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BeansBurntToGems

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プラモデル初制作

2015-12-29 | プリキュア

小学生の頃、父親がガンダムのプラモデルを買ってきてくれたことがあった。しかし、殆ど手を付けることなく放置されたままだった。当時の自分はカラクリとかゲームには関心はあったけど、メカとか機械とかロボットにはそれほど興味を持っていなかった。なんとなく面倒に感じられたんだろうか。キン肉マンのアニメも怖くて見られない程にウブな子供だった。ただ、「ゾイド」は好きだった。接着剤無しで組み立てられてしかも動くカッコいい動物モチーフのマシンには憧れたものだった。難易度的にはプラモデルの方が遥かに上だろうということはなんとなくわかる。プラモデルとゾイドを分けたのはハードルの高さだったのだろうか。

昔は面倒なことは嫌いだったが、社会に揉まれて?だいぶそういうこともむしろ好き好んでやれるようになってきた。ガルパンの影響で、戦車のプラモデルも買ってみようと思った。選んだのはソ連の重戦車KV-2。本編ではあっさり片付けられ、劇場版では大洗のシーサイドホテルを派手に破壊するだけの役割だったが、その砲塔のアンバランスな大きさと破壊力の高さ、そして「ギガント」という通称には不思議と惹かれるものがあった。ちなみに、他の戦車について好みだけで言わせてもらえば、例えばカバさんチームの三突はその攻撃力の高さはともかく、砲塔が回らないのも車高が低いのもあまり惹かれない。あんこうチームのIV号戦車は、軍神みぽりんの能力を遺憾なく引き出した戦車であるにも関わらず、正直何も感じない。マチルダII、チャーチル、シャーマン、ファイアフライ、パーシング…本編でも劇場版でも活躍したこの辺の英米の戦車にも全く食指が伸びない。なんとなく見かけが普通っぽい感じなのは微妙なのだろうか。センチュリオンは劇場版では愛里寿が無双っぷりを示した素晴らしい戦車だが、うーん。いうまでもなくチハとかには関心をもてない。Twitterのフォロワーさんがヘッツァー仕様の38tが萌えだと言っていたが、確かにあの小回りが効きそうな小さな車体は他の戦車達と一線を画する。乗員が生徒会チームというのもポイント高いですかね。

ちなみに、もし次を買うとしたら多分IS-2。なぜソ連寄りなのかは不明。ノンナ寄りなのかもしれない。白い戦車になんとなく魅力を感じている。あとBT-42。何やら品薄になっているようで、果たして僕のガルパン熱が持続している間に入手可能になるのか疑問だが。謎の哲学的美少女ミカに統率されたミッコの気狂いドライビングテクニックとアキの狙撃とで自在に跳躍しパーシングを倒していく戦車の描写は素晴らしかった。継続高校のシーンがあるかないかで劇場版の評価も大分変わりそう、と思える程に、彼女らの活躍は深い印象を残すものとなった。

前置きが長くなったが、そんなわけで戦車のプラモデルを購入した。ハンズで接着剤を購入し、年末休みに入って近所のプラモ屋でニッパーを購入し、購入してから数週間経過した後にようやく制作に着手した。プラモデルについては正直何もわかっていない。どこを接着するべきなのかもわからない。どのくらい時間がかかるのかもわからない。添付されていた作り方の紙と部品を交互に見ながら慎重に進めていくしかない。部品はニッパーを使って切り離すということは、事前に初心者向けのウェブサイトを見て分かっていた。逆に言うと、それくらいしか知らなかった。5年位前に、ヨドバシで見かけた1,000ピースのジグソーパズルの絵柄に一目惚れしてジグソーパズルなんて殆どやったこともないのに衝動買いし、一ヶ月くらいかけてのんびり作り上げたことがあったのだが、それくらいの覚悟だった。

前職は金型加工に関連したシステムを構築していたベンチャー企業だったので、金型と樹脂に関する前提知識程度はあった。部品をみながら、金型の設計不具合とか加工の不具合とか、いろいろ研修でやったなあ、など思い出したりしていた。面白いのは、不要部品が存在しているところだ。要するに使いまわしているというわけなのだろうが、非常に納得できる。また、穴を自分で空けたり、カッターで切り取ったりしなければならない部品もごく僅かながら存在している。確かに穴の有無や出っ張りの有無で金型全体を新規に作ることを考えれば、エンドユーザーに対応してもらう(ただ穴を開けるだけだし)ことで回避するというのは合理的だ。モデラーというのは組み立てと接着と塗装がメインなのかもしれないが、その程度の「加工」はむしろやりたくなる程度の手間だろう。

