「週刊金曜日」2006 №626 10/13掲載の李 修京さんの「北朝鮮核実験に対する武力対応回避の知恵を」というタイトルの記事の中には
「…韓国は非常警戒令が敷かれ、日本の自衛隊はすでに同様の警戒態勢に入っている。国連ないし米国はその協力姿勢にある日本・韓国と連携し、軍事力行使も辞さないと表明するかもしれない」という(soroの気になるような)ことが記されていました。
soroは、(そんな記事を読みながら)スタンリー・クレイマー監督の映画「渚にて」を、ふと思い出してしまいました。 ところで、李さんは、この記事の最後の部分で、
「何より重要なのは、北朝鮮の挑発的行為がこれ以上の効力を持たないように非核化システムを作らなければならないことだ」と、(マスコミがあまり触れていない)とても重要な指摘をされ、さらに続けて、「そのため、『弱者が生きる術として核を保有する』という口実を与えた諸国家、すなわち、すでに核を持っている米・ロ・中・英・仏・印・パキスタンなどによる自省の行動も必要である。
そうでなければ、核拡散を阻止する名分は存在しなくなる。特に核大国として『世界の警察国』と称される米国は責任を持って国際社会に賢案を提示すべきだ」と訴えられていました。
今年の8月31日、アメリカは、ネバダ核実験場で、23回目の臨界前核実験を実施しました。そのことについてアメリカは、「核爆発を伴わずに備蓄核兵器の安全性と信頼性を保つため、臨界前核実験は欠かせない」と弁明していますが、結果的には、北朝鮮に核兵器開発の口実を与え、核不拡散体制をますます危機的状況に陥れてしまっています。
そんなアメリカは、北朝鮮への制裁を国連安保理に提案する前に、広島・長崎への原爆投下と、自国が繰り返し実施したこれまでの核実験を総括したうえで、核兵器廃絶へ向けた「賢案を提示」すべきだったのではないでしょうか。
p.s. 一夜明けて、今朝(16日)の東京新聞を見たところ、その第一面に、「核兵器保有『議論を』 中川政調会長が指摘」というタイトルで、「自民党の中川昭一政調会長は15日の民放テレビの報道番組で、北朝鮮の核実験発表をうけ、日本の核兵器保有について『議論は当然、あっていい。憲法でも核保有は禁止していない。核というものはあることによって、攻められる可能性は低い、あるいはない。やればやり返すというという議論はある』と、議論は必要との考えを示し」さらに、
「北朝鮮の核爆発実験実施発表について、政府が提示している周辺事態の類型に該当すると指摘。…周辺事態認定後の自衛隊による船舶検査についても、『できる。必要があればやる』と強調した」と報じられていました。
soroは、(昨日このエントリーにも記したように)「北朝鮮の核爆発実験実施」に対する安倍政権と与党の対応が気になっていたのですが、政府与党は、最悪の選択肢を選ぼうとしているようです。恐ろしいことが起こりそうでとても不安になってきました。(v_v)