悪魔名:ルシファー
本当の名前:ルキフゲ・ロフォカアレ
サタンとルシファーは別物である
ルキフゲは地中に潜む財宝を見つけ出す悪魔とされていた
ルシファー(Lucifer、ルキフェル、ルシフェルとも)は、明けの明星を指すラテン語であり、光をもたらす者という意味をもつ悪魔・堕天使の名である。キリスト教、特に西方教会(カトリック教会やプロテスタント)において、堕天使の長であるサタンの別名であり、魔王サタンの堕落前の天使としての呼称である。
「ルシファー」は英語からの音訳で、古典ラテン語読みではルーキフェル、ルキフェル(羅: Lūcifer)、教会ラテン語読みではルチフェル、その他日本ではルシフェル(仏: Lucifer, 西: Lucifer, 葡: Lúcifer)、ルチーフェロ(伊: Lucifero)、リュツィフェール(露: Люцифе́р)などとも表記される。
キリスト教の伝統においては、ルシファーは堕天使の長であり、サタン、悪魔と同一視される。神学で定式化された観念においては、悪魔はサタンともルシファーとも呼ばれる単一の人格であった。
悪魔にルシファーの名を適用したのは教父たちであった。たとえばヒエロニムスは金星を指すラテン語であったルーキフェルを、明けの明星としての輝きの喪失に悲嘆することになる、かつて大天使であった堕天使長の名とした。この光の堕天使としてのルシファーの名がサタンの別称として普及したが、教父たちはルシファーを悪魔の固有名詞としてでなく悪魔の堕落前の状態を示す言葉として用いた。キリスト教の伝統的解釈によれば、ルシファーは元々全天使の長であったが、神と対立し、天を追放されて神の敵対者となったとされる。「ヨハネの黙示録」12章7節をその追放劇と同定する場合もある。
天使たちの中で最も美しい大天使であったが、創造主である神に対して謀反を起こし、自ら堕天使となったと言われる。堕天使となった理由や経緯については様々な説がある。神によって作られた天使が神に背いて堕天使となったという考えは、旧約偽典ないしキリスト教黙示文学の『アダムとエバの生涯(英語版)』にみられる。その中で悪魔はアダムに向かって、自分は神の似姿として作られたアダムに拝礼せよという命令を拒み、そのために神の怒りを買って天から追放されたのだと語る。『クルアーン』にもこれに類似した話があり、イブリースは粘土から作られたアダムに跪拝せよという神の命に背いて堕落したと数箇所で述べられている。キリスト教では悪魔は罪によって堕落した天使であるとされ、オリゲネス、アウグスティヌス、ディオニュシオス・アレオパギテス、大グレゴリウス、ヨハネス・ダマスケヌスらは天使が罪を犯すという問題について論じた。大グレゴリウスやセビーリャのイシドールスは、罪を犯して堕落する前のサタン(=ルシファー)はすべての天使の長であったとし、中世の神学者たちも、サタンはかつて最高位の天使である熾天使か智天使の一人であったと考えた。
イザヤ
イザヤ書の聖句は第一義的にはバビロンの王を指しているものであるが、アウグスティヌスはこれは預言者イザヤが悪魔をバビロニアの君主の人格をもって象徴的に表していると説明している。ビリー・グラハムはここにルシファーの5つの「私は行おう」という罪が見られると解説している。
エゼキエル
エゼキエル書28章12-17節は堕落前のルシファーの輝かしい記録と言われている[11]。エゼキエル書28章1-10節はティルス(ツロ)の君主、12-19節はティルス(ツロ)の王である。ここでティルス(ツロ)に述べられている
イザヤ
イザヤ書の聖句は第一義的にはバビロンの王を指しているものであるが、アウグスティヌスはこれは預言者イザヤが悪魔をバビロニアの君主の人格をもって象徴的に表していると説明している。ビリー・グラハムはここにルシファーの5つの「私は行おう」という罪が見られると解説している。
エゼキエル
エゼキエル書28章12-17節は堕落前のルシファーの輝かしい記録と言われている。エゼキエル書28章1-10節はティルス(ツロ)の君主、12-19節はティルス(ツロ)の王である。ここでティルス(ツロ)に述べられていることは、悪魔にあてはめられる。