ニッパーで切り離した部分は、ニッパーが安物なのが問題なのかどうしても白くなってしまう。車体が茶色と緑色を合わせたような色なのでどうしても目立つ。といってもこればかりはどうしようもない。せめてニッパーで部品自体に傷を付けないように注意して扱う。しかし最近老眼気味なのか、近くのものが見えづらくなってきていてそんなところでも苦労させられた。まだギリでプラモデルはいけそうだというのが完成させた時の感想だが、とにかく細かい部品が多く、器用さ、注意深さは必須である。また、どこを見ても説明が十分でないところも僅かながらあるので、そこは自分で補うことになる。

ディテールは重要だ。なんとなく見た目だけできれば…というものでもない。完成品のモデルが存在する限り、そこからひとつの部品が欠けていたとしても制作者にとってはそれは遺恨となる。それは「この戦車にはこれがなくてはダメなんだ」というミリオタ的拘りとは全く異なり、純粋にプラモデル対自分という構図における問題であり、他者はこの拘りには全く無縁で、かつ無意味である。

接着剤は思った以上に強力な接着力を持っていて、簡単に接着できるので上手く行くととても気持ちいい。しかし、みるみるうちに乾いてしまうので「手早く適量を適切な対象面に塗りつけ、手早く部品と部品とを正しい形で接着させる」ことが必要になる。ここのスキルが、出来上がりを分けるところだろう。適切にハケで対象に塗りつけることができるか。また、接着面は2つある(部品Aと部品Bの接着には部品Aのある面(1)と部品Bのある面(2)を付けることになる)が、(1)と(2)のどちらに接着剤を塗るべきなのかの判断ができるか。タラタラしてると乾いてしまって接着力が落ち、部品が取れてしまう、接着剤を付け過ぎると溢れてディテールにケチが付く。などなど。この辺りは器用さの総合力が問われる。

塗装を考えなければ、以上を踏まえれば単純作業の繰り返しでなんとかなってしまうらしい。多分少し慣れてくれば、2時間程度あれば組み立てられてしまうのではないか。塗装を入れると全然違ってくるだろうから、余り意味がない指標かもしれないけど。つまり、組み立てを完成させるという基準だけで満足しようとすると、思ったより簡単過ぎて手応えに欠ける。やはりプラモデルをやるならリアルな塗装なのだろうか。

完成した戦車は一切塗装を施したりデカールを貼り付けたりしなくてもそれなりに迫力がある。履帯もキュラキュラ動くし、時々スプロケットから履帯が外れるのもなんとなくリアリティがあってむしろ良い。戦車の構造を知ったことには全くならないと思うし、結局どこに乗員が乗ってどのように作業をしているのかも全くわからないままだが、ホイールの種類や数、外装のディテールに関してはかなりこれまでとは違った視線で戦車を観ることができるようになりそうだ。そして、なまじリアルなだけにいかにもプラモデル的な、パーツを切り離す時の樹脂の歪みや色の変化、接着面の微妙なズレやその消すことが難しいラインが逆に際立ってくる意味はあるだろう。

そんなわけで、意外と拍子抜けながらもある程度の満足感は得られただろうか。さて、この戦車、どうすればいいだろう…。もう飾る場所がないぞ…。^^;


S☆SでSplendor(宝石の煌き)パロディを作ってみた #cure_advent

2014-12-07 | プリキュア

 

2014年プリキュアアドベントカレンダー、7日目の記事です。
Splendor(宝石の煌めき)」というカードゲームのパロディをS☆Sでやってみたというものです。Splendorはとても面白いゲームなので、興味を持った方はぜひ購入してみてください。5000円程度で売ってます。

Splendor☆Star(金銀の煌き)

ストーリー

このゲームでは、プレイヤーはフラッピ、チョッピ、ムープ、フープとなり、コミューンの力を使って少女をプリキュアに変身させ、大自然の精霊たちの力を集め、少女達をプリキュアの名にふさわしい伝説の戦士へと成長させるのです。七つの聖なる泉を奪還し、滅びの力に打ち勝って、大切な日常と仲間達を取り戻してください。

