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「映画ハピネスチャージプリキュア!人形の国のバレリーナ」感想(4)

2014-11-21 | プリキュア
 

2人の「人形の国のバレリーナ」

 
自分の不幸を呪い、他人を傷つけてでも自分ひとりの幸せにすがろうとした弱い心は、彼女自身を「マリオネット」に貶めた。ブラックファングの言う通り、彼女は彼の意のままに踊る人形に過ぎなかった。
一方で、彼女にとって不幸でつまらなかったはずの現実に、自分の存在価値を見出し、そこへ戻る勇気を得たつむぎが、心から友達を応援する純粋な気持ちは、偽りの国から彼女を救い出す、自由の翼を持つバレリーナ——スーパーハピネスラブリーを誕生させた。
真逆の存在であるこの2人のバレリーナは、どちらもつむぎが生み出したものであった。
 
本作品では、ブラックファングを倒した時に呪いは解け、彼女は現実の世界においても再び踊れるようになった。
しかし、仮に彼女の足が動かないままであったとしても、プリキュアに出会い一杯の愛を受け取り、自分自身の勇気を生み出した彼女は、自身がバレリーナになるのとはまた別の形で、人を感動させ幸せにすることだろう。そして本作のラストシーンと変わらぬ満面の笑顔を見せてくれるに違いない。
バレリーナの姿をとって現れたスーパーハピネスラブリーは、そんなつむぎの昇華された思いの形を象徴しているかのようだ。
 
この映画を観たわたし達は、つむぎのように厳しい現実に直面したときに、どちらの「バレリーナ」を生み出すことになるだろう?
 
 

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