それにしても、数年前からのCDの急激な売上落ち込みも激しいのですが、紙媒体の出版業界も本当に大変のようですね。当然インターネットの普及の影響が最も大きいのではなかろうかと思います。たいがいの情報はネットで無料で仕入れることができてしまうので、わざわざお金を出して雑誌を買う必要がないですからね。
僕も2年くらい前まではレコーディング専門誌、管楽器専門誌などを毎月定期購読していたのですが、今は雑誌というのは全く買わなくなりました。加えて、日経新聞は20年近く購読していたのですが、今年から購読を止めました。なぜなら無料のWeb刊日経新聞で十分だから。月額4,000円の有料Web刊ならもっと深く掘り下げたニュースを読むことが出来るのですが、お金を払ってまでネットで情報を仕入れたいとは思わない。やはりネット上の情報は基本無料という概念がありますから。
そんな中、iPadの登場で今後電子書籍の発刊が増えてくるのだと思うのですが、果たしてお金を払ってでも購読したいと思えるような電子書籍(主に雑誌)はどれほどあるのでしょうか。僕の場合、興味のある電子書籍はほとんど音楽雑誌のみといったところですが、例えば今回休刊となったスイングジャーナルが仮に電子書籍として復刊したとして、有料で購読したいとは思わないです。もちろん無料配信なら読む。これは他の音楽誌でも同じで、本屋でさらっと立ち読みで済ませられるほどの情報を有料の電子書籍で購入する気はしないといったところ。
電子書籍で音楽誌を発刊する価値があるとすれば、画面上の画像をクリックするとライブ映像が観れたり、音楽が聴けたりするようなコンテンツ作りをすることでしょうか。セミナー、教則本系の音楽誌なら練習譜例と同時に先生の模範演奏が流れるようなコンテンツにすれば電子書籍ならでは魅力的な音楽誌配信が出来ると思います。あるいは、楽譜配信(販売)なら楽譜と一緒に模範演奏も同時配信(同パッケージ?)するようにすれば、これもやはり電子書籍のメリットを最大限活用できるコンテンツとなりそうです。しかもiPadなら紙にプリントアウトしなくてもiPadの画面を見て演奏できる。これはエコですね。
あと10年くらいしたら演奏家はみんな紙の五線譜ではなくiPadのような情報端末画面上の譜面を見ながら演奏しているのかもしれませんね。しかも全てオンラインでつながっていて、本番中にキーや曲構成が変更になったり、アレンジ自体がリアルタイムで変わるようになったりして・・・、これはこれで未来の演奏家は大変だ。でも実はこれに近いことを数年前からハリーコニックJr.がコンサートで実践しているんですよね。オーケストラのメンバーは全員iPadみたいな情報端末画面上の譜面を見ながら演奏していました。しかもハリーコニックJr.自身が本番直前まで譜面に手を加えているのだそう。
いずれにしても今年は紙媒体から電子書籍、情報端末への非常に大きな転換期になりそうですね。
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