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sou16の物理学的な週末 ~sou16's Physical Weekends.

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下野旅行 第3日目

2025年01月13日 | 旅行


ごきげんな朝食だ…
山盛りキャベツが無いとか言わない。
例によって素泊まりで泊まっていたので朝早くにチェックアウトして
近くの喫茶店でモーニングにしました。
愛知県民らしさを出していく。


さて、実は今日もまだ目的が残っています。
今市で道の駅日光 日光街道ニコニコ本陣の記念切符を回収したりしながら
栃木県の県庁所在地宇都宮市へ。


宇都宮駅東口電停から11:24発宇都宮ライトレール
芳賀・高根沢工業団地行きに乗車。
一昨年に開業したばかりの路面電車、宇都宮ライトレールです!


そう、これこそが今回の三連休の行き先を決めるに至った
一番最初のきっかけ。
4年前(2021/6/5)に一度完全乗車していた栃木県の鉄道ですが、
この宇都宮ライトレールの開業によって再び未乗区間が誕生したので
再度乗り潰しに来たという訳です。
元々あった構造物に配慮しているのか、
地図上では一直線に見える区間も実際にはうねうねしていますね。


宇都宮大学陽東キャンパス電停の先で併用軌道区間が一旦終わり、
専用軌道区間に入ります。
LRTどころか普通鉄道でも余裕で走らせられそうな豪華規格です。
法律的には軌道(線路)ではなくて道路扱いだそうなので、
車道としての規格に従っているということでしょうか。


高架部分はバラストを敷いていた割に、
地上に降りてきたらまたアスファルト舗装になりました。


それは併用軌道に戻っただけなのでは?
と思われるかも知れませんが、
この区間はまだ専用軌道のままです。
誤進入防止の為にもバラスト軌道にした方が良さそうに思うけど…


そして、何も無いだだっ広い田んぼ地帯で立派な高架に上がって…


鬼怒川を渡ります。
この鬼怒川橋梁は宇都宮ライトレールの象徴と言っても良い存在でしょう。


非常に高規格で建設されており、
将来的に路面電車としては破格の70km/h運転を見込んでいるとか。
駅間距離も路面電車では日本最長の1.9kmありますからね。


鬼怒川を渡ったところにある飛山城跡電停は周囲がガラガラで、
在りし日のりんくう常滑駅(2011/1/15)みたいな雰囲気です。
こんな雰囲気の電停が令和の時代に新規開業するとは…


芳賀工業団地に入ると再び併用軌道になります。
ここが元々鉄道空白地帯で工場への通勤ラッシュで渋滞が深刻化して、
宇都宮ライトレールの建設を決定付けた土地です。


12:10、芳賀・高根沢工業団地電停に到着。
という訳で、改めて栃木県の鉄道は完全乗車しました!


周囲にはホンダの工場以外何もありません。
計画時点での電停の仮称は「本田技研北門」だったそうですが、
ネーミングライツでもないのに特定の企業名にするのはまずいと
今の名前に変更されたという経緯があります。
三菱自工前駅(2022/11/5)とかは良いんですかね…?


部外者が下車することを想定していないので、
出口案内も「PPO門へ」「北門へ」と謎の行き先が書かれています。


鳥瞰するとこんな風に裏にテストコースもあるようです。
S2000もここで試走したのでしょうか。
周辺案内でも頑なに本田技研の名は出さないんだな…


工場見学とかが出来る訳でもないので
折り返しの12:18発宇都宮ライトレール宇都宮駅東口行きに乗車。


宇都宮市中心部に戻って昼食にします。
最近浜松市や宮崎市の影に隠れがちですが、
宇都宮といえばやっぱり餃子が有名。
というか、浜松や宮崎と比して餃子以外に乏し過ぎる。
その名もずばり餃子通りで餃子の有名店を試したいところです。
ただ、三連休ということもあってか何処も超満員。
一応、ネットで順番待ちの受付が出来るお店で
宇都宮ライトレールに乗るタイミングで順番待ちをしていましたが、
果たして…


読みが当たってドンピシャで入店出来ました。
逆にあとちょっとでも遅れたらキャンセルにされるところだった。
ジューシーな肉汁を存分に感じる一方で、
小籠包のように肉汁が溢れ出ることはないという不思議。
確かに美味しかったです。
ただ、宇都宮までこれだけを目当てに来るかと言われると
それはちょっと微妙な気がしなくもない。