ゲーム概要

ゲーム中、プレイヤーは精霊トークンを獲得します。この精霊の力を集めてプリキュアを成長させ、希望を生み出していきます。成長に伴う精霊ボーナスにより、プリキュアはより効率的に成長できるようになります。
ボーナスが増えることで、仲間達の訪問を受けることもあります(これも希望ポイントになります)。いずれかのプレイヤーが15希望ポイントを得た時点で、そのラウンドの終了時に最も希望ポイントの高いプレイヤーが勝者となります。

用語説明

「星空の仲間」タイル
精霊ボーナスを十分に持っていた場合、仲間がプリキュア達の元にやってきます。希望ポイントが3ポイントアップします。
希望ポイント
成長カードや星空の仲間タイルには希望ポイントの数値が書かれています。これを集めるのが目的になります。
精霊ボーナス
成長カードの右上の○が精霊ボーナスを表します。カード1枚につき必ず1ポイントです。
成長カード
精霊トークンを何枚か集めると、成長カードを得ることができます。カードには精霊ボーナスと希望ポイントが付加されています。

レベル1、レベル2、レベル3の3種類があります。

精霊トークン

6種類の精霊トークン(樹の精霊(緑)、火の精霊(赤)、土の精霊(黒)、空の精霊(白)、水の精霊(青)、金の精霊(黄))があります。このうち、金の精霊のみ「ワイルドカード」として他の精霊の代用として用いることができます。

初期配置

「星空の仲間タイル」はプレイ人数+1枚のみ場に並べます。それ以外は使いません。
「成長カード」はよくシャッフルしてレベルごとに山札を作ります。レベルごとに4枚ずつ表にして場に並べておきます。
「精霊トークン」を場に出しておきます。金の精霊トークンは常に5枚使いますが、それ以外のトークンはプレイ人数によって使う枚数が異なります。

  • 2人の場合:4枚
  • 3人の場合:5枚
  • 4人の場合:7枚

ルール説明

プレイ人数は2人~4人のいずれかです。
一番若い人から開始し、時計回りに手番をすすめます。プレイヤー全員が手番を終えたら2ラウンド目に入ります。
いずれかのプレイヤーが希望ポイントを15点以上獲得したら、そのラウンドでゲーム終了となります。(例えばプレイヤーA、B、C、Dのこの順にプレイし、Bが15点を獲得したとします。すると、その瞬間にゲームが終了するのではなく、C、Dがそれぞれ自分の手番を行い、それが終わったらゲーム終了となります。仮にCがその手番で16点を獲得できた場合、BではなくCの勝ちとなります)
ゲーム終了時に2人以上のプレイヤーが同点だった場合には、所有カードが少ない方が勝ちとなります。

手番では、下記4つのアクションのうちいずれかを必ず行います。

  1. 異なる3属性の精霊トークンを1つずつ取る
    (場に2属性以下しか存在しない場合には属性の種類分しか精霊トークンを取れません)
  2. 同じ属性の精霊トークンを2つ取る
    (ただし、場に同じ属性の精霊トークンが4枚以上残っている場合に限ります)
  3. 成長カードを1枚手札として確保し、金の精霊トークンを1つ取る
    (山からも、場からも取ることができます。山からとる際には、山札の一番上のカードからとります。この場合、他のプレイヤーに見せる必要はありません。また、場から取った場合には同じレベルの山札の一番上から場に1枚補充します)
    (ただし、手札の確保は3枚までです。金の精霊トークンが場に1つも残っていない場合にも手札の確保は可能ですが、精霊トークンは得られません。)
  4. 手札か場に出ている成長カードを1枚、集めた精霊トークンまたは精霊ボーナスと交換する。
    (成長カード上に指定されている枚数が必要になります。トークンは消費しますが、カードに記載されている精霊ボーナスは消費せず、何度でも使い回すことができます。)
    手元に持てる精霊トークンは合計10個までです。アクションによって10個を超える場合、その分のトークンは場に戻さなければなりません。また、所有している精霊トークンは全てプレイヤー全員に見えるようにしておかなければなりません。

