むらくも

四国の山歩き

馬場山・鶴松森…高知県

2015-02-16 | その他<高知の山>

馬場山・鶴松ケ森もしくは鶴松森             ばばやま、かくしょうがもりもしくはかくしょうもり



山行日                 2015年2月11日
標高                  912.7m、1100.1m
登山口                 高岡郡津野町「布施ヶ坂道の駅」
駐車場                 道の駅裏
トイレ                 道の駅
水場                  なし
メンバ-                ピオ-ネ、むらくも




大寒から数えて15日目の立春(2月4日)は過ぎた。
その前日は節分の日だったが今年は豆まきもせず、ましてや67個もの豆も囓らなかった。
恵方巻きなどはス-パ-やコンビニで売られていたが、それも食べなかった。

今日は2月11日、節分の日から数えてまだ日が浅いためか、何もしなかった割には風邪も引かず災いもなく、それなりの日々がずるずると過ぎ去った。
まるで魚を釣ったときに、釣り針を外すと餌のゴカイが魚の口からゾロゾロッと出てくるみたいに、ウゲウゲいわしながらなんとなくずるずる過ぎた。

豆を食べる代わりに、立春の行事である新酒の利き酒はしたかったが、貧乏人にはそれも叶わず、代わりに古女房から貰ったマッサンウィスキ-をチビッと舐めた。
舌に乗ったときはいい香りがするが、食堂を通過して胃の腑に落ち込むときは一瞬カ-ッと熱くなり目が剝ける。
こんなことばっかりしていたら、そのうち罰が当たるわ。

というわけで、隣の畑にピンクの梅の花が咲き、メジロもたくさんやってくるようになったこの季節、兼ねてから気に止めていた四国百山の一つ、鶴松ケ森へでかけることにしました。



この山はすぐ近くに不入山や鳥形山、そして四国カルストの天狗高原があったりするので、大概はこの山の裾野を走る国道197号線を走った経験を持っている方が多いかと思う。
登山口は不入山方面から1カ所、R197方面から林道に入って4カ所、北側の葉山越ル-トが1カ所、そしてもっともポピュラ-な風の里公園からの合計7カ所あるのです。
わたしたちはR197号線にある布施ヶ坂道の駅に最も近い登山口(林道沿い4カ所の内の一つ)から登ることにした。
ネット検索したところ参考になるホ-ムペ-ジがいくつかヒットした。
お-、reikoさんのレポ-トがあるではないか。
ル-トもピッタシ、夢中になって読んだ。
ムフフフ、歩き出して直ぐにル-トを誤り、山中を彷徨っている、面白-い。
reikoさんのレポで事前情報は十分に把握した(…つもり)。

4時目覚まし、ササッと起きてご飯を食べずにモゾモゾッと出発。
大野原ICから須崎ICへ、途中南国SAで朝食を摂る。
R197を走り檮原方面へ。
8痔20分、布施ヶ坂道の駅でお昼のお弁当用にいなり寿司(9時過ぎになると鯖寿司などいろいろなお弁当が揃うのですが)を買った。
車を道の駅第2駐車場の邪魔にならないところに駐車し、8:39出発。
道標に従い林道を上って直ぐに左折、よく整った茶畑を眺めながら道なりにくねっと右に曲がったところが登山口でした。




道の駅を左下にして登山道を進んで行くと竹林に入る。
直進方向に薄い踏み跡があって、その先ではスズタケが茂りやぶっぽい道が続いているが、右への道ははっきりしている。
ヌヒヒヒ、ここはヤブ方向へと直進だ、reikoさんたちははっきりくっきりした道へと右折し、山中を彷徨ったんだわ。
※右写真が誤りの山道です。




こちら左写真が正当な登山道ですが、ほんの少し先で右写真のようなスズタケ藪に突入することになる。




掻き分け掻き分けして100~150mほども進んだでしょうか、歩きよい登山道に出ましたが、これは事前に知っていないと、普通はこの道へは踏み込まないわと思いました。
風の里公園から30分でいとも簡単に山頂に立つことが出来るようになってから、歩く人が少なくなったこともあって、その後この道は荒れたんでしょうね。
因みに林道沿いの他の登山口からの道もこの道以上に相当に荒れているらしい。

杉の林床には白っぽい奇岩がゴロゴロ転がっている。




道の駅から歩き出して30分弱で荒れた林道に飛び出した。
すぐ目の前の崩れた斜面左側に薄い踏み跡があって、再び林内へと進むが、途中アオキの赤い実がたくさん生っていて、この時期目を惹いた。
アオキは火傷、腫れ物、凍傷、虫刺されなどの妙薬だそうで、有名な服用薬として陀羅尼助(だらにすけ)として売られている。
※石鎚山の成就にあるお店で陀羅尼助の看板を目にすることが出来るようです。