最後は特急スペーシアXでちょっと贅沢に帰りました。


下野旅行 第2日目

2025年01月12日 | 旅行

6:00、起床。
さて、まさか鬼怒川まで来て鬼怒川温泉だけ入って帰るなんて
そんな後期高齢者みたいな真似はしません。
鬼怒川温泉に宿泊したのにはそれなりの理由があります。


鬼怒川温泉駅バス停から
7:35発日光市営バス鬼怒川温泉女夫渕線女夫渕行きに乗車。
幸せの黄色いバスというポップな名前と
年季の入った色褪せた黄色のコントラストが尚の事哀愁を誘います。
本当はもっと普通のバスが充当されるはずなのですが、
そのバスが故障してしまったので
代車としてこの幸せの黄色いバスに白羽の矢が立ったそうです。


が、このバス色褪せた見た目通りオンボロで、全然馬力が出ません。
上り一本調子で700m以上標高を上げないといけないのに、
こんなバスで大丈夫なのか…?


駄目でした。
何と6kmも走らない内に龍王峡の坂道でエンストというかエンコし、
全くエンジンがかからなくなってしまいました。
どの辺りが幸せのバスなんだ…
まあ、携帯電話の繋がらない場所で故障するよりは幸せか…


代車の代車が来るまで30〜40分待ってくれと言われたので、
ちょっと龍王峡を歩いてみます。


冬の龍王峡。
当然のことながら秋(2014/11/3)とは全く様相が違いますね。


乗客は僕を含めて2人、それに運転手1人の3人しか
あの「幸せの黄色いバス」には乗っていなかったので、
青柳車庫までタクシーで行くことになりました。


青柳車庫前バス停で予備のバスに乗り換え。
かなり遅れてしまった…


鬼怒川温泉駅周辺は殆ど雪が残っていませんでしたが、
青柳車庫から先はガッツリ積もっています。
果たして、奥地はどのレベルになっているのか。


遅れを取り戻そうとしているのか、
運転手さんはこの凍て付いた山道を攻めていきます。
それで事故ったら遅延では済まなくなるのでどうか程々に…


10:07、約1時間の遅れで女夫渕バス停に到着。
このバス停で降りたとなればすることは一つしかありません。
11年前のあの日(2014/11/4)
「奥鬼怒温泉郷にある4軒の旅館の内、
2軒は送迎が無いので遊歩道を2時間程歩かねばなりません。
21世紀の今でもこんな場所があるんだな…」
と言っていたその温泉宿を目指します!


しかし、宿の公式サイトで片道1.5〜2時間(積雪時+0.5〜1時間)、
YAMAPのコースタイムで片道2時間と案内される距離があるのに
(片道4.7kmあるのでそれでも山道にしては速いペースですが)、
バスが遅延した所為で帰りの終バスまで5時間ちょっとしかありません。
温泉に入るとなると中々際どいので
バス路線の途中にある川俣温泉辺りでお茶を濁そうかとも考えましたが…


英語のtravel(旅)とフランス語のtravail(仕事)は
どちらも語源が同じラテン語のtripalium(拷問器具)!
即ち、苦難を乗り越えなければそれは旅とは言えない!
という訳で、可能な限りペースを上げて奥鬼怒温泉郷を目指します。
まずは鉄階段を含む急登からスタート。


尾根筋に出ると林道に合流する分岐が現れます。
林道は距離が1km長くなる代わりに
車が通行可能なレベルにまで除雪されているので、
冬期は林道を歩くよう勧めている案内もありますが…


階段ですれ違った人にラッセルは全く必要無いと聞いたので、
雪による大幅遅れは無いだろうと踏んで登山道を進みます。
折角急登で登ったのにあっと言う間に下ってしまうのか…
下り切って鬼怒の中将乙姫橋で鬼怒川を渡ります。


