どうも。蕎麦がき理論家、片手袋研究家の石井です。この写真は、私が敬愛するエルヴィス・プレスリーの命日に毎年銀座山野楽器で行われるイベントでの一枚です。はい、浮かれてます。私は特定の信仰を持たない人間ですが、エルヴィスだけは限りなく神に近い存在として心の支えにしております。
「僕はエルヴィスを信じない」
かつて、ジョン・レノンはそう歌いました。
そのジョンですら、こうしてちゃっかりエルヴィスの刺繍入りジャケット着てるんですからね。
「エルヴィスの汗だけは涙に見える」
湯川れい子さんがそう仰ってましたけど、エルヴィスのはにかんだような笑顔、彫刻のように整った顔立ち、柔らかな髪の毛…。全てを捧げてしまいたくなるほど、不思議な魅力に溢れています。
私は「片手袋研究」「蕎麦がき研究」、没頭するとすぐに研究を始めてしまいますが、エルヴィスも例外ではありません。長い事研究しても、いまだにその魅力の全ては把握できないのです。これは我が家の「アーク(聖柩)」こと、エルヴィス棚です。
各棚を開けてみますと、CDやレコード等の音源100枚以上、
ビデオやDVDボックスなどの映像関連、50点以上、
研究本や写真集、ファンクラブの会報や関連書籍数百冊、
と取り揃えておりますが、エルヴィスにまつわる膨大な研究資料はまだまだ全然、これの数百倍あるんだから嫌になっちゃいます。
☆エルヴィス、これを聞いて! 「なぜそんなにエルヴィスが好きなのか?」というのは、このブログで書くべきテーマではないと思いますので、今回はやめときます。過去に「山車ラジオ」というポッドキャストで二回、語り尽くしてますので興味がある方は是非聞いてみてください。
今回はエルヴィスが残した膨大な音源の中から、3枚のアルバムをお勧めします。
『His Hand in Mine』(1960)
『How Great Thou Art』(1967)
『He Touched Me』(1972)
「King of R&R」と呼ばれるエルヴィスですが、敬虔なクリスチャンである彼が心の底から愛していたのがゴスペルでした。良くも悪くも、何をやっても周囲から1人目立ってしまう彼が、ゴスペルのハーモニーの中に埋没している時だけは、本当の安息を得られたのだと思います。彼が残したゴスペルソングはこの3枚におさめられていますが(今は1枚にまとめてある盤とかもあります)、うっかり宗教的な救いを信じてしまいそうになるくらい、どの歌も素晴らしいです。キリスト教とは全く縁のない人生を送ってきた私ですが、心が荒んだときは今でもこのアルバムを聴いて落ち着きを取り戻しています。こちらも是非、聞いてみて欲しいな。
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☆「ドーナッツ食って死んだ」に対するイラつき
でもまあ、エルヴィスほどネタにされやすい人もいませんよね。「エルヴィスが好きだ」といって面と向かって馬鹿にされたことは何回もあります。やれ「太って死んだやつ」とか「ソーメンみたいなピラピラつけてるよね!」とか。こういうこと言われると内心ムカついてるんですが、実はそれは馬鹿にされたからじゃないんです。
プロレスマニアとかアニメオタクとか、何かを強烈に愛してる人って、その対象のダメなところも熟知してるわけです。そりゃあ掘り下げて研究していけば、当然そういう部分も知る事になりますから。だから 盲目的に全肯定しているわけじゃなくて、駄目なところ を含めて対象を愛してるんですよね。
それなのに「エルヴィスなんてデブじゃん」とか言われても、こっちはそれどころじゃないくらいどうしようもない部分を知っている訳です。笑うにしたって、もっと爆笑するくらいヤバイ事件とか山ほどあるわけですよ。何しろアメリカのエンターテイメント史上最大のポップアイコンとも言える人ですから。そりゃあ光もあれば闇もあります。
ビートたけしがよく「振り子理論」という話をします。「表現者は良い方向に振り子が振れたら、同じくらい悪い方にも振らなきゃいけない。それでこそ深みが出るんだ」ということですね。だからエルヴィスをよく知らずにネタにしてくる人って、良い方にも悪い方にも認識してる振り子の振り幅が狭いんですよ。そこにイラッとくるわけです。「悪くいうのは良いよ。でも、振り幅を狭く見積もってるのは許せねえ!」って。 まあ、勿論ネタにしてくる人は「知識がない」というより「興味がない」んでしょうけどね。でも私自身、自分が興味ない分野に対して、その分野が抱える広大な宇宙を知りもせず笑ったりしちゃうことがあるんで、本当に気をつけようと思います。
☆とは言えこの誤解だけは解いておきたい! とは言え、です。エルヴィスについて最もよく目にする誤解。
「エルヴィスはドーナッツの食い過ぎで死んだ」
というやつ。これは訂正しときます!エルヴィスが一番好きで食いまくってたのはドーナッツじゃないです!「ピーナッツバナナサンド」です!
