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sou16の物理学的な週末 ~sou16's Physical Weekends.

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雨中行軍!白馬鑓ヶ岳 第2日目

2024年07月15日 | 登山


4:47、起床。
さて、今日の行程はどうするか…
正直、僕にしてみると最大の目的は白馬鑓温泉だったので
もうここで踵を返しても良いのですが…
天気予報や天気図を見てみると、
午前中は小康状態で午後から大荒れの模様。


ここまで来て小屋泊だけして帰るのは勿体無い!
という意見があり、今の内にサッと山頂まで往復しようという話に。
小雨はずっと降っていますが、
果たして保ってくれるでしょうか。


雨だけの所為なのか定かではありませんが、
コース上に幾つもの滝が現れます。
普段なら濡れないように気を付けるところですが、
今は水濡れに対して実質無敵状態なのでざぶざぶ進みます。


でも、鎖場は怖いな…
鑓の名を付けているだけあって中々険しいです。
晴れていれば大したことない難易度でしょうが。


この辺りの雰囲気はちょっと水平歩道(2023/10/14-15)っぽいですね。
下ノ廊下手前で撤退を余儀無くされた
あの時の景色を重ねてしまっているのでしょうか。


鎖場地帯を抜けて大出原に出ました。
ここも晴れていればお花畑を見ながら休憩出来るそうですが…


手短に軽アイゼンを装着してこのルート最後の雪渓を登ります。
何処からか硫黄の臭いがしてくるけど、
火山ガスでも出ているんだろうか。


登るほどに風が強まってきて稜線の近さを感じます。
これ、尾根は結構な強風が吹いているっぽいな…


鑓温泉分岐に到達。
やっぱり風が強い!
少しでも風を凌げる地点を探して小休止します。


それでは、山頂に向かって最後のアタックです!
吹き荒ぶ暴風と雨に耐えながら歩を進めていきます。
立山(2019/7/20)を思い出すな…
鑓ヶ岳を名乗っているにしては稜線は鎖場も無く穏やかですね。
まあ、この暴風雨の中でちゃんとした鎖場や岩場が現れたら
撤退不可避なのでそれ自体は良いことですが。


最後の急登を詰めれば…


白馬鑓ヶ岳(標高2,903m)登頂です!
眺望は当然の如くゼロだけど達成感が凄い。
確実に、一人では決して成し得なかった登頂です。
隊の意見に流された帰結とも言える訳で、
手放しで喜んで良いのかどうかは分かりませんが…


あまり長居すると低体温症になりそうなので、
記念撮影と栄養補給を済ませたら下山します。
午後は発雷確率が50%もあるらしいので。


今回は姿を拝むことすら叶わなかった不帰キレット。
いつかリベンジしてやる…!


今日も今日とて温泉を心の支えに歩きます。


しとどに濡れた鎖場。
こういうのは登りより下りの方が圧倒的に怖いんだよな…


緊張感を強いられる場面に
遥か高みから彩りを添えてくれるニッコウキスゲ。
文字通り高嶺の花ですね。


昨日より今日の方がコースタイムはずっと長いですが、
変化に富んだコースだからか不思議と昨日よりも疲れていません。
雨の中登山するこの状況に慣れたというのもあるのでしょうか。


花を愛でる余裕も出てきました。
コオニユリとニッコウキスゲが綺麗です。


大崩壊した雪渓が横目に現れたら…


白馬鑓温泉小屋帰着です!
小屋に着いてから10分程で雨が滝のように激しくなってきたので、
正に間一髪のところでした。
もし少し遅れて鎖場のところでこの雨に打たれていたら…


何はともあれ今日も生きているので温泉に浸かります。
露天風呂を貸切状態で楽しめるのも、
温泉がこれだけ沁みるのも、
ある意味この天気あってのもの…なのかも知れません。


白馬鑓温泉小屋に連泊する人は珍しいのではないかと思うのですが、
連泊すると夕食のメニューを変える配慮をしてくれるようです。
我々だけハヤシライスではなくトンカツになっていました。
もしかして、スタッフ用の料理の流用だったり?