鬼怒川左岸に渡った後は殆ど勾配がありませんね。
まあ、この積雪でガッツリ急登だったら
アイゼンどころかピッケルも必要になってくるからな…


温泉水でも混じっているのか珍妙な色をした氷柱。
色合い的に綺麗というよりは汚らしいという形容がしっくり来るような…


隣にはもっと澄んだ色の氷瀑もあるようで、
上の奥鬼怒温泉郷から来た団体が観瀑していました。
ちょっと気にはなりますが
今は温泉に浸かることの方が優先度が高いので、
復路で時間に余裕があれば改めて寄ることにします。


おや、この箇所…
写真では何処も彼処も白くて分かり難いですが、
地面に1m前後の大きさの大きな雪玉が散らばっています。
どうも落石に雪が覆い被さっているようですね。
ということは、ここは落石地帯…


この辺りから急激に落石が増えます。
雪だと路面にどのくらい落石が散らばっているか見えないから
危険度を視覚的に判断し難いな…


最終的にゴルジェとなって二進も三進も行かなくなり、
立派な鉄橋2本で無理矢理迂回していました。
結構お金の掛かっている遊歩道ですね。


一瞬のゴルジュを過ぎると今度は急に開けて雪原になりました。
どうなんだ…?そろそろ温泉は現れてくれるのか…?
ペースを上げ過ぎてシャリバテ気味にもなってきたけど…


おおっ!


遂に来た!奥鬼怒温泉郷だ!
しかし、ここは一番手前の八丁の湯。
残念ながら日帰り入浴を受け入れていません。
あと、ここなら送迎があるしな…


目指している日光澤温泉は一番奥なのでまだ1.5kmくらいあります。
ここからは林道歩きです。


この山奥に似つかわしくないほど巨大な加仁湯。
11年前(2014/11/3-4)に泊まったのはここだったな…


林道に出ればあとはすぐかと思っていたけど、
地味に長いな…
お腹も空いたし…
行動食を食べてしまうか…?
いや、でもそろそろ宿が現れそうな気がするし…


おおっ、これは!


辿り着きました!!日光澤温泉です!
女夫渕バス停から1時間40分でした。
慣れない雪道でペースを上げまくったから
温まりたいというよりも汗を流したい。


それでは中に入るぞと扉を開けようとしたら、
中から扉が開けられて可愛らしい柴犬が顔を覗かせました。
看板犬のサンボだそうです。


丁度これから女将さんと散歩に出るのだとか。
女将さんが気を利かせて被写体になるようサンボに促してくれましたが、
そこは柴犬なので中々画角に収まってくれません。


まさか、こんな地で柴犬に出会えるとは…
このサンボ目当てに今度はちゃんと泊まりたくなりました。


前回の加仁湯には居なかったので知らなかったのですが、
奥鬼怒温泉郷の多くの宿には看板犬が居るそうです。
山奥の温泉宿に日本犬は合いますね。


中でも母親とその子の兄弟の3匹の看板犬が居た日光澤温泉は
特に看板犬が宿の代名詞になっていて、
宿のオリジナル手拭いやTシャツにもその姿が描かれています
(母親のチャングは一昨年に亡くなってしまったそうです)。
母親とその兄弟で3匹の柴犬という構成が
(母親が既に亡くなったことまで含めて)うちの愛犬達と全く同じで、
親近感を抱いてついグッズを買ってしまいました。


では、お待ち兼ねの温泉です。
日帰り入浴客は混浴の露天風呂にのみ浸かれます。
貸切状態でした。
雪山を歩いて辿り着いた露天風呂とか最高過ぎる…
鏡が無いので確認は出来ませんが、
この数年で一番良い笑顔になっている確信があります。


ちなみに、露天風呂は2つあって
濁り湯と透明湯の両方を楽しめます。
いや〜極楽極楽…


お風呂から上がるとサンボも散歩から戻ってきていました。
1泊していったらどうだ
みたいな眼で見つめてきますが、
帰らないと明日の行程に大きく響くのでこの辺りでお暇を…


余裕を持ってバスの時刻2時間前に出発します。


行きでは素通りしていた氷瀑。
こちらは澄んでいて綺麗ですね。
夏期は普通の滝になっているのでしょうか?
だとしたらこの遊歩道は沢を渡っているのか?


