私のキューで、ひねられた白球が、
一つの壁となって向こうにながれているクッションへ
斜めから突き当たると
横にのびたその障壁が球の回転運動を助ける場合は
自身に弾みあがった様に
どこまでも向こうへ走って行くが、
一度ソノ障壁が逆に働くと不意によろめいた球体は
それはブルブル自身に回転し乍ら
そこに道を喪なったように 停まって仕舞うのである。
それはブルブル回転している時
モシ 伸び上がれば虚空に突き立ってゆくように思えた(見えた)
もし この緑色のクッションを厚い気流ノ壁と考えて
しかもそれが移動していると想定スレバ
私の前に一つのひろい 宇宙そのものの様な空間が出来上がるのだった・・
埴谷 雄高(虚空)
一つの壁となって向こうにながれているクッションへ
斜めから突き当たると
横にのびたその障壁が球の回転運動を助ける場合は
自身に弾みあがった様に
どこまでも向こうへ走って行くが、
一度ソノ障壁が逆に働くと不意によろめいた球体は
それはブルブル自身に回転し乍ら
そこに道を喪なったように 停まって仕舞うのである。
それはブルブル回転している時
モシ 伸び上がれば虚空に突き立ってゆくように思えた(見えた)
もし この緑色のクッションを厚い気流ノ壁と考えて
しかもそれが移動していると想定スレバ
私の前に一つのひろい 宇宙そのものの様な空間が出来上がるのだった・・
埴谷 雄高(虚空)