「あなたは全きものの典型であった。知恵に満ち、美の極みであった。」「わたしはあなたを油そそがれた守護者ケルブとともに、神の聖なる山に置いた。あなたは火の石の間を歩いていた。」
— エゼキエル書28章12-17節、新改訳聖書
歴史
キリスト教会では、ルシファーはサタンであると考えられてきた。教父たちはルシファーをサタン、堕天使、悪魔と結び付けている。教父テルトゥリアヌス (Contra Marcionem, v. 11, 17)、オリゲネス (Homilies on Ezekiel 13) らがそうでありヨハネの黙示録12:7、ルカによる福音書10:18がその根拠となる聖句である。
4世紀末、ヒエロニムスは、聖書のラテン語訳(ヴルガータ)において、ヘブライ語の「明けの明星」を意味する言葉 הֵילֵל(イザヤ書 14章12節)を、lucifer の語を当てて訳した。ラテン語のルキフェルはキリスト教以前から「明けの明星」である金星を指すものとして用いられ、オウィディウスやウェルギリウスなどの詩歌にも見られるものであった。旧約聖書はヘブライ語とアラム語で書かれており、新約聖書の原典もギリシア語であるため、ルシファーの語はラテン教父たちによる訳語ということになる。
原義
Lucifer はもともと、ラテン語で「光をもたらす者」(lūx 光 + ferre 運ぶ)を意味する語であり、当初は悪魔や堕天使を指す固有名詞ではなかった。
ラテン語としてのルキフェルが見出されるのは、ウルガータ聖書の以下の箇所においてである。
「黎明の子、明けの明星よ、あなたは天から落ちてしまった。もろもろの国を倒した者よ、あなたは切られて地に倒れてしまった。」
— 旧約聖書「イザヤ書」14:12
ここでの明けの明星は或るバビロニアの専制君主のことを指し、輝く者を意味するヘブライ語の「ヘレル」が明けの明星 lucifer と訳されている。
「あなたがたも、夜が明け、明星がのぼって、あなたがたの心の中を照すまで、この預言の言葉を暗やみに輝くともしびとして、それに目をとめているがよい。」
— 新約聖書「ペトロの手紙二」1:19
この一節では、明けの明星を意味するギリシア語の「ポースポロス」(Φωσφόρος / Phōsphóros)が lucifer とラテン語訳されている。このように、悪魔や堕天使を含意せず、時にはキリストをも指すルシファーの語が用いられた事例としては、4世紀のサルデーニャの聖人である司教ルキフェルの名や、賛美歌カルメン・アウローラ(Carmen aurorae)などがある。イギリスの詩人シェリーは、地獄の第9層に拘束されているルシファーをおぞましい怪物として描いたダンテを「星たちの群れの中のルシファー」とほめたたえた。
ルシファーの名の悪魔たるゆえんは、旧約聖書「イザヤ書」14章12節にあらわれる「輝く者が天より墜ちた」という比喩表現に端を発する。これはもともと、ひとりのバビロニア王かアッシリア王(サルゴン2世かネブカドネツァルであろうと言われる)について述べたものであった。キリスト教の教父たちの時代には、これは悪魔をバビロニアの王になぞらえたものであり、神に創造された者が堕ちて悪魔となることを示すものと解釈された。堕天使ないし悪魔とされたこの「輝く者」は、ヒエロニムスによるラテン語訳聖書において、明けの明星を指す「ルキフェル」の語をもって翻訳された。以上の経緯をもってルシファーは悪魔の名となったとされる。
美術史家のルーサー・リンクは著書『悪魔』の中で、サタンという言葉とデヴィル(悪魔)という言葉はほとんど同じものとして扱われるが、必ずしも初めから軌を一にした言葉ではないと指摘し、さらに同様にサタンの同義語として扱われるルシファーについて論を進めている。ルシファーが悪魔の名とされるようになった由来はイザヤ書の一節の誤読にしか見出せないと述べた詩人シェリーの悪魔論を引き合いに出し、また、ルシファーが天を逐われた経緯を最初に決定づけたのは5世紀の教父たちであったことを多くの人は知らないとして、教父たちの解釈とその背景について論じている。
wikipediaより抜粋