GROOVE COASTER(以下、GC)は第一世代とも第二世代とも異なる、明らかに新しい音ゲーであった。
第一世代に近いと思う人もいるかもしれない。確かに画面を直接タッチするでもなく、画面のオブジェクトとアバターが触れる瞬間に筐体のボタンを押すというシステムは、外見こそ異なるものの第一世代と共通している。
しかし特筆すべきは、GCのボタンが2つしかなく、しかも「どちらを押してもよい」というルールである。プレイヤーは、決して画面上のオブジェクトと筐体上のボタンのマッピングを時間をかけて体に覚え込ませる必要はない。この点において、GCは明確に第一世代と一線を画している。
GROOVE COASTER
10年以上音ゲー中毒を続けていた筆者も、ここ数年は名実共に引退しめっきり縁もなくなり、自分から音ゲに触れたいという気持ちもすっかり失われていた。しかし最近カラオケついでに行ったゲーセンに新しい音ゲが入荷されているのを見かけた。
筆者は勝手に、beatmaniaやポップンミュージック、ギターフリークスやドラムマニア、DDRのいずれにも共通する、画面の上端(もしくは下端)に現れ、等速でラインの上に落ちてくる(もしくは上ってくる)オブジェクトに対応する筐体のボタンを叩くというシステムを第一世代の音ゲーと呼び、画面のオブジェクトを直接タッチするjubeatやリフレクビートに共通するシステムを第二世代音ゲーと呼んできた。そういう観点から、この新しくBEMANIシリーズではない音ゲーにどういう位置づけができるのか、ということにも関心があった。
GCにおいて、複数種類のオブジェクトに対応しているのはそのアナログなコントローラーを思わせる柔らかく上下左右の移動と押下が可能なボタンの「操作」である。例えば同時押し、連打、あるいは右左の入力、そして「スクラッチ」(左右交互の素早い入力)、長押し。恐らくは他にもいろいろあるだろう。しかしその操作は非常に直観的な形で画面上に表示され、意図的に、オブジェクトと対応する操作に悩む余地を与えていない。音ゲーマーなら初見で難なく高難易度の譜面をクリアしてしまうかもしれないが、そのような敷居の低さをスマートに実現したのはこの新しいゲームの非常に上手くやっているところであろう。
いわば「十字キー」と「ボタン」を同時に備えるこのデバイスは無限のポテンシャルを持つ。恐らくそれは、今はゲームの開発者さえも知らない世界を今後拓いていくことになろう。
その巨大で高解像度、シンプルにして美しい画面。そしてその高い音質。GC自体はタイトーのゲームだが、この画質、音質の高さはコナミが15年かけて確立した(と筆者は信じている)音ゲーというジャンルの自信を感じさせるものだ。
トップビューから3Dビューへ、視点がめまぐるしく移り変わり、アバターのスピードもまた急激に変化するというこのダイナミックな演出は、タイトル通りまるでジェットコースターのようだ。オブジェクトの間隔はもはやヒント程度の意味しか持たず、プレイヤーは何よりも音楽のリズムを頼りに次々目の前に現れるオブジェクトに対処していかなければならない。この浮遊感と疾走感。第一世代の音ゲーとは隔世の感さえある。しかし音ゲーの苦難の歴史があってこそのGCである。更に、年々高速化する演算処理の助けを借りてようやく音ゲーはあらゆる余計な配慮を捨てて、本当の意味で音楽とリズムを楽しめるエンターテイメントへと成長を遂げることができたのではないか。この新世代音ゲーに触れて、そんな思いを抱いた。
第一世代に近いと思う人もいるかもしれない。確かに画面を直接タッチするでもなく、画面のオブジェクトとアバターが触れる瞬間に筐体のボタンを押すというシステムは、外見こそ異なるものの第一世代と共通している。
しかし特筆すべきは、GCのボタンが2つしかなく、しかも「どちらを押してもよい」というルールである。プレイヤーは、決して画面上のオブジェクトと筐体上のボタンのマッピングを時間をかけて体に覚え込ませる必要はない。この点において、GCは明確に第一世代と一線を画している。
GROOVE COASTER
10年以上音ゲー中毒を続けていた筆者も、ここ数年は名実共に引退しめっきり縁もなくなり、自分から音ゲに触れたいという気持ちもすっかり失われていた。しかし最近カラオケついでに行ったゲーセンに新しい音ゲが入荷されているのを見かけた。
筆者は勝手に、beatmaniaやポップンミュージック、ギターフリークスやドラムマニア、DDRのいずれにも共通する、画面の上端(もしくは下端)に現れ、等速でラインの上に落ちてくる(もしくは上ってくる)オブジェクトに対応する筐体のボタンを叩くというシステムを第一世代の音ゲーと呼び、画面のオブジェクトを直接タッチするjubeatやリフレクビートに共通するシステムを第二世代音ゲーと呼んできた。そういう観点から、この新しくBEMANIシリーズではない音ゲーにどういう位置づけができるのか、ということにも関心があった。
GCにおいて、複数種類のオブジェクトに対応しているのはそのアナログなコントローラーを思わせる柔らかく上下左右の移動と押下が可能なボタンの「操作」である。例えば同時押し、連打、あるいは右左の入力、そして「スクラッチ」(左右交互の素早い入力)、長押し。恐らくは他にもいろいろあるだろう。しかしその操作は非常に直観的な形で画面上に表示され、意図的に、オブジェクトと対応する操作に悩む余地を与えていない。音ゲーマーなら初見で難なく高難易度の譜面をクリアしてしまうかもしれないが、そのような敷居の低さをスマートに実現したのはこの新しいゲームの非常に上手くやっているところであろう。
いわば「十字キー」と「ボタン」を同時に備えるこのデバイスは無限のポテンシャルを持つ。恐らくそれは、今はゲームの開発者さえも知らない世界を今後拓いていくことになろう。
その巨大で高解像度、シンプルにして美しい画面。そしてその高い音質。GC自体はタイトーのゲームだが、この画質、音質の高さはコナミが15年かけて確立した(と筆者は信じている)音ゲーというジャンルの自信を感じさせるものだ。
トップビューから3Dビューへ、視点がめまぐるしく移り変わり、アバターのスピードもまた急激に変化するというこのダイナミックな演出は、タイトル通りまるでジェットコースターのようだ。オブジェクトの間隔はもはやヒント程度の意味しか持たず、プレイヤーは何よりも音楽のリズムを頼りに次々目の前に現れるオブジェクトに対処していかなければならない。この浮遊感と疾走感。第一世代の音ゲーとは隔世の感さえある。しかし音ゲーの苦難の歴史があってこそのGCである。更に、年々高速化する演算処理の助けを借りてようやく音ゲーはあらゆる余計な配慮を捨てて、本当の意味で音楽とリズムを楽しめるエンターテイメントへと成長を遂げることができたのではないか。この新世代音ゲーに触れて、そんな思いを抱いた。