カード一覧

ここにあるカードで全てなので、これを使えば遊べます。(注意:当然ながら、印刷して自分でカードを作る必要があります)

レベル1(5種類 x 8枚 = 40枚)
    

レベル2(5種類 x 6枚 = 30枚)
    

レベル3(5種類 x 4枚 = 20枚)
    

星空の仲間たちタイル(全10種類)
 
 

なぜこんなものを作ってしまったのか

職場がボードゲームを推奨?しており、研修では研修生にカタンをやらせたり、社内でボードゲーム大会を開催しようと企画を立てるなど結構こじらせてる感はあります。
自分も流れでいくつかルールを覚えて、最近では定時後や昼休みに周囲の人と遊ぶようになるなどなかなかハマっている様子。
これまで自分がやっていたのは基本的に二人零和(→2人対戦ゲーム)で完全情報(→隠されてるものがない)で確定(→サイコロを振らない)なゲームばかりだったので、そうでなく、とても種類が多く、それぞれに独特の道具とルールを以て行うボードゲームはとても新鮮で楽しい。

先月日本で発売になった「Splendor(邦題:宝石の煌めき)」というゲームを社長が早速購入しました。宝石を集めてカードを購入し、ポイントを貯めていき、先に15点に達した人が勝ちというゲームですが、ルールはシンプルですぐに覚えられる割にこれがまた面白い。いかに効率的に資産を運用していくかということでなかなか奥が深い。プリキュア版みたいなのがあったら、オフの合間にでも楽しめるんじゃないかなどと妄想して作ってみたのがこのパロディです。

TODO

実際に印刷していつかオフに持っていく。
興味ある人、一緒にやりましょう^q^ 

以上です!!!

 

 


「映画ハピネスチャージプリキュア!人形の国のバレリーナ」感想(5)

2014-11-21 | プリキュア

エピローグ(笑)

まだまだ書きたいことはあるんだけども、主に僕の体力が続かないのでとりあえず一段落です。
もうあとは普通のミーハーな感想を書きますw
これまではほぼ一切触れてないですけど、僕はジーク様がホント大好きで、あの「世界中が君を忌み嫌っても、僕は君が大好きだ」というあの普通に聞けばクサすぎるセリフが、ジーク様のキャラと、状況にこの上なくマッチしていてもう泣けて仕方ないです。やっぱベテラン声優のイケボって最高ですw

そうそうゲスト声優というか、つむぎ役の堀江由衣さんとジーク様役の小野大輔さん、 どちらもたまらなくいい仕事してて、やっぱ声優、大事!と。あんまこれプリキュアで感じる機会少なかったりするんですがこの映画では強くそれを感じました。もちろん、ゴーヤーン以来の森川智之さんも最悪のヒール役を見事に憎たらしく演じてました。

泣けるといえば、つむぎがブラックファングにたぶらかされて人形の国を与えられた時、喜びにまかせて踊るつむぎを人形たちの拍手が迎えるシーン、あそこも涙不可避です。拍手に弱い自分。

つむぎの思いが黒い不幸の糸を白く変えたことでミラクルライトがラブリーに届き、シャイニングメイクドレッサーがラブリーをスーパーハピネスラブリーに変身させる時に流れる挿入歌、『勇気が生まれる場所』。ありそうでなかった(ですよね?)このミラクルライト+新ボーカル曲という組み合わせも素晴らしかったです。
こだまさおりさんはこれまであまりプリキュアソングには関わってこなかったと思うんですよね アイカツ曲の作詞家としてよくお名前を拝見してたと思うんですが、この歌詞も作品とのシンクロが物凄いです。
意図してたんじゃないかと推測してるんですが、作中では「勇気」という言葉は使われなかったと思うんです。相互に補完する形になっているので、歌詞を読むことでこの映画をより深く味わえる、と思ってます。

(4)までの感想に盛り込みたかったのは作画と演出なんですけど、ほとんど何も言えませんでした
「人形の国のバレリーナ」だけに、バレエの描写は素晴らしいですね、絶対に注目です。短いながらもキーになるシーンですから丁寧に書かれているのが嬉しいです。毎週の30分アニメだとなかなかこういうサービスはないでしょう。またラストの現実に戻る途中の夢のような場面で、つむぎがプリキュアに抱きつくシーンも、その羽布団のような柔らかい感触が伝わってくるような描写でたまらないです。ストーリーについては言葉で語れても、こういう表現は小説には真似できない、アニメならではです。