いつの間にか空が晴れていますね。
雪山だと彩度があるのは青空くらいのものだな…


最後の急登を乗り越えれば…


女夫渕バス停到着です!
バスの時刻の40分も前に着いてしまった。
まあ、終バスだし余裕はあった方が良いか。
周囲を散策しながら待ちます。


山間部に似つかわしくない萌えキャラの工事看板。
手に持っているのはパラボラアンテナ?
調べても情報が出てこないけど通信工事のキャラなのか?


奥鬼怒温泉郷から宅急便の車が下りてきました。
交通困難地指定じゃなくてちゃんと郵便物も届くんだ…
運送業者の皆様には頭が上がりません。


そうこうしていたらバスが来たので帰ります。
15:25発日光市営バス鬼怒川温泉女夫渕線鬼怒川温泉行きに乗車。


打ち上げは温泉街のトンカツ屋で。
肉本来の旨味や甘味を感じられる美味しいトンカツでした。
いやー、冬山というのも良いものですね。
今日のあれを冬山扱いして良いのかは分からないけど。


下野旅行 第1日目

2025年01月11日 | 旅行

今日から三連休。
年末年始は高速道路の休日割引が効かないので
本当は今日までリモートワークで粘って半田に滞在して
日中の時間帯に余裕を持って上京したかったのですが、
年明け早々出張やら出社やらが入ってしまったので
1/5の深夜に上京せざるを得ませんでした。
という訳で、今年初めて関東に居る休日です。


なので、東武伊勢崎線の新伊勢崎駅にやって来ました。
北千住時代の感覚で居たら、
松田からだと鈍行で愛知県に行くのと大差無い時間が掛かった…
まあ、そもそも北千住からですら2時間半掛かるんですが。


冬らしくカラッカラに晴れ渡った上州。
ここに来た目的は…


以前テレビで見てちょっと気になっていた
とあるB級グルメを食べることです。
住宅街の中にある饅頭屋を訪ねてみると…


ありました!神社コロッケです。
嘗て神社の傍の屋台で売られていたことからその名が付いたとか。
饅頭屋で売られているというのがレトロで良いですね。
1個80円という価格設定も平成を飛び越して昭和を感じる。


雰囲気を出すべく裏の赤城神社で実食。
小麦粉が混ぜられているのかホクホクというよりもっちりした食感で、
平べったい形も相俟って揚げはんぺんっぽさがあります。
濃いめに付けた(漬けた)ソースと練り込まれた青海苔が
焼きそばっぽい風味を出していて屋台を感じさせます。
いもフライと言いじゃがいも入り焼きそばと言い、
北関東はじゃがいもとソースを合わせたがりますね。
僕の好みにも刺さりまくっているので気持ちは分かります。


神社コロッケ発祥の伊勢崎神社にも来てみました。
何だか賑わっていますね。
大通りでは出店の準備をしている人達が居たので、
今日は何か縁日でもあるのでしょうか?
神社コロッケも売られるのかな。


高崎近辺に来たということで昼食はパスタ。
席に案内されるまでの待ち時間こそ無かったものの、
注文から料理の提供まで1時間以上掛かると言われて
行程の大幅な組み直しを覚悟しましたが、
ブラフだったのか実際は40分程度で提供されて事無きを得ました。
看板メニューはトンカツが載ったミートソースパスタ(2016/10/21)だけど、
このトマトベースのピリ辛魚介スープパスタの方が美味しいかも。


さて、長い時間を掛けて北関東まで来て
まさかコロッケとパスタを食べて終わりではありません。
ここからまた4時間半掛けて移動します。
関東平野が広過ぎる。
新伊勢崎駅から12:52発東武伊勢崎線普通館林行きに乗車し、
館林駅で13:57発東武伊勢崎線普通久喜行きに乗り換え、
久喜駅で14:33発東武伊勢崎線急行中央林間行きに乗り換え、
東武動物公園駅で14:42発東武日光線急行南栗橋行きに乗り換え、
南栗橋駅で15:02発東武日光線普通東武日光行きに乗り換え。
東武縛りせずJR両毛線でショートカットすれば良かったのではって?
今回運賃を浮かせる為に東武鉄道の株主優待券を使っているので…