美味しい料理に齧り付いていると、
今日登ってきた長野県警察山岳遭難救助隊の方が
宿泊者に対して注意喚起を行い始めました。
この天気に登山道はあの状態だし、
遭難事故が起きることを見越して駐在するのも宜なるかな。
まあ、我々はもう下山するだけなので特に関係は…

「猿倉までの県道も雨量規制で通行止めになる可能性があり、
そうなるとタクシーやバスは上がって来れないので
徒歩でゲートまで下ってもらうことになります、注意して下さい」

…え?
そう言えば、確かに連続雨量80mmに達すると
通行止めになるという標識があったな…
今の連続雨量は…93mm?
93mm!?
あっ!今日16:30の時点で既に通行止めが始まっているだと!
レンタカーが猿倉の駐車場に停めてあるんだぞ!
これじゃあ閉じ込め状態じゃないか!
一体どうすれば…


雨中行軍!白馬鑓ヶ岳 第1日目

2024年07月14日 | 登山

昨夜は喧々諤々の議論をした挙句結論が出なかったので、
それならば条件を定めて明朝機械的に判断しようということに。
その条件分岐とは、

・条件A:大雨注意報・強風注意報が発令されていない
・条件B:発雷確率が20%以下
 ├→A、Bのいずれかを満たさないならば登山中止
 ↓
A、Bの両方を満たすならば猿倉登山口まで移動し、
・条件C:猿倉荘で登山道の状況を確認し、通行可能との情報を得る
 ├→条件を満たさないならば登山中止
 ↓
条件を満たすならば白馬鑓温泉小屋に電話し、
・条件D:登山道が通行可能であるとの情報を得る
・条件E:白馬鑓温泉小屋に空室がある
 ├→D、Eのいずれかを満たさないならば登山中止
 ↓
D、Eの両方を満たすならば登山決行

※注意(自戒の念を込めて)
上述の条件はこれを満たしていれば登山の安全が保証される
というものでは決してありません!
今回のようにメンバー内で意見の相違が生じているような場合は
原則として速やかに登山計画を中止して下さい!

さて、まず天気予報の確認をしてみると…
条件AとBは満たされていますね。
なら取り敢えず猿倉までは行ってみるか…


1年振り(2023/7/22)の猿倉荘。
三連休だというのにガラガラです。
まあ、常識的に考えてこの天気予報なら登山なんかしないよな…
既に小雨がパラついているし…


猿倉登山口が空いているのにはもう一つ理由があって、
実は去年使った大雪渓ルートが
クレバスの多発により通行止めになっているのです。
大雪渓ルートは平成28年9月に史上初の雪不足原因で通行止めになり、
実は去年も8月末に同様の理由で通行止めになっていたのですが、
今年は何とシーズン開幕から通行止めという異例の事態に。
地球温暖化の影響でしょうか。
もしかすると、去年が夏に大雪渓ルートを通行出来た
最後の年になってしまう可能性も…

それはそれとして、猿倉荘で登山道の状況を確認します。
曰く、
「白馬鑓温泉ルートなら幾つか雪渓は残っているけど、
軽アイゼンがあれば普通に通過出来るよ。
雨だから気を付けなさいよ。」
とのこと。
山行中止の圧は一切無く、「行きたいなら行けば?」
という雰囲気を犇々と感じます。
ということは…条件Cも成立なのか?

