これを前面に出しちゃうと「宇宙空母ギャラクティカ」になっちゃいます。
スタートレックは違うんだぞ~というドラマを期待します。

ちょっと斜め読みし過ぎですかね…
全体的に面白かった中で、
その部分だけがちょっと気になってしまいました。

あとは、この三話で完全な主役をとったシュラン。
なんかかっこ良かったですよね。
昔の西部劇で、
主役を助けてかっこよく去っていくガンマンのようでもありました。
デグラのように死なせられなくて良かった。
残り少ないですが、このあとも出番あるかな…

それにしてもトリップとトゥポル。
いい加減はっきりせんかい!

#89ロミュランの陰謀

2006-08-05 23:32:48 | ENT
またもラストでしたね。
2週続けて、「おぉ」と思わせるラストシーンでした。
スタトレらしい展開ですね。
やればできるじゃん!

今回はマルコムがヒーローの1人でしたね。
今までは、扱いが地味で、
失敗して謝り、同情されるような役回りが多かったですが、
今回は違いましたね。
命令に反して、トリップを救いました。
面目躍如の働きでした。

ホシとメイウエザーが
深夜のブリッジで会話するシーンも、
マイナーキャラに働き場を与えました。
本来なら、もっと早くから
こういうシーンをさりげなく入れておくべきでした。

シュランは分かりやすくも、若干の脱線キャラで
今回もアーチャー船長を困らせました。
頭の上のうにうに動いているのが触角だというのは
初めて知りました。
切られたあとの、バツの悪そうな顔は
やはりかわいらしく、
外見や悪口雑言ぶりとは正反対の「なごみ」を
与えてくれました。

侮辱することで相手への尊敬を表すという
テラライト人もやっと地球人やアンドリア人に
理解を示し始めました。
テラライト的ならば、相手を尊重した場合に
侮蔑の言葉がでてくるはずですが、
そうしないことが、逆に地球やアンドリアへの
配慮であるという設定ですね。
概ね理解できました。

そして、ラストですが、
あの派手な飾り物をして、
BMIで無人船を動かしていたのが
アンドリア人だったという訳です。
いろいろな想像が駆け巡りました。
シュランは知らないが、
アンドリアとロミュランは手を結んでいるのではないか。
そうなると、シュランの立場はかなり危うい。

そこまで描くと複雑になるので、
あのアンドリアは単にロミュランに連れてこられただけ?
それじゃ余り面白くない…

一体どうなるのでしょうか…楽しみですね。
ワクワク感がでてきました。
登場人物も生き生きと個性を発揮し始めました。
これが最終の第4シーズンでなかったら…
惜しいなあ、本当に惜しい!

#88バベル1号星

2006-07-29 23:40:49 | ENT
いいですね~。
こういう展開ばかりだと、
全然文句はないのですがね~。

最も印象的だったシーンは、ラストです。
それまで船のブリッジだったと思ったら、
何と本当のブリッジ(司令室)は
ロミュラスにあったんですね。
あの派手な飾り物をしているロミュラン人が
あの船を無人で動かしていた、という設定ですよね。

これって
今、盛んに研究されているBMIですよね。
ブレイン・マシン・インターフェイス。
現在の地球上の科学技術でも、
マシンのセンサーの感覚(電気信号)を、
人間の神経に接続した端末経由で
脳に送ることは可能になってます。
いずれ、脳で考えただけで機械を動かすことも
できるようになるのではないでしょうか。

それにしても、
ロミュランは悪い奴だなあ…
TOSの時代には、ほとんど出て来なかったけど、
ENTの時代には活躍してますね。
TOS、特に映画では、思い切り悪役だったクリンゴンが
TNG以降に「いい奴化」してしまったので、
ENTでは扱いづらいんですね。
仕方ないにしても、ちょっとロミュランがかわいそう。
ズィンディ編は別にして、
陰謀という陰謀にほとんど顔だしてます。
ドミニオン戦争では、連邦と共同戦線張って
結構頑張ったのに(それは未来か…)

アンドリア、テラライトなんかと
アーチャー船長のやり取りは、
後の連邦創設の布石がたくさん打たれてました。
結局、ENTの締めくくりは
そこなんですかね。

無人くんのシュランは
相変わらずいい味だしてました。
アーチャーとはすっかり仲良しというか
互いを理解し合った感じで、
安心して見てられます。
かと思えば、武器を片手に
ENT内で派手にガンファイトしてくれるし…
「でも、きっとアーチャーが説得するんだろうな」と
思ったら、やっぱりそうだった。
分かりやすい、安心キャラになっちゃいました。

なぜロミュランが遠隔操作の無人船で、
アンドリアを攻撃しているのか…
その謎を秘めつつ、次回に続きました。
いい感じです。
久々に次回が待ち遠しいです。


#87 死の観察者

2006-07-22 09:50:37 | ENT
面白かったのですが、
何かが足りない気もします。
本当にENTが良く分からなくなりました。

スタートレックシリーズも
長くやっていると、
以前のエピソードに似てくるのは仕方ないと思います。
そこでどうオリジナリティを出すか、
制作サイドも悩んでいるんでしょうね。
マニアックに走ると、視聴率が取れないし、
視聴率を取ろうとして安易な作り方をすると、
トレッキーの目は厳しい。
長寿シリーズの難しいところですね。

今回のお話は、
オルガニア人という肉体を持たない種族
(いかにもスタートレックらしい)が登場し、
TOSやTNGを彷彿とさせる設定でした。
「何だ何だ」「どうなるんだ」とサスペンス仕立てて
話が進んでいったのも、スタトレらしかった。
ドクター・フロックスが異星人の存在に気付く辺りから
話の展開が急に加速して、
いよいよ盛り上がってきたぞ、と思ったら、
ホシとトリップが死んじゃって…。
2人を失ったら、ENTの先はありません。
「生き返るだろうなあ」ということで
結末が見えてしまいました。

オルガニア人のうちの1人が心変わりしたようですが、
その原因がアーチャー船長の「思いやり」発言だとしたら、
ちょっと弱い感じがしました。
何しろ、今までの行動が行動ですから…。
今回、自分を犠牲にしてホシやトリップを助けようとしたのは、
何となく頷けましたが…

何だかんだと書きましたが、
第4シーズンは良いですよね。
第3シーズンをなしにして、
これが第2シーズンのあとに続いていたら、
きっと素直に見られているんだろうなあ、と思いました。





#86亜量子転送

2006-07-15 16:10:19 | ENT
久々の1話完結でした。
続き物に慣れているせいか、
見る側のペース配分がうまくいきませんでした。
終わりがあっけなく感じてしまいました。
でも、これが普通のスタートレックなんだよなあ…

ストーリー的には、
「見たことある」という感想です。
転送事故で、長い間彷徨っているというのは、
チャーリーが登場した
TNGの「エンタープライズの面影」にもありました。
ジョーディーがチャーリーとの対面に感激するというのも、
トリップがエモリーを崇拝していたのと
何だかダブって見えました。

エモリーの息子はアーチャー船長と親友だったのですが、
その辺りが詳しく描かれていないので、
アーチャー船長がクルーを危険な目に合わせて
無理矢理この作戦を遂行しているように思えました。
(実際そうした)
艦を指揮する人間の取る行動ではなかったですね。
「犠牲をムダにはしない」という論理だけでは
ちょっと弱かった。

前3話が久々のヒットだっただけに、
「アーチャーの病気がまたでた」という気がして、
残念な感じがしました。

今後に期待できそうな流れを強いてあげれば、
それはやはりトリップとトゥポルの関係です。
トゥポルの病気が直って、
表情が少し柔らかくなった感じがしたのは
気のせいでしょうか。(メイクの雰囲気を変えたのかも)

2人の会話を聞いていると、
「あだち充」の漫画をみるような
もどかしさを感じます。
「はっきりせんかい!」と。
でも、白黒付けちゃったら、
そこでドラマ的には終わりですもんね。
最後まで引っ張るんだろうなあ…

最近はアーチャー船長より、
この2人が完全に主役級の働きをしてますよね。