下今市駅でSL大樹の入換作業に出くわしました。
一昨年デビューしたばかりのスペーシアXとの新旧の対照が面白い。


スマホを構えた人達に対して転車台でファンサービスしてから
下今市機関区に収まっていきました。


では、本日最後の10本目、
16:52発東武鬼怒川線普通新藤原行きに乗り換え。


17:21、鬼怒川温泉駅に到着。
イルミネーションの対象がまさかの転車台で草。


今日の宿は鬼怒川温泉です。
廃墟の聖地(2019/11/10)とまで言われた時代もありましたが、
最近はインバウンド効果もあって少し盛り返しているようです。


初日の出2025(書きかけ)

2025年01月01日 | 旅行

令和7年になりました。
まだ明けてはいない。


昨日下見しておいた道で鴻の鳥山の山頂に向かいます。
当然のことながら真っ暗ですね。
下見しておいて良かった。


スタンバイして日の出を待ちます。
Googleマップは疎か地理院地図にも情報が無いくらいだし、
今回は我々の貸切状態なのでは!?
と期待したのですが、後から1人だけ他の人も来ました。
日本人の初日の出に注ぐ情熱は異常(自分達を顧みながら)。


30分程待機した後に太陽が顔を出しました。


太陽全体が水平線(地平線?)上に出ました。
が、ちょっと雲が掛かっているのでもう少し待ちます。


という訳で改めまして、
新年明けましておめでとうございます!
本年もどうぞ宜しくお願い致します。


13年連続で初日の出を拝めたというのは本当に有難いことです。
こういう日常がいつまでも続くと良いなと思いつつ、
現状に胡座をかいていてはいけないと
新年を機に改めて自分を律したいところです。


入り組んだ瀬戸内の海岸線の隅々にまで
令和7年の朝陽が染み渡っていきます。


いつも通りたっぷり記念撮影をしたら、
満足して下山します。
帰りの船の時間まで明るい時間帯の鴻島も見て回りたいところです。


磯に降りて集落(?)を眺めてみました。
一般的な民家と比較して隣家との距離を取りたがる別荘と
平地が皆無な島の地形が相俟って、
崖の下やら磯の上やら急坂の中腹やら
普通なら有り得ないような立地にぴょこぴょこ家が建っていて面白いです。


あれ?あの高床式の別荘の両隣にある
ルーローの三角形を縦に引き伸ばしたような建物…
昨日旧・鹿忍グリーンファーム跡で見たあれでは?
あんなに長い脚を持っていたのか…
とすると、水没ペンション村も結構な深さで水没していそうですね。


それでは、そろそろ船の時間なので桟橋に向かいます。


9:30発大生汽船のりなはーれに乗船。


日章旗をはためかせながら元旦の瀬戸内海を滑る船。
心が澄み渡りますね。
手は縮み上がるけど。


9:47、大多府島に上陸。
まだ朝なので帰る訳ではありません。
恒例の観光タイムです。

 

To be continued.


新天地を求めて

2024年12月31日 | 旅行

令和6年も今日で終わりです。
旭丘高の友人達と初日の出を拝むようになって早10年目。
所帯を持つメンバーも増えてきましたが、
それでもこの企画はしぶとく続いています。
じわじわと西進して前々回(2023/1/1)四国に上陸しましたが、今回は…


初めてアプローチに新幹線を用いて岡山県に突入です!
アプローチの別で初日の出を区分すると、
始発列車を使っていた第1期(平成24〜25年)、
大学の友人と行った番外編(平成26年)を挟んで
近鉄の終夜運転と徒歩に頼っていた第2期(平成27〜28年)、
近鉄の終夜運転×松阪レンタカーの第3期(平成29年〜令和2年)、
名駅レンタカー×前夜泊の第4期(令和3〜6年)、
そして今回新時代である新幹線アプローチの第5期に至りました。
新幹線だと必然的にレンタカーと前夜泊もセットになります。
お金に幾許かの余裕が生まれた社会人らしさを反映していますね。


岡山駅前でレンタカーを借りて岡山ブルーラインへ。
いつもの太平洋とは違った穏やかな瀬戸内海が美しい。


道の駅一本松展望園で昼食。
瀬戸内海らしく牡蠣メニューもありましたが、
今後牡蠣を食べる機会がかなりありそうなことを見越して
何故か推されていたオムライスにしました。