では、最後の条件分岐として白馬鑓温泉小屋に電話をします。
その結果は…
「白馬鑓温泉ルートの通行に支障はありません。
当日予約の手数料として2,000円が掛かりますが、
白馬鑓温泉小屋の予約を取ることも可能です。」


条件D、Eも成立…となれば必然的に登山決行となる!
私情を差し挟まず機械的に決めようと言った手前、
こうなればもう行くしかありません。
え?結局お前は行きたいのか行きたくないのかどっちなんだ、って?
そりゃあ、こんな天気ではぶっちゃけ行きたくないですよ…
2〜3人の山行だったら確実に中止していました。
しかし、絶対に登山したいという強い思いの人も居るし、
6人を前に意見を押し通せる程の圧は持てない…
…この感じ、歴史に刻まれた数々の失敗事例を彷彿とさせるけど、
果たして我々は生還出来るのか。


雨は止むどころか勢いを増していく一方です。
それと反比例して隊の士気は萎えていく一方です。
こんなに精神に来る山行はワンゲル部(2013/6/15-16)以来だぜ…


最早沢と化している登山道。
沢登り企画かな?
写真撮影の気力も湧かないので自然とペースが上がり、
雨具の中は汗なのか雨なのか分からないほどビショビショ、
混乱してそれならば脱いでしまえと脱いだら
ちゃんと雨具は機能していたみたいで余計にずぶ濡れになり、
徒に体力を消耗するだけの結果に。


物理的にも精神的にもずぶ濡れの山行に
文字通り花を添えてくれる白馬の高山植物達。
ニッコウキスゲと言えば今年は霧ヶ峰が当たり年だそうですね。


この辺りも晴れていれば凄く爽やかな休憩適地なんだろうな…
今は樹林帯を抜けると諸に雨を受けるので足早に抜けます。


小さな池を湛えた小日向のコル。
静止画で雨の降り方を伝えるのは難しいですが、
荒れる水面で土砂降り具合が分かるでしょうか。
そして、この地点が白馬鑓温泉までのおおよそ中間地点。
引き返すならここが最後のチャンスです。
リーダー(今回は僕がリーダーではありません)へ
改めて判断を仰ぎましたが、登山続行に。


コルを越えると後立山連峰の稜線がうっすらと見えてきました。
ここへ来て初めてと言って良い展望です。


あっ!
雪渓の脇に白馬鑓温泉小屋が見える!
あそこまで辿り着けば熱い温泉が待っている…!


目的地が見えて俄にやる気が出てきました。
雨は依然として降り頻っていますが、
見果てぬ温泉への夢を心の拠り所に歩き続けます。


真っ白い雪が詰まった杓子沢と、
それと対照的な真っ黒い落石沢。
まるでソリモンエス川とネグロ川の合流です。
どちらもおどろおどろしい…


落石沢という名前からして危険地帯の沢も
当然越えなければ温泉に辿り着けません。
雨で地盤が緩んでいるだろうし、尚のこと怖いな…


まずは杓子沢の雪渓を越えます。
落石沢の衝撃で霞みがちですが、
こちらも中々の危険地帯です。


軽アイゼンを持ってきてあるのでここは危なげなく通過。
地球温暖化の影響があるのか、
元々のルートよりもかなり下まで迂回するルートが付けられていました。
ここもその内通行不可能になったりするのでしょうか。


そして、次が落石沢です。
断続的にサラサラ、パラパラ、ガラガラと落石の音が聞こえてきます。
タイミングを計って一気に通過せねばなりません。


今だ!通過!
足元の悪いトラバースで滑らないよう気を付けつつも、
可能な限り滞在時間を短縮出来るように足早に進みます。


落石沢を越えると、雪の影響でひん曲がった木が目立つようになります。
如何にも豪雪地帯らしい景観です。


フキやゼンマイなど美味しそうな山菜も増えてきました。
摘んで天ぷらにして信州らしく蕎麦と一緒に頂きたい。


今度は白い落石で埋め尽くされた鑓沢。
こう見えて落石の下は雪渓です。


落石が途切れるとまた大きく下ってから横断します。


尾根筋を越えるとまた雪渓。
ここは下を流れる沢によって特に大きく抉れており、
今度はかなり上まで巻く必要があります。


で、この巻道がとにかく危ない!
細かい砂利から成る側堆石が雨を吸収していて
踏み締める毎に崩れて滑り落ちていきます。
下山時までルートが残存しているかさえ不安になる脆さです。


話を聞いた限りだと雪渓通過はこれが最後…?


