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Sliding Cafeマスターのブログ

マウスピースの大きさと唇の柔軟性

1ヶ月前はチューバを吹く事が楽しくて、1日の中でチューバを練習する時間も増えていたのですが、最近はトランペットを吹くのが楽しくて仕方がありません。先日購入した喜望峰サテンゴールド仕上げのポケットトランペットが本当に素晴らしくて、とても心地よい吹奏感と柔らかく深みのある音色にやられてます。

僕はトロンボーンが専門なので、当然毎日トロンボーンの演奏精度を維持しておくための練習は欠かせません。トロンボーンを吹く事に関しては、自分にとってはもう当たり前過ぎる事なので、トロンボーンを吹いていて楽しいとか(もちろん好きだから20年以上も演奏し続けているのですが)のレベルは既に通り越してしまっていて、完全に生活の一部とも言えるのですが(人生の大半を占めているとも言えますが)、他の金管楽器を吹く事に関しては、とにかく単純に楽しいですね。

現在、トロンボーンを中心として全ての金管楽器を演奏できるマルチブラスプレーヤーを目指して日々練習を重ねているところなのですが、マルチブラスにおいて最も重要な問題は、マウスピースの大きさの違いに対応できる柔軟な唇を作る事。これが全てとも言えます。これを克服するには、とにかく毎日トランペットからチューバまで毎日数分でも良いので、吹いて唇にマウスピースの大きさの違いによる感覚の差を覚えさせる事です。そうする事によって自然と唇の方が感覚を覚えてくれます。また、様々な大きさのマウスピースで演奏するという事は、唇の柔軟性を養うトレーニングにもなります。逆に言えば、唇の柔軟性のある人は、様々な大きさのマウスピースにも瞬時に対応できます。トロンボーン演奏はバッチリなのに、トランペットでは音さえまともに出せないような人は、唇の柔軟性が低いとも言えますし、マウスピースのリムの圧力に頼らないとバズィングできないという事でもあります。マルチブラスプレーヤーを目指さなくても、トロンボーン奏者が時々トランペットを吹いてみるという事は、唇の柔軟性のチェックにもなり良いですよ。正しいアンブッシャーと程よいアパーチュア(唇の開き)であれば、必ずトランペットでも良い音が出せるはずです。柔軟性のある唇ならば、トロンボーン奏者でもトランペットの高いソ位までは、きれいな音で出せるはずです。

トロンボーンは金管楽器の中でちょうど真ん中の大きさのマウスピースなので、そこからトランペットのような小さいサイズに行くのも、またチューバのような大きいサイズに行くのも比較的容易なのではないかと思います。これがトランペット奏者がチューバの大きいサイズに対応できる唇を作り上げるのは、かなり努力が必要ですし、またチューバ奏者がトランペットのサイズに対応するというのも同じです。なので、トロンボーン奏者が最もマルチブラスプレーヤーに適しているのではないかと思います。また、トロンボーンと同じマウスピースで吹ける楽器は非常に多いですしね。

トランペットとチューバのマウスピースに唇を対応させる事が出来れば、他全ての金管楽器はほぼ問題なく演奏できるようになります。つまりトランペットが吹けるという事は、トランペットとトロンボーンの中間に位置するサイズのフレンチホルン、フリューゲルホルン、アルトホルン、コルネット等への唇の対応は容易です。チューバにいたっては、トロンボーンとチューバの間に存在するサイズはバストロンボーンくらいなので、これはほとんど問題ないでしょう。あとはピストンの運指の問題がありますが、これはピストン楽器のどれかひとつ攻略すれば他は全て同じですから、たいした問題ではないと思います。逆にピストン楽器の奏者がトロンボーンのスライド操作を習得するのは、相当な努力が必要でしょう。加えてピストン操作だけでスラーが簡単にかかる楽器と違って、スライドの場合、基本的にスラーでも全てタンギング(しかもソフトタンギング)しなければいけないので、そういう技術の習得も必要になります。

トロンボーンの演奏技術をある程度習得出来た方なら、是非マルチブラスにもチャレンジしてみましょう。様々な金管楽器を演奏する事によって、トロンボーン演奏においても新たな発見や、奏法面、技術面においても良い効果が出てくるはずです。またアレンジをされる方なら、全ての金管楽器の奏法、音域等を体感的に知っておく事はとても大切です。

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コメント一覧

マスター
マウスピース
平林さん、コメントいただきましてどうもありがとうございます。
フレンチホルンとフリューゲルホルンはMPの大きさがほぼ同じですので、他の楽器に比べて持ち替えは楽だと思います。普段使われているフレンチホルンのMPと同じリムサイズでカップも深めのフリューゲル用MPにすれば、更に違和感は軽減されるはずです。

フレンチホルンのMPは、フリューゲルに比べかなりボアが小さく、カップも深いので、フリューゲルに装着した場合、フリューゲル本来の音色らしさが出ないと思います。

あとは、フレンチホルンとフリューゲルとでは、息の使い方、楽器を鳴らすイメージ等違いますので、その辺の感覚の違いに鳴れれば大丈夫です。とにかく毎日数分でも両方の楽器を吹くように習慣づければ、自然と身体の方が感覚を覚えてくれます。

是非、持ち替えに挑戦してみて下さい。
平林
マルチブラスについて
 私は大学卒業後、アマチュアオケストラに入り月1,2回の合奏を楽しみにしています。ちなみに楽器はフレンチホルン(10年前に購入、アレキサンダー製103)です。以前からたまにFMラジオから聞フリューゲルホルンの音色が気に入り、フリューゲルも吹けたらいいなあと思っていましたが、どうせマウスピースが違うから無理だとあきらめていました。一応ホルンではペダルのAからハイまでリップスラーの分散和音で何とか3オクターブ半つなげて吹ける程度で、ベトベンやドボルザークの交響曲のTopを吹かされておりました。

 こちらのページを見まして、複数の異業種金管楽器を吹き分けるというアイディアに驚き大変興味を覚えました。
 本題にはいりますが、アマチュアでホルンの奏者がフリューゲルのマウスピースと楽器ににもちかえて、ある程度演奏を楽しめるという域に達するには途方もない苦労が必要でしょうか。
 また、フレンチホルンのマウスピースをアダプターなど作成してフリューゲルに装着した場合、構造上音色や音程がおかしくて使い物にならないでしょうか。
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