食後はYR(常滑民)たっての希望で
併設されていた謎児童公園へ。
在りし日の半田市交通公園を思い出す。


JR山陽新幹線(60kgレール)とJR宇野線(50kgレール)と
JR吉備線(30kgレール)のレール比較とかいう
余りにもマニアック過ぎる遊具(?)がありました。
鉄オタ向けにするには鉄道から遠くない?(最寄駅から8km)


展望台からちょっと面白いものも見えたので、
時間もあることですし寄り道してみます。


これが何か分かるでしょうか?
堤防…なのはその通りですが、どういう用途の堤防かという話です。
正解は塩田用の締切堤防。
この錦海湾には500haの干潟が広がっており、
それを利用して昭和30年代に日本最大級の塩田が造成されていました。
一時は日本国内で塩をだぶつかせるほど製塩していたとか。


その広大な塩田跡地には現在、
国内2位の規模を擁する瀬戸内Kirei太陽光発電所が置かれています。
その出力235MW。
…と言うととんでもない出力のようにも見えますが、
ここまでしてやっと古い火力発電所1機分くらいなんですよね
(廃止された昭和41年運転開始の武豊火力発電所1号機が220MW)。
Googleマップの口コミを見ると
「きれいな、瀬戸内に、こんな自然破壊は、許せません
みたいな人が大量発生していますが、
なら火力発電所を容認するのか?という。
ちなみに、原発なら1機でこの5倍(1GW)くらいがデフォルトです。


社会問題で頭に血を上らせる厄介おじさんにならないよう、
発電所の批評はそこそこにして真の目的地に向かいます。
水路の隣に車を停めて堤防を歩いていくと…


ありました!
旧・鹿忍グリーンファーム跡、通称水没ペンション村です!
まるで水面にペンションが浮いているかのような不可思議な光景は
一体どのようにして生まれたのか?


ここも嘗ては錦海湾と同じく塩田がありましたが、
錦海湾に巨大塩田が出来たことによりこちらの塩田は一足先に廃止され、
その跡地利用として当時流行っていた別荘地開発が
昭和50年代にかけて行われました。
塩田に海水を引き入れる為に地盤が海水面よりも一段低くなっていたので、
現役当時はポンプで排水して姿を保っていました。


しかし、バブル崩壊辺りでペンション村は放棄され、
平成20年頃から排水ポンプが機能しなくなったのか水が溜まり始め、
今では外の海面と同じ高さまで水に沈んでしまっています。


別荘地らしくゴルフ練習場らしき残骸も。
何もかも水没しているところにポストアポカリプス感があります。
錦海湾のメガソーラーも放棄されたらこんな風になるのだろうか。


馴染みのある構造物が無くて
どれくらいの丈まで水没しているかが良く分かりません。
水面スレスレの位置に扉のような物が見えるから、
案外そんなに水深は深くないのか?
とも思いましたが、後ほど頑張ってネットの海から
水没前の写真を数枚サルベージして確認したところ、
ペンションは高床式に近い構造になっているらしく、
あの扉は2階に相当する位置に付けられているようです。
なので、確実に溺れる深さがあります。

ここからは完全に想像の話ですが、
現役当時から水没に対するリスクは少なからず意識されていて、
万が一就寝中に高潮やポンプの故障が原因で海水が流入しても
溺れないよう居住スペースは海水面より高い2階以上にして、
1階はガレージか何かに充てていた、
というところではないでしょうか。


完全に負の遺産と化した鹿忍グリーンファームを後にしてもう一つ、
瀬戸内の負の遺産を見に行きます。
「人間回復の橋」こと邑久長島大橋を渡って長島に渡ると…


長島愛生園、全国に13ある国立ハンセン病療養所の一つです。
ハンセン病は発症すると非常に特徴的な外観を呈する為、
感染力が非常に弱いにも関わらず忌避の対象とされて
法律上平成8年まで半永久的な強制収容が認められていました。


今では特効薬も開発され治る病気となったハンセン病ですが、
あまりにも長期間社会から隔離されてしまった為に
今更追い出されても行く場所の無い患者も多く、
平成30年時点で164名の入所者が暮らしているそうです。