あともう一つ、スマイル映画との図ったかのような相似もちょっと面白いです。これが意図的なのかどうなのかわかりませんが、ある程度そういうところ、あるんじゃないかなあ。ドキプリの映画とフレッシュプリキュアの28話の相似については山口さんが直接Twitterで答えてくださいましたが(未見とのことでした)。比較して見てみると結構面白いんじゃないでしょうかね。どこが似てるかとかは言うまでもないでしょう。ちなみにウルトラキュアハッピーの登場シーンとその圧倒的なパワーの表現は僕大好きです。

プリキュアを見ていてたまに残念に思うのが、「それってどれくらいすごいの?」がうまく表現しきれていないところなんですが、ウルトラキュアハッピーのパワーはそんなのぶっ飛ばす程に圧倒的だった。だから「ウルトラキュアハッピー誕生」のBGM、ハッピーの足下から一瞬の間に花が咲き誇る演出、片手で魔王の攻撃を無力化する演出、大好きです。そういやスマイル映画はCG上手に使ってたな・・・。

ちなみに僕がこの映画で一番笑わせてもらってるのはおひめちゃんなんですけど、全く、完全にストーリーの本筋には関係ないあの勘違いっぷり、堪らなく愛しいです。はんさんかわいい。映画館で子どもたちも笑ってました。

そういえば、序盤で幼稚園で人形劇をやっていたプリキュア達だけど、「操り人形の糸を勢いで切ってしまう」というのはプリキュア達のキャラを表してたなあとちょっと思いました。ひめちゃんめっちゃ怒ってたけどw それで無理やりハッピーエンドにしちゃう強引さも含めて。それにしてもあのときのいおなちゃんのスカートの短さはさすがに異常だしなんか格好不自然だしw

だんだんどうでもいい話になってくるけど、「舞踏会・・・楽しいじゃねえか!」とひとりごちた誠司にサイアークが集団で攻撃して人形に変えちゃうシーン、非リアの「リア充爆発しろ」的な恨みに見えてしょうがなかったあのタイミングw

私事ですがちょっと仕事絡みで酷い失敗をしてしまって、凹みすぎていた時に縋るような気持ちで5回目のプリキュア映画を見たんです。その時には、普段と違うシーンでプリキュアの優しさが胸に迫ってやっぱり泣けて仕方なかった。プリキュアはフィクションの世界で人を救うだけのヒーローではなく、現実の世界を変える力があるんだって、自ら改めて、思い知った気がします。

うまくまとまらないけど終わり!また明日、観に行こうかなあ^q^


「映画ハピネスチャージプリキュア!人形の国のバレリーナ」感想(4)

2014-11-21 | プリキュア
 

2人の「人形の国のバレリーナ」

 
自分の不幸を呪い、他人を傷つけてでも自分ひとりの幸せにすがろうとした弱い心は、彼女自身を「マリオネット」に貶めた。ブラックファングの言う通り、彼女は彼の意のままに踊る人形に過ぎなかった。
一方で、彼女にとって不幸でつまらなかったはずの現実に、自分の存在価値を見出し、そこへ戻る勇気を得たつむぎが、心から友達を応援する純粋な気持ちは、偽りの国から彼女を救い出す、自由の翼を持つバレリーナ——スーパーハピネスラブリーを誕生させた。
真逆の存在であるこの2人のバレリーナは、どちらもつむぎが生み出したものであった。
 
本作品では、ブラックファングを倒した時に呪いは解け、彼女は現実の世界においても再び踊れるようになった。
しかし、仮に彼女の足が動かないままであったとしても、プリキュアに出会い一杯の愛を受け取り、自分自身の勇気を生み出した彼女は、自身がバレリーナになるのとはまた別の形で、人を感動させ幸せにすることだろう。そして本作のラストシーンと変わらぬ満面の笑顔を見せてくれるに違いない。
バレリーナの姿をとって現れたスーパーハピネスラブリーは、そんなつむぎの昇華された思いの形を象徴しているかのようだ。
 
この映画を観たわたし達は、つむぎのように厳しい現実に直面したときに、どちらの「バレリーナ」を生み出すことになるだろう?
 