なにか動物の真っ黒けの糞がダラダラッと固まって転がっていた。
道は踏み跡薄く分かり難いところが多い。
やがて登山口まではそこここにあった道標でしたが、その後スッパリ途絶えており、登り始めて1時間を過ぎた9:46、やっとこさ現れた。




9:50、踏み跡は北西へと続いていたが、そこから外れるようにして北への尾根に取りついた。
これが間違いの元、急斜面が続き岩だらけ、木の枝にしがみつきながら這い上がった。
我慢して我慢してなんとか這い上がった先は…林道でした。




林道を跨ぐようにして再び尾根に乗ったところは歩きよい林床。
地図を見なくともなんとなく912.7mの馬場山に向かってるなという感触を得ながら登っていくとやがてイバラが現れましたが、そこからは東に景色が開け、眼下にはニホンカワウソの棲んでいた新庄川が蛇行している。




谷を覗き込むようにして思いきり北東方向に首をねじ曲げると、尾根越しに小さく小さく風車が見えていた。
カメラをズ-ムして撮影したら、手前の枝にピントが合ってしまい、風車はボケてしまいました。




こちらの写真が蛇行する新庄川。




イバラを踏み分け進みましたが、これが山頂かと思うような平たい尾根のヤブの中に三角点があり、その傍らにはキティさんの山頂標識があった。




山頂から北東への尾根には石灰岩質の奇岩が続く。
10:40、左手にピラミッドのような角錐の山容をした不入山が姿を現した。




緩やかな斜面を少し下って広い林道に降り立つ、そこは地図では標高830mに描かれている道だろう。
林道を右に回り込むと道標があるのでそこから尾根へと取りつく。




わずか6分でまた林道に飛び出した。
斑雪の残る奇岩の間を縫うようにして斜面を登る。




先ほどの林道から尾根を歩くこと12分でまたまた林道に飛び出す。
そして今度は9分でまたまたまた林道に飛び出す。
林道西奥には高く聳えた白い頂が見えていたが、四国カルストの天狗高原のようです。




天狗高原の左には不入山の全貌が開けてきました。
斑残雪の床はリョウブやシロモジの林で、植林帯と違って雪の上にはうさぎなどの足跡が残っている。
足跡はところどころで木の根っこに立ち寄り、マ-キングを施したようなモゾモゾッ、ブルブルッとした乱れ足。
人間もおしっこをした後、ときどきプルプルッと身震いしますが、あれはなにか生理的な意味があるのでしょうか。
それともその現象は女性にはなくて(当たり前のことだけどプルプルする女性いまだ見たことない)、男性特有のことなんでしょうか?




11:28、鶴松ケ森山頂に到着。
美しい名を持つ山だが、山頂は茅が茂っている。
昔、この山頂一帯は麓の村の茅場だったらしい。
山頂からは真東に景色が開け、新庄川を挟んだ奥の山並みは土佐町久礼湾に流れ込む久礼川源流辺りの山並みで、その左奥に太平洋が見えているものと思われた。
少し早いが坐って、お昼ごです。




ここまで来ると、風車を間近に見たいし、なによりも近くの鳥形山を眺めてみたいと思った。
11:50、山頂を背にして北東方向の葉山越(地図では半山越)へと歩き出す。
足元には冬イチゴの葉がたくさんあったが実は生ってなかった。

山頂から5分のところで分岐があってその角には葉山越の道標が立っている。
支柱には右に「大西・桂(悪路)」と記されている。
地図に載っている破線の道で、林道沿いにある登山口の一つでした。
当初、ここを下って周回しようかとも考えたこともあるのですが、おそらくこの先では相当なヤブが待ち構えている。
止めました。




緩やかな尾根を下って行く。
お~♪




展望台がありました。
上がってみましたが、先ほどの景色と変わらなかった。




新庄川の左奥にアンテナの立つ山が見えています。
蟠蛇森のようです。
その左奥にうっすらと見えている頭は虚空蔵山でしょうか。



ド-ンド-ンド-ン、大きな音が空気を揺るがす。
鳥形山です。
大きな音は鳥形山から聞こえてくる発破音!
この山に持つ印象は人それぞれですが、石灰岩が多くあるこの山域一帯は、太古には広大な珊瑚礁だったことを考えると壮大なロマンが広がります。