長島には資料館や史跡がありますが、
コロナ禍以降予約無しでの訪問は出来なくなっているようです。


長島の近くに初日の出遥拝候補地として考えていた場所があるので、
そちらの方も寄ってみます。
これまた細い上に急勾配の道だな…
対向車が来たらと思うと恐ろしい。


辿り着いたのは夕立受山園地です。
山頂で雨乞いをしたところ夕立が降ったことから
この一風変わった名前が付いたのだとか。


日生諸島の島々と牡蠣の養殖筏が綺麗に見えます。
初日の出とは相性の悪そうな名前ですが、
面白そうな眺めが期待出来そうですね。


案内看板によると木造の展望台よりも先に
まだ見晴らしポイントがあるらしいので、
視察がてら行ってみます。


うへぇ…
かなり藪漕ぎチックな道だな…
おちょぼ岩(2019/1/1)を思い出す。


おっ、ここか!


断崖に突き出した岩場の見晴らしスポット。
南東方向に開けているので初日の出にもうってつけですね。
暗い中藪漕ぎしないといけないのは面倒ですが。


良く見ると、手前から2番目の島には
山肌に張り付くようにして建つ家が
集落を形成するでもなくてんでんばらばらに散らばっています。
他ではあまり見ない珍しいタイプの島ですね。
あそこが我々の今回の遥拝地です。


新幹線まで使ったから余裕綽々だろうと構えていたら、
寄り道し過ぎて時間がギリギリになってきたので急いで戻ります。
いつまで経っても大人の余裕が生まれないのは何故なのか。


スーパーマーケットで買い出しを済ませて
日生港にやって来ました。
ヤバい、船が出るまで後10分も無い!


待合室や乗船券売り場が見当たらないけど、
取り敢えず船に乗り込めば良いのか…?
国道が海ギリギリを通っていて全く余白の無い土地の使い方です。


間に合った!
16:40発大生汽船のりなはーれに乗船。


木目調のえらくお洒落な船内。
JR九州みを感じると思ったらやっぱり水戸岡瑛二監修なんですね。


潮風に吹かれまくる甲板まで木が基調になっているんですが、
耐久性は大丈夫なんですかね…?
まあ、木造船もあるくらいだしちゃんと防水処理すれば良いのか?


穏やかな瀬戸内海を滑るように進みます。
波は全然無いのですが、風は思ったより強いですね。


家々が張り付く例の島が見えて来ました。


16:55、鴻島に上陸。


オーナーが夫婦で迎えに来ていたので、
2台の軽自動車に分乗して宿に向かいます。


これはまた小島らしい無理矢理な道…
転げ落ちそうな急勾配とヘアピンカーブで
山を登っていきます。


山の上にあるこのペンションが今回のお宿。
鴻島は鹿忍グリーンファームと同じくらいの時期に別荘開発が進み、
その後一時期は放棄されて空き家だらけになっていたのですが、
景観の良さに目を付けた三和開発コンサルタントという会社が
廃別荘を改築して低価格で売り出したところ移住者が激増。
「日本のエーゲ海」とも呼ばれ俄かに活気付いています。


急斜面に建っている物件が多いだけあって確かに眺めは抜群です。
正直一軒欲しくなっている自分が居る。
せめて阪神勤務なら…


鴻島は不動産会社によって開発が進められたということもあって
島内を縦横無尽に走る車道の多くが私道なのか、
Googleマップは勿論、地理院地図ですら頼りになりません。
初日の出を拝めそうな地点の目星はあるのですが、
ちゃんとアプローチ出来るかが不安なので
今日の内にkuniとロケハンしておきます。


案の定地図に無い道がある…
部外者を撹乱しようとしているのかな。


登山口を発見したのでここから歩きます。
まだ軽トラなら走れそうな林道っぽい道。


で、登山道になって…


おっ、開けた!


鴻の鳥山(標高147.2m)登頂です!
木が切り払われていて眺めが良いです。


令和6年の残照。


夕焼けがあちらの方角ということは、
日の出はこちらの方角のようですね。
この分なら地形的にはちゃんと拝めそうで一安心です。
ペンションに戻ります。


今年最後の晩餐は手作りブリ鍋です。
魚は3柵分の刺身含めて全部僕が切りました(料理出来るアピール)
ウシュアイア(2016/3/7)を思い出す。
皆で自炊という夜も楽しくて良いですね。