最後の沢には雪渓がほぼ無く、
木橋によって沢を越えることが出来ます。
何故この沢だけ例外的に雪が少ないのか?


それはこの沢、湯ノ入沢には温泉が混じっているからです。
仄かに硫黄の臭いが漂い、
石には湯の花が沈着しています。
これは温泉小屋も近い証拠…!


コンクリートのような湯の花の斜面を登れば…


着いたぞー!!
標高2,017mの天空温泉、白馬鑓温泉小屋に到着です!
本当に辛い道のりだった…


昨日今季の営業を開始したばかりの白馬鑓温泉小屋。
三連休にも関わらずテント場には一張もテントがありません。
部屋も閑散としています。
ある意味快適…かも。


この小屋は雪崩による倒壊を避ける為に
毎年冬になると解体しているからか
付近の他の小屋にはある乾燥室が無く、
雨に濡れた装備は軒先に干す他ありません。
これは山行中ずっと濡れたままになりそうだな…


しかし、この際そんなことは瑣末な問題です。
ここには何と言っても源泉掛け流しの露天風呂があるのです!
ずぶ濡れになって冷え切った心も身体も芯から温めてくれます。


それをこの絶景の中で堪能出来るんですからね。
贅沢過ぎる…
頑張って良かったなぁ…


一風呂浴びて身体を回復させたら、
軒先でコーヒーを淹れたりして一服します。
雨音を聞きながらの一服も良いものです。
ただ、この頃には五月蝿いくらいの豪雨になっていましたが。
間一髪だったな…


温かいお風呂に温かいご飯、それに温かい寝床。
これが幸せというやつですね。
…では、明日の行程について話し合わなくては。


決断こそ人生

2024年07月13日 | 登山

まだ梅雨が明けていないので夏山シーズンと言えるか分かりませんが、
夏の連休とあっては登らない訳には行きません。
という訳で、今日から会社の登山部で
今季初の泊まり掛け登山に挑みます!


7人で車を借りて長野県の白馬村までやって来ました。
今日は純粋な移動日なので、登山は明日からです。
しかし…
まるで嫌がらせのような梅雨前線…
元々は日本三大キレットの一つ不帰キレットを攻める計画だったけど、
この天候で強行すると原義通り五体満足では帰れなさそうだし、
最早代替案である白馬三山縦走すら決行出来るか怪しい…
果たしてどうしたものか…


乾徳山

2024年06月22日 | 登山

先月(2024/5/18)は仕様も無い理由で
今季初登山の機会を逃していましたが、
再び登山のチャンスが巡ってきました。
今度こそ登ります。


という訳で、松田から2時間掛けて
山梨市の徳和駐車場にやって来ました。
前回の反省を活かして、今回はちゃんと駐車場情報を調査済です。
そもそも車を使わずに公共交通機関で行けって?
松田町から山梨県は公共交通機関だと
一度東京都を経由しなければならないくらい大迂回を強いられるので…
塩山駅から路線バスでアプローチしてきた
会社の登山部の人達と合流します。


30分ほど林道を歩いていざ入山です。
今回は鎖場の練習に最適と名高い乾徳山に登ります。


ところどころ登山道が荒れている箇所があります。
去年の梅雨前線豪雨の爪痕でしょうか。
実は乾徳山最短コースの大平牧場登山口への市道も
路肩崩壊の為未だに通行止めとなっています。


奥能登国際芸術祭の作品(2023/6/11)みたいになった小屋。
これも去年の大雨の影響?
良くこんな姿勢を保っているな…


暫く登っていると不意に草原に出ました。
扇平のようです。
白樺が立っている草原ということで何か北海道を思い出す…


この開けた扇平にあるのが月見岩。
お誂え向きのクラックが何本も入っていて
登ってくれと言わんばかりの岩です。
この先から本格的な岩場が始まるので
肩慣らしに登ってみましょう。


今日は満月なので月は見えませんが、
富士山は綺麗に見えました。
この扇平は富士山が見えるように野焼きでもしているのでしょうか?