葉山越付近まで歩いてみたが、風車の広場には車一台もいなかった。




山頂が削られ異様な姿になった鳥形山をしばらく眺めた後、ゴ-ンゴ-ンと巨大な風車の風切り音を背にして元来た道を引き返す。




展望台への、石造りのベンチがある遊歩道を辿り12:51、再び山頂へ。
樹幹越しに雪を被った天狗高原を眺めながら、とっとと下る。




いくつもの寸断された林道を横切り、馬場山の山頂には寄らず巻き道である林道を歩くと、突き当たったところは、西に不入山が恰好良く見えていたあの朝の林道。




その林道を突き抜けるようにして尾根を真西に下ると、そこには登山道が南東から延びてきていた。




すぐに大きな石灰岩の岸壁が現れた。
なにか花が咲いている。
妻に訊ねたところ、雑草だという。
要するに名を知らない花らしい。




道を外さないよう注意しながらさらに下った。
見覚えのある場所に出た。
そこは朝、馬場山へ取りついた岩ゴロの急な斜面だった。
やがて踏み跡薄く分かり難くいところに差し掛かかり、慎重に辿ったつもりだったがまた迷ってしまい、倒木だらけのガラガラの斜面を下ってやっとこザレた荒れ林道に復帰。




再びスズタケ藪を通り抜け、右下に道の駅の緑の屋根が見えたときはホッとしました。




ヤブ椿が咲いてました。
小さい頃庭で咲いていただけに、この花を見るとなんとなく落ち着きます。
登山道入口にも菜の花が…。




恐るべし鶴松ケ森、登山道は歩く人少なくなり荒れているし、林道に阻まれ迷いそうになること4度も。
reikoさんのレポがなかったらどうなっていたことやら、ゾクゾクッ!

道の駅によって、朝にはなかった鯖寿司などを買ってホクホクッとした気持で帰路に着いたのでした。




帰りには土佐加茂駅近くの林床に立ち寄って、森の妖精バイカオウレンの花を楽しんできました。
今日も一日よく遊びました-。




登山口8:39-馬場山10:28-11:28鶴松森11:50-半山越(葉山越)12:17-12:51鶴松森13:03-14:57登山口


グ-グルマップ→こちら(登山口などの位置が判りやすい地図です)
ル-トラボ→こちら(距離・時間がわかります)

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2 コメント

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春近し (エントツ山)
2015-02-24 07:16:47
むらくもさん  おはようさんでござる

バイカオウレンが土佐に咲きだすともう春はすぐそこですね
瓶ヶ森林道の雪が薄い場所でフキノトウが顔を出していましたわ

おっと瓶ヶ森林道の事は思い出したくありません
冬の悪夢を最近経験致しました

春が来るって事は里山の藪歩きもそろそろ終盤ですか
reiko さんや keitann さんと行かれた粟島 桜の季節も良さそうですねえ

こちらもむらくもさんが苦労されたHPをいじらにゃならんハメになり四苦八苦しております
一つにはトップページのプロバイダー OCNがサービスを今月で停止する通知が来たのです
二つ目はトップページだけこのOCNでHPニンジャソフトにて作成しており、パソコンが壊れてウィンドウズ7に変えた後、このHP7ニンジャソフトが動かなくなってしまいました
この為、むらくもさんからこの数年更新されてないって言われましたんです

やっぱりHP作成ソフトはHPビルダーが一番無難の様です

そちらのブログもど真ん中にコマーシャルが入ってうっとうしい感じですねえ 数日前は山行記録の日付欄が隠れてクリック出来ない状態でした
無料のプロバイダーだからってもう少し配慮が欲しいですよねえ

まあ、この機会にリンクを見直してむらくもさん、ピオーネさん、keitann さん、佐々連さん、ガーベラさんなどのブログ、HPをリンクさせて頂きました

3月1日からHPのアドレスが変わりますが引き続き宜しくお願い致します

エントツ山
蕗の薹採りにいかなくちゃ♪ (むらくも)
2015-02-24 23:28:05
わおーわおわお~!!

エントツ山さん こんばんは
冬の悪夢、なんのことかと思って掲示板を隅から隅までずずず-いと読みましたわ。
伊予富士から西黒森手前まで、ようやるわ、エントツ山さんは凄い。
季節のいいときに伊予富士から瓶が森というのはありますが、厳冬期にテント担いで伊予富士から西へ歩こうなどと思う人はいないんじゃないかしゃん。
エントツ山さんは生粋の岳人というか、山人ですね。
それにしても瓶が森林道の雪の状態というのは想像以上ですね。
山側から多少の雪崩は想像できますが、トンネルが埋まってしまうっていうのはびっくりです。
しかも、埋まったトンネルというのは鷹ノ巣山の直下のトンネルやわ。
あの尾根、南東側は相当に厳しい尾根、よう乗り越える気になりましたね。
尾根に乗るには普通は1596.3mPの三角点・中之川の南東辺りの林道沿いになるんですが、尾根伝いに辿りそこへ下るのが一番安全な場所のようです。
だけど地図を持ってないし、判らない中でよく越えました。
読んでいて度肝抜かれ、感激しました、男の中の男っちゅう感じやわ。
ほんと、お疲れ様でした。
拍手です。

HPの移転も大変ですね。
こちらもお疲れ様です。
