Yuki's Feeling Time・・・

しあわせのかけら
大好きな音楽 出来事
少しずつ紡いでいきたいと思います

『17歳のカルテ』

2009-03-17 | movie
昨年の後半に全く映画を観る時間を作れなかったしわ寄せが年明けと同時に・・・
今年に入っていろいろ物色しながら映画を観ています

そんな中の一本が『17歳のカルテ』



ウィノナ・ライダーがこの原作に感銘を受けて自ら権利を獲得して製作され
共演のアンジェリーナ・ジョリーにとっては出世作に上げられる作品となっています
公開された2000年当時も話題になっていたし ウィノナ・ライダーのこの頃の作品はかなり観ていたのですが
何故だろ・・・この作品には手が伸びなかったんだよなぁ・・・
とは言いながらもずっと気になる存在だったので今回やっとこさ(笑)

タイトルとなっている“17歳”世代に特に多く支持されたようです
実際作品の中には“17歳”というフレーズは全く登場しないのですが
登場人物達の抱えた世界とこの世代の繊細な心模様を重ね合わせた邦題ということでしょうか
調べてみれば原作者のスザンヌ・ケイセンが自殺未遂をして入院した年齢でもあるようですが

大量の睡眠薬を投与して自殺未遂したことで“境界性人格障害”と診断され精神病院に収容された主人公‘スザンヌ’とそこ出会った同世代の患者達が過ごした2年間
それぞれの心の闇の中に痛みや苦しみを抱えて生きていく姿
それを目の当たりにして自分がどうしてここに来たのかという葛藤と闘うスザンヌ
その前に現れた‘リサ’という存在
何が異常で何が正常なのか
自分の存在を病院の中でしか得ることの出来ないリサの心の襞に触れていくうちに見出していく自分の歩くべき道

アンジェリーナ・ジョリー演じるリサの社会に対して常に尖った心をひたすら剥き出しに生きる姿とウィノナ・ライダー演じるスザンヌの経験する出来事を咀嚼しながら消化し吸収していこうとする姿が対照的に描かれています
そしてその二人を厳しくも優しくも賢明な姿で見守る医師ヴァレリー
この役を演じたウーピー・ゴールドバーグの存在感
大好きな俳優のひとりですがさすが・・・説得力があります
俳優業から退かれたのは大変残念です

“境界性人格障害”という病を全く知らなかったのですが
生活しているといろんな出来事にぶつかり悩み乗り越えようとするものですがそんな中で自分の中にいくらでも芽生えそうな感覚でもあるような
もちろん専門家に言わせればそうである人とそうでない人の間には大きな違いがあるのだろうとは思いますが
それだけ意外と身近にあるものなのだと思いました

舞台は1968年頃のアメリカ
劇中に登場する当時のニュースや音楽もその時代の匂いがして効果的です
ちょうど40年前の若者達の姿
それだけの時間が流れた今も全く変わらず いやそれ以上に痛む心は増えている気がします

“17歳”からは随分時間が過ぎてしまったけれどちょっと自分の内側に対して話しかける時間が持てました

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