扇平にあるもう一つのネームド岩の手洗石。
溜まっている水が汚過ぎて絶対に手を入れたくない。
もしかして、ここの水で手を洗うんじゃなくて
汚いから触ったら手を洗いましょうってこと?
それとも、手洗いって便所のことを指している?


扇平を過ぎると俄に岩が増えてきました。


いよいよ鎖場のお出ましです。
とはいえ、この辺りはまだ鎖が無くても楽勝ですが。


ただ、嫌らしい位置に倒木があったりして
無駄に難易度を上げています。


名物の髭剃岩。
ここを通るとあまりの狭さに皮膚が岩に擦れて
髭が剃れてしまうことからその名が付いたとか。
太っていると通れないので別名肥満度チェック岩
と僕が勝手に呼んでみました。


肥満体ではないことを証明する為に通り抜けます。
成人男性の骨盤より幅が狭いから
構造的に蟹歩きを強いられるのが辛い。


ちゃんと抜けました。
肥満度チェック合格です。
ちなみに、抜けた先は崖になっているので往復する他ありません。
注意しましょう。


さあ、矢継ぎ早に岩場が出て来ますよ。
岩の形状的には大した難度ではないのですが、
登山者が多い所為で岩の表面が摩擦で磨かれており、
光を反射するほどツルツルになっているので滑り易いです。


富士山に見守られながら登っていきます。


お次はカミナリ岩。
岩の形を稲光に喩えたのでしょう。
ここも難易度としてはそこそこです。
しかし、次に現れるのが…


これこそ乾徳山の知名度を押し上げた名岩、鳳岩です!
石材を切り出したかのように平らな高さ20mの巨岩。
そこに入ったクラックを頼りに攀じ登るという
中級者向けの山にあるまじきポイントなのです。


その難度故に断念する人も居ますが、
この鳳岩だけは迂回路が付けられていて
登攀しなくても山頂を踏むことは可能です。


が、勿論我々は直登します。
鳳岩を登る為にここまで登ってきたようなものですから。
鎖無しで登ろうと挑戦してみましたが、
クラックの上部が細くなっていて登山靴を捻じ込めない上に
例によって摩耗してツルツルになっているので、
最後は鎖を使って腕力に頼らざるを得ませんでした。


踊り場から更にもう一段登れば…


乾徳山(標高2,031m)登頂です!
無事にメンバー全員が鳳岩を制覇出来ました。
一般ルートにしては相当に手強い岩だった。
ただ、高度感は無いのでその点は練習に良いですね。
落ちたら骨折くらいはするでしょうが。


絶景を眺めながら暫し昼食休憩。
バーナーの点火装置が壊れているのに
マッチもライターも持ってくるのを忘れるという大失態を犯して
一人失意に沈んでいました。


路線バス組は帰りの終バスの時刻が厳しいので、
昼食を摂ったらすぐさま山頂を後にします。
鳳岩を下るのは厳しいので、北側から下りて周回コースを取ります。
こっちもそれなりに険しい。


こちらの道は鎖場が少ない代わりに
急勾配のガレ場が続きます。
一長一短ですね。


国師ヶ原にある高原ヒュッテまで下ってきました。
無人の避難小屋とは思えないほどお洒落な小屋です。
ガレ場の通過に予想以上の時間を要してしまい、
既に終バスまでの下山は絶望的になってしまいました。
仕方無いので、タクシーを呼ぶ前提で焦らず下山します。


という訳で、無事下山しました。
マイカーで来ていた他の登山者はもう殆ど帰っていますね…
コースタイムから大幅に遅いとかいう訳でもないんだけど。
乾徳山は路線バスの始発便が結構遅いので、
公共交通機関での登山にはあまり向きませんね。


この後は塩山駅前で温泉と打ち上げを済ませてから
S2000を2時間駆って松田へと帰りました。
今季初登山は中々登り堪えのある山で良かった。


棒ノ折山

2024年01月14日 | 登山

冬は登山をし難くどうしても身体が鈍りがちなので、
今日は会社の登山部の人と低山登山をしに行きました。


JR青梅線川井駅にやって来ました。
ホームから立派な斜張橋の奥多摩大橋が見えます。


9:32発西東京バス奥31系統清東橋行きに乗り換え。
新松田からだとこれが限界です…
遅めの時間だからか貸切状態でした。


清東橋バス停に到着。
ここから歩きます。
雨飾山(2023/10/22)をS2000でアプローチするなら
奥多摩くらいS2000で行けって?


