あの人と一緒に、初めて迎えた朝。
食堂で朝ご飯を食べて、もう一度温泉に。
でも、残念ながら、貸し切り露天風呂は清掃中。
というわけで、別々に一般の露天風呂に行った。
「すんごく広くてビックリした」
と出てからお互いに話していたんだけど。
やっぱり、一人で入るのはつまんない。
帰りは、行きとは別のルートで。
かなり険しい山道コース。
「昨日寝てないんだから、寝ててもいいよ」
彼は優しい。
でもね、カーナビもない時代。
優秀なナビがついてなくちゃ、困るでしょ?
途中には、日本でも有名な吊り橋が。
そこで少し休むことに。
もちろん、渡ってみた。
かなり長い。で、古い。
しかも、冬。
橋の下を流れる川の方から強く吹き上げてくる風が冷たい。
揺れる、揺れる。
私は前にも来たことがあるんだけど、彼は初めて。
「すごい橋だな」
ま、怖がってはなかったみたいだけど。
そのあとも、山道のドライブが続き、
市街地のファミレスでお昼ご飯を食べたのは、
もう3時過ぎだった。
夢みたいなこの2日間も、もうすぐ終わり。
そう思うと、一緒に食事をしていても
すごく悲しくなった。
「なんか元気ないね」
彼が声をかけてくれる。
寝不足もあって、余計に精神が不安定なのかも。
それを隠す気力もない私。
食事が終わって、私の家へと車を走らせる。
どんどん、どんどん近づいてくる、サヨナラのとき。
どんどん、どんどん無口になってうつむいてしまう私。
ホントは夕食だって一緒に食べたかった。
でも、それは無理だった。
家から少し離れたところで降ろしてもらう。
なかなか降りられなかったけど。
「ありがとう。気をつけて帰って」
そう言って、ドアを閉めた。
涙が出てきそうだった。
でも、泣くわけにはいかない。
帰ったら、いつも通りの生活が待っている。
何ごともなかったように帰らなくては。
そして、夜。
彼に電話してみた。
「ちゃんと帰れた?」
「うん。伝言聞いてくれたの?」
ん?伝言??
彼は、帰ってすぐ伝言ダイヤルにメッセージを入れてくれていたらしい。
「帰りに元気なかったから、大丈夫かなと思って。
…ホントは、ちょっと後悔してるんじゃないの?」
そんな心配をしてくれてたんだね。
ちっとも後悔なんてしてないよ。
ただ、帰りたくなかっただけ。
後で、伝言も聞いてみた。
「元気がなかったから、気になって」
そんなメッセージが残されていた。
ごめんね。心配させて。
本当に幸せな時間を過ごせたよ。
思い切って行くことにして、良かったと思ってるよ。
だいたい、誘ったのは私なんだし。
つきあってくれてありがとう。
この2日間のこと、きっと一生忘れることはないよ。
食堂で朝ご飯を食べて、もう一度温泉に。
でも、残念ながら、貸し切り露天風呂は清掃中。
というわけで、別々に一般の露天風呂に行った。
「すんごく広くてビックリした」
と出てからお互いに話していたんだけど。
やっぱり、一人で入るのはつまんない。
帰りは、行きとは別のルートで。
かなり険しい山道コース。
「昨日寝てないんだから、寝ててもいいよ」
彼は優しい。
でもね、カーナビもない時代。
優秀なナビがついてなくちゃ、困るでしょ?
途中には、日本でも有名な吊り橋が。
そこで少し休むことに。
もちろん、渡ってみた。
かなり長い。で、古い。
しかも、冬。
橋の下を流れる川の方から強く吹き上げてくる風が冷たい。
揺れる、揺れる。
私は前にも来たことがあるんだけど、彼は初めて。
「すごい橋だな」
ま、怖がってはなかったみたいだけど。
そのあとも、山道のドライブが続き、
市街地のファミレスでお昼ご飯を食べたのは、
もう3時過ぎだった。
夢みたいなこの2日間も、もうすぐ終わり。
そう思うと、一緒に食事をしていても
すごく悲しくなった。
「なんか元気ないね」
彼が声をかけてくれる。
寝不足もあって、余計に精神が不安定なのかも。
それを隠す気力もない私。
食事が終わって、私の家へと車を走らせる。
どんどん、どんどん近づいてくる、サヨナラのとき。
どんどん、どんどん無口になってうつむいてしまう私。
ホントは夕食だって一緒に食べたかった。
でも、それは無理だった。
家から少し離れたところで降ろしてもらう。
なかなか降りられなかったけど。
「ありがとう。気をつけて帰って」
そう言って、ドアを閉めた。
涙が出てきそうだった。
でも、泣くわけにはいかない。
帰ったら、いつも通りの生活が待っている。
何ごともなかったように帰らなくては。
そして、夜。
彼に電話してみた。
「ちゃんと帰れた?」
「うん。伝言聞いてくれたの?」
ん?伝言??
彼は、帰ってすぐ伝言ダイヤルにメッセージを入れてくれていたらしい。
「帰りに元気なかったから、大丈夫かなと思って。
…ホントは、ちょっと後悔してるんじゃないの?」
そんな心配をしてくれてたんだね。
ちっとも後悔なんてしてないよ。
ただ、帰りたくなかっただけ。
後で、伝言も聞いてみた。
「元気がなかったから、気になって」
そんなメッセージが残されていた。
ごめんね。心配させて。
本当に幸せな時間を過ごせたよ。
思い切って行くことにして、良かったと思ってるよ。
だいたい、誘ったのは私なんだし。
つきあってくれてありがとう。
この2日間のこと、きっと一生忘れることはないよ。