北海道の南部、函館市街地を中心に回遊するこれから人気が出ること間違いナシのみなみ北海道おすすめ観光スポットをシリーズでご紹介する「驚き!ときめき!感動∞無限のみなみ北海道おすすめスポット」。
今回はそのPARTⅤ「上ノ国・江差・厚沢部・乙部」のおすすめ観光スポットをご紹介します。
みなみ北海道の西海岸、PARTⅣでご紹介した「松前町」から日本海沿いを北上したエリアにあるのが「上ノ国町」「江差町」「厚沢部町」「乙部町」。
このゾーンは、数千万年の大地の歴史を視覚でとらえ、わずか数百年前に蝦夷(北海道)へ本州からやってきた人々の夢と希望とその栄華の軌跡を探訪し、日本海へ沈む夕陽を堪能できるエリアです。
函館市街地からそこへは、国道227号線で向かえば車で約90分ですが、前回の「松前町」から海沿いを「日本海追分ソーランライン」で北上しながらご案内してまいります。
「松前町」から海岸線の造形と美しい日本海を左手に見ながら、隣町に入るとそこは「上ノ国町」です。
現代では太平洋側が表、日本海側が裏という印象が中国地方の山陽、山陰でも言い表されているように国内では定着しているように思いますが、その昔は、日本海側が貿易、流通のメインであったことから上手であり、東の太平洋側は下手という位置づけだったようで、それがこの町名の由来のようです。
そして、その「上ノ国町」で人気の観光スポットがこちらの道の駅「上ノ国もんじゅ」です。
海岸線から突き出たところの高台にあり、風光明媚なロケーションを楽しみながら食事が楽しめて、地元の特産品を買うことが出来ます。
2Fレストランでは恵まれた海の幸を旬に合わせてシーズンごとにメニューを変えて楽しませてくれます。
この時食べたのは「てっくい漬丼」。
「てっくい」とは「ヒラメ」のことで、手にかじりついてくるほど元気だということで、「手に食いついてくる」という意味で「てっくい」と呼ばれているそうですが、この呼び名は西海岸エリアだけですね、東海岸では使われていません。
歯ごたえと噛むほどに口に広がる甘味と旨味、まぎれもなくヒラメです。
そして、産地ならではのリーズナブルな価格と美味しさです。
そして、これは「カニ出汁味噌ラーメン」。
「てっくい漬丼」を食べたあとだったので、ラーメン一杯はきついなと思ったところ、「ハーフでもできますよ」とのことだったのでハーフでお願いしました。
そういう臨機応変な対応は滅多に来れない旅行時はうれしいですよね。
その味は、地元産の紅ズワイガニを使っているとのことですが、スープにもカニの出汁とカニみその味がしっかり感じられ、上品な仕上がりで、トッピングのカニ肉も加わると、より風味が増してバランスの良い美味しさです。
さて、その施設名にもなっている「もんじゅ」ですが、そのネーミングはこの海岸線を古くから「もんじゅ海岸」と呼ぶことから来ているそうで、この眼下に見える岩に関係しており、この角度からはサルのように見えるのですが、地元では文殊菩薩(もんじゅぼさつ)様に見えるということで「もんじゅ岩」と呼ばれていることに起因しているそうです。
文殊菩薩様と言えば智慧を司る菩薩様で「三人寄れば文殊の知恵」のことわざにあるあの文殊(もんじゅ)なんですね。
この角度からからだと、なんとなくアイヌの長老の顔のようにも見えるのですが、いずれにしても何か悩みとかお持ちだったら、ここへ来れば、何かひらめきやアイデアが得られるかもしれませんよ。
そして、その道の駅「上ノ国もんじゅ」さんの陸地側にあるのが「夷王山(いおうさん)」。
その山にある「中世史跡公園」の駐車場からはご覧のように海岸線を江差、乙部まで見渡すことが出来ます。
では、その「江差町」まで参りましょう。
「江差町」は千数百年前には本州から入植が行われ、江戸時代の松前藩統治のころも含めて北前船の貿易、商業港として、また、ニシンの豊漁で潤った歴史を持つ町です。
そして、幕末の戊辰戦争における函館戦争の舞台のひとつでもあります。
この座礁した形で岸壁に接岸している帆船は、幕末に日本国内において最強と言われた軍艦「開陽丸」です。