昨日雪が降った所為で路面が凍っているんですよ…
FR車は滑りやすい路面に弱いので。
何なら四駆でも走りたくないくらいツルッツルに凍っています。
無用のリスクは避けるのが登山の鉄則です。


快調に林道を登っていきます。
結構上の方まで舗装路なんですね。
…いや、幾ら何でも舗装路が長過ぎないか?
あっ!遥か手前で登山口を通り過ぎているじゃないか!
何という失態…


大分手前のこんな位置に登山口がありました。
体力だけでなくルートファインディング力も鈍っているな…


里山っぽい道を登っていきます。
この辺りはワサビ畑でしょうか?
本来の登山道が台風で被害を蒙ったので、
地権者のご厚意でここに登山道を通しているようです。


尾根筋に出ると積雪がありました。
緩やかな斜面×人工林×積雪とかいう
ルートファインディングのハードモード。
ルートファインディングの訓練と思って慎重に進んでいきます。


無事に棒ノ折山山頂(標高969m)に到着。
道中全く人の気配が無かったので貸切状態かと思いましたが、
3〜4組のパーティが居ました。
奥多摩側ではなく秩父側から登る方がメジャーなのでしょうか?


山頂からの眺め。
後一歩感が凄い。
冬で落葉しているからまだ枝越しに見えますが、
夏だと木で遮られてしまいそうですね。
ただ、写真で収めようとすると微妙ですが、
実際には結構開放感があります。
今回はバーナーとガス缶を持ってきたので、
緑茶を沸かして羊羹とこの景色をお供に一服します。
冬の透き通った空の下のお茶会は優雅ですね。


下山路はちょっと悩みましたが、
清東橋バス停はバス本数が極端に少ないので
秩父側へ下りることにしてみます。
北側の斜面になるからか雪が多いですね。
ただ、踏み跡を見るにここを通る登山者は多そうです。


が、メインルートである白谷沢コースは
ゴルジュが凍結していそうなので避けて
湯基入(とうぎり)コースを選んでみたところ、
いきなり道が不明瞭になりました。
落葉が殆ど除けられていない上に赤テープも小さく見難く、
登山道が付けられているコースにあるまじき
高難度ルートファインディングです。


丸太橋も崩落しているし、
半分廃道化しているような…
よっぽど不人気なコースなのでしょうか。


湯基入林道に出ました。
後は林道を下っていくだけです。


が、その林道も崩落している!
ガッツリ復旧工事をしているので廃道という訳ではないようです。
もしかして、奥多摩側にも被害を与えていた台風の影響でしょうか?
幸い作業道があったのでそれで沢を越えることが出来ました。


何だあのカブトガニみたいな構造物!?
…グランピングの施設なのか。
秩父にもそういうのがあるんですね。
ちょっと面白そうと思わないでもありませんが、
1人1泊3.3万円からと聞いて諦めました。
涸沢ヒュッテ(2023/10/6-7)の2.5倍超じゃないか…


普通の温泉旅館もありました。
上のグランピング施設もこの旅館の別棟という扱いのようです。
この付近、温泉の湯気の影響なのか
今日通ってきた道の中で一番カチコチに凍結していて、
登山靴を履いて歩くのでもすっ転びそうです。
立地的に車でのアクセスになると思うんだけど、
この道を運転するのは正直嫌だな…


何はともあれ名栗川橋バス停に到着して無事に下山。
この後は国際興業バスで東飯能駅まで出て帰りました。
体力だけでなくルートファインディング力の訓練にもなる
良いトレーニング山行だった。