 

「映画ハピネスチャージプリキュア!人形の国のバレリーナ」感想(3)

2014-11-20 | プリキュア
不幸生成装置の解体

糸車の動力を担う、この不幸の生成装置(※感想(1)の「不幸の永久機関」のこと)を止めるためにはどうすればいいだろうか?
不幸の生成装置の大前提として、そこから誰しも逃げ出したくなるような「絶対的な不幸」が必要となる。いわば、「後ろから人を押す力」となる。

これに「見せかけの幸福」が触媒として機能する。これは「人を前から引っぱる力」だ。この「幸福」は人の犠牲の上にのみ成り立つ――すなわち他人を傷つけ(結果として自分も傷つけ)なければ得られない――「幸福」である。

この2つが揃った時、前述の通り、人は絶対的な不幸から見せかけの幸福に向かって盲目的に、がむしゃらに走り続け、我が身も他人も傷つけながら不幸を生み出し続けることになる。

したがって、装置を止めるためのターゲットはこの2つだ。
触媒としての「見せかけの幸福」に対しては、本当の幸福ではないことを知ること。何の引力もないまやかしであることに気づくこと。
そして後ろから押す力に対しては「絶対的な不幸」に見えるものが、実際にはそうとは限らないと気づくこと。逃げ出さなければ幸福に生きることができないなんてことはないということ。これを生成装置に落とし込まれた哀れな人間に気づかせればよい。それによって、不幸の生成装置は解体され、不幸の糸車は止まる。

つむぎの事例に即して言えば、一つには友達を傷つけなければ存続できないような「人形の国」で踊り続けられることは、本当の幸せではないと気づくこと。
そしてもう一つは、足が動かず踊れない自分を受け容れ、その人生に自分の存在意義を見いだし、生きていく意志を持つこと。
痛みに怯えて逃げ続ける人間には、そのどちらも不可能である。
プリキュアの使命はつむぎ自身にこの「勇気」を持たせることだ。

しかし、プリキュア達自身、どうすればいいのかわかっていたわけじゃない。少なくとも、足を治す力は持っていない。それでも、「わたしは、わたしにできることをしたい」ラブリーはそう言った。

つむぎが罠にかけて騙し、なじり、サイアークに攻撃させたプリキュア達が戻ってきたとき、「何しにきたの」そう言うつむぎにラブリーは力強く、こう応えた。
「もちろん、つむぎちゃん、あなたを助けに来たんだよ」
不幸の糸に縛られ、身動きがとれない状態でありながら、つむぎを不幸そのものだと断じるブラックファングに、ラブリーはこう叫んだ。
「違う!絶対に違う!そんなことは絶対にない!私達はつむぎちゃんの友達だけど、絶対に不幸になんかならない!」

ラブリーはつむぎを閉じ込めた繭の中に飛び込んで、こういった。
「つむぎちゃん、助けにきたよ」
涙を拭うことも忘れ、泣き腫らした顔のままラブリーの顔を見るつむぎ。

「つむぎちゃんを元気づけられること、どういえばいいのかわからない。プリキュアなのにね 方法もわからないのに、無責任なこと言って、ごめん。でも助けたい、友達だから。あきらめたくない。どうにかして見つけたい。あたし達みんなが全力でつむぎちゃんの力になるから。」
そういってラブリーはつむぎを抱きしめさえしたのであった。

プリキュアの愛に包まれて、彼女の勇気がここに生まれた。不幸の繭は消え去り、人形であったつむぎを華やかに飾り立てていた大輪の薔薇を象った帽子は脱げて落ちた。

つむぎはブラックファングに向かって叫んだ。
「私の幸せを祈ってくれる人がいる。私は全然不幸じゃない、だからこんな世界なんていらない!」

つむぎにも愛してくれる人はいたはずだ。しかし、つむぎは人形とだけ話して、他の人間には心を閉ざしてしまった。友達は見舞いに訪れることもなくなり、両親は、彼女の変貌にとまどい、悲嘆にくれるばかりだった。
彼女を助けたいという気持ちを、自分が傷つくことも厭わず行動を以て示したプリキュアだけが、彼女に勇気を与え、彼女を助けることができたのだろう。
 
 

(つづく)