幕臣だった榎本武揚と新撰組副長・土方歳三率いる旧幕府軍は劣勢だった本州での戦場からこの開陽丸を旗艦とした艦隊に乗り込み、蝦夷(北海道)に活路を見い出し、すでに新政府軍に占拠されていた五稜郭を奪取したのち、この江差町までやってきて支配下に置いたものの江差沖特有の時化にあい、沈没させてしまいます。
これは、その「開陽丸」を復元したもので、実物は木船だったようですが、鉄船で復元し、その中に昭和になってからの調査で引き揚げられてきた遺留品を展示し、現在は「開陽丸青少年センター」として公開されています。
そして、その開陽丸の沖側にあるのが「かもめ島」です。
ここは歩いて渡れるのですが、階段を上って台地に出るとご覧のように日本海の水平線と広い空を邪魔するものがなく、開放感いっぱい。
島の形が「かもめ」のようだということで「かもめ島」と呼ばれているのですが、その風景と起伏に富んだ散策ルートを歩いてみると納得です。
また、その風と打ち寄せる波にはきれいなんだけど日本海の厳しさも伝わってきます。
波と砂の浸食によって造られた海岸線の造形はアートですね。
そして、島の陸地側の海岸にはニシンを呼んだ伝説がある「瓶子(へいし)岩」という奇岩もあります。
「かもめ島」から陸地に戻った町の中心部には歴史的な旧家や神社仏閣があるのですが、この「いにしえ街道」を散策してみるのも良いですね。
栄華を誇った歴史のなごりを感じますね。
他には「江差追分会館」で、「江差追分」や郷土芸能の実演を見るもよし、食べ物ではまんじゅうの「繁次郎」がありますね。
江差というと、もう北海道の名物と言って過言ではない「五勝手屋羊羹(ごかってやようかん)」の本拠地ではありますが、この「繁次郎」という饅頭も地元の方々にとっては子どものころから食べて育つというくらい馴染みが深いお菓子です。
こちらの「浅野屋」さんで販売されているのですが、その商品名になっている「繁次郎」というのは、昔、江差に実在したと言われている「とんち」が得意な男のことで、それをキャラクターにして大正時代に作られたそうです。
「繁次郎」の特徴だったと言われているくりくりッとした目をイメージしてチョコレートが塗られ、中は白あんのお饅頭。
砂糖の他に水あめも材料に使われていて優しい甘さが特徴的です。
さて、「江差町」をあとにし、海岸線から国道227号線を内陸に入るとそこは農林業の町「厚沢部(あっさぶ)町」です。
国道沿いにある道の駅「あっさぶ」さんでは、地元で獲れた野菜類を販売しているほか、ジャガイモの品種・メークイン発祥の地ということで、メークインを使ったコロッケを販売しています。
揚げたてのコロッケは美味しですね。
さぁ、ここから国道を東に向かって1時間ちょっと走れば「JR新函館北斗駅」に出ますし、そのまま函館市街地に戻ることになります。
が、その前に。
みなみ北海道の西海岸へ行ったなら、日本海に沈む夕陽も見たいところですね。
「上ノ国町」でも「江差町」でもきれいな夕陽を見ることはできますが、そこからさらに北へ足を伸ばして「乙部町」からの夕陽も良いですよ。
数千万年に渡る大地の歴史の中で堆積した地層と波の浸食による造形は東洋のグランドキャニオンとも呼ばれている海岸線。
地球の長い歴史を感じずにはいられません。
その「乙部町」において、地元の方々の憩いの場であり、日本海の大海原を望む展望公園が「元和台」です。
崖下には夏に海水浴が楽しめる人工の海水浴場があります。
そして、水平線上がオレンジ色の夕焼けに染まり始めると海と空の境界線が際立ち、その色の対比が美しく心和ませてくれます。
そこから、ゆっくりと沈む夕陽を眺めていると今日一日の終わりに感謝したくなりますね。
みなみ北海道巡りは当社タクシーが詳しくご案内させていただきます。
シリーズ「驚き!ときめき!感動∞無限のみなみ北海道おすすめスポット」
PARTⅠ「戸井・恵山・椴法華地区」はこちら
PARTⅡ「南茅部地区・鹿部町」はこちら
PARTⅢ「七飯町・大沼国定公園」はこちら
PARTⅣ「トラピスト修道院・木古内・知内・福島・松前」はこちら
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