※これはフリー素材のサイトにあったチョコバナナサンドなんで若干違いますが、雰囲気は近いです トーストにピーナッツバターを塗って、バナナと焼いたベーコンを挟む。これがエルヴィスが生涯愛した食べ物で、アメリカでは「エルヴィスサンド」という名前があるくらい、メジャーな食べ物です。これは覚えて帰って!
エルヴィスの命日は8/16。今年はさすがにコロナの影響で山野楽器でもイベントは開催してなかったですね。だから個人的にエルヴィスにも食べてもらえそうな蕎麦がきを作る事で、キングに思いを馳せる事にします。
エルヴィスに捧ぐ!ピーナッツバター蕎麦がき(2人前)
(材料)
・バナナ蕎麦がき
蕎麦粉・・・70g
牛乳・・・100ml
バナナ・・・40g
砂糖・・・・少々
・ピーナッツクリーム
生クリーム・・・100ml
砂糖・・・・・10g
ピーナツバター・・・大さじ1
カットフルーツ・・・各種適量
バター・・・少々
粉糖・・・・少々
(作り方) ①まずピーナッツクリームを作る。生クリームに砂糖を入れ、氷水で冷やしながら混ぜる。8分立てくらいにする。
②ピーナッツバターを入れ、ヘラでさっくり混ぜる。冷蔵庫で冷やしておく。 ③バナナ蕎麦がきを作る。まずはバナナジュースを作る。ミキサーにバナナと牛乳、砂糖を入れて攪拌。 ④蕎麦粉にバナナジュースを加え、火にかけて蕎麦がきを作る。
⑤小さく丸めて平にし、バターで焼き色をつける。 ⑥お皿にバナナ蕎麦がき、ピーナッツクリーム、フルーツを盛り付ける。粉糖を上からまぶして完成!
エルヴィスサンドからピーナッツとバナナの要素を借りて、作ってみました(ベーコンは入れられませんでした)!今回の冒険ポイントは「バナナジュースで蕎麦がきを作る」という事。今まで一回もやった事ないですから、「バナナが入ってる分、焦げちゃうんじゃないか?」とか「蕎麦がきみたいにちゃんと固まってくれるのかな?」とか、ビクビクしながら作りました。けど全然大丈夫でしたね。むしろ、トマト蕎麦がきの時同様、バナナ蕎麦がきだけでもおやつとして成立するポテンシャル秘めてました。蕎麦粉100%より若干フンワリした食感が増して、軽い口当たりでした。
あとはパンケーキの要領で作っていった訳ですが、美味しかったな〜。エルヴィスサンドが定番化してるくらい、バナナとピーナッツの相性は抜群。フルーツと一緒に食べると、マジで若い子達にもすんなり受け入れられるようなスイーツになってました(うちの子も「美味しい!」と言ってくれました)。
また分類図もバージョンアップ!今回は「②水分」の項目にバナナジュースを追加することができました。
エルヴィスには今までの人生で何度も救われてきましたけど、まさか蕎麦がきにもヒントを貰えるとはね。いつかエルヴィスの自宅兼墓所であるグレイスランドに行って、ピーナッツバター蕎麦がきをお墓に供えたいな。まあ、多分秒でつまみ出されますけどね。
エルヴィス!これからの人生もずっとそばにいてくれよな!
※コロナ禍以降、マニアブログフェスタ仲間の「むらたぬき」さんとリモートで作曲してるんですが、第2弾はエルヴィスの『ミステリートレイン』を土台にしてます。実際の曲や作曲過程をむらたぬきさんが記事にしてくれてますので、是非ご覧ください。