カトリック教会の問題

公会議後の教会の路線は本当に正しいのでしょうか?第二バチカン公会議後の教会の諸問題について、資料を集めてみたいと思います

第二バチカン公会議 2-5、スーネンス計画

2017-01-08 21:09:29 | 第二バチカン公会議
第二バチカン公会議を機に、カトリック教会の変化と凋落は始まりました。伝統派が敗北し、リベラルが勝利し、事実上、教義が刷新された公会議です。

(解説)第二バチカン公会議

2-5、スーネンス計画

 ヨハネ23世は、スーネンスを中央準備委員会員に指名したが、準備作業に全く指針を提供しなかったヨハネ23世にとって、秘密裏にスーネンスに73と多すぎる草案を縮小することを任せた。

 スーネンスは、予備草案を全て二つの枠組みで作り直そうとした。教会内部に向けての発言と、教会外部に向けての発言という二つの領域である。このスーネンス計画は、第2バチカン公会議開始前の1962年4月の終わりには準備完了され、5月中旬には、教皇の命令でこの計画が、少数の有力な枢機卿たちに伝達された。デフナー、モンティーニ、シリ、リエナール、レルカノなどの枢機卿らであった。これは予備草案を廃案にすることであった。準備委員会には仕事を続けさせながら、同時にその廃案を他の委員会に任せていた。


2-6、「キリスト教一致促進事務局」

 「キリスト教一致促進事務局」は、10の下部の委員会に属している専門家らに対して、他の委員会で取り扱っていた議題に関する提案や草案の下書きを、エキュメニズムの観点で作成させていた。同時に、特別草案として、エキュメニズム、信教の自由及びユダヤ人問題に関する草案も準備させた。キリスト教一致促進事務局は、この3つの特別草案をオッタヴィアーニの神学委員会に送ったが、神学委員会は無視した。

 1962年2月1日、ヨハネ23世は、対立関係にある草案が、オッタヴィアーニ枢機卿の神学委員会およびその他の委員会を通さないで直接中央準備委員会に上がるように定めた。この一つが、信教の自由に関する草案だった。


2-7、中央準備委員会の第7回総会

 1962年6月18日、最終総会である中央準備委員会の第7回総会が開かれた。

 1962年6月19日、最終会議の2日前、中央準備委員会は対立関係にある二つの草案を討論することになっていた。一つは、オッタヴィアーニ枢機卿が直接作成した神学委員会の「教会と国家との関係と宗教的寛容」に関する草案である。もう一つは、ベア枢機卿のキリスト教一致のための事務局が草稿した「信教の自由」という草案である。

 枢機卿たちは二つの陣営に分かれて、激論をした。オッタヴィアーニ枢機卿の草案の中心になる関心事は、カトリック信仰の保護であり、真の宗教における市民全員の一致に基礎をおいた世俗の共通善の保全であった。自由とは、真理と善徳のためであって、誤りや悪のためにあるのではない。ベア枢機卿の草案は、すべての場合とすべての人々に信教の自由が適用される、とした。

 イタリア系、スペイン系、ラテン・アメリカ系の教父らは、オッタヴィアーニの草案に賛成し、アメリカ、イギリス、ドイツ、オランダ、フランスの教父たちは、ベアの草案を支持して、真っ二つに対立していた。

 この準備委員会はほとんどが聖座のスタッフによって編成されていたが、彼らによって73にのぼる公会議文書の草案(シェーマ、シェマータ)が完成した。

 委員会は多くの草案を変更し、採用されなかった草案もあった。教会法改訂委員会に送り返されたり、他の草案と合体した草案もあった。草案の数は圧縮され縮小され 73から 20に減った。

 7月13日、草案の内、公会議で討議されるべき7つの草案が将来の公会議教父たちに送付された。スキレベークス神父はこの草案を厳しく批判しドイツ語圏の司教たちに広く配布された。これは各国語に訳されて広く読まれた。

 7月20日、中央準備委員会の職務は終了した。公会議には枢機卿団、司教団や修道会の長上、顧問神学者団以外にも歴史上初めてオブザーバーとしてプロテスタント諸教会や東方正教会の代表者たちへの参加が要請された。実際にそれらの代表団がバチカンに到着したことで、議題の一つであった教会の一致(エキュメニズム)へ向けての機運も高まっていった。

 前述の人々を含んだ会議の参加者は史上空前の規模であった。予定参加者は実に2908名に及んだ。実際に第1会期の初めに参加できたのは2540人であり、全会期を通じて参加者は2100人から2300人程度になったが、それ以外にも投票権を持つ参加者(公会議教父)が私的な顧問として招聘していた神学者たちやスタッフを含めるとそれは膨大な数に上っていた。


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