池田 悟≪作曲家≫のArabesque

・・・深くしなやかに・・・(音源リンクしてます)

宗教的合唱曲の作曲

2007-09-01 | 作曲/言葉・声

宗教的合唱曲のテキストがようやく決まった。
辞書のような英文の作品の中からほんの1ページほどの、これ!と思えるものを選ぶのに、フルート・オーケストラの作曲で中断したせいもあるが、実に半年かかってしまった。
まだテキストすら決まっていない時期に試作として音だけ書いたのが気に入ったので、それを何とか活かせないか、と念頭に置きながらテキストを選んだ。

序、夕暮れの無音の祈り。だんだん高まり最後は大勢で賛美歌を歌う、という前半。
インテルメッツォとして読者への呼びかけが入り、後半、天使が降り立ち目が眩む…という。
無音を音で表現したり、歌の中に歌があるところや、読者への呼びかけをその前後とはっきり判別出来る様に書かねばならないというのも、意欲をそそる。

無伴奏なので、声のみで遠近感や推進力を作らねばならない。しかも現代的に5声部以上に分割することは禁じられ、徹頭徹尾4声で書かねばならない。
歌を作曲する際、通常はテキストが先にあって、それに音を付けていくが、テキストが決まらない内に音だけ先に書いたものについては、後から言葉を当てはめていく。
この相反するプロセスを混合させることによってコントラストが生じ、単調さから逃れることが出来るだろう。
いざテキストが決まれば作曲は速い。それまでの根気の要った作業の反動か、この5日間でざっと4分の1出来た。
取敢えず最後まで書いてから推敲し、声楽家の知人に見てもらう積もりだ。
タイトルにはテキストの一節: I saw two angels issue and descend from Heaven's height, から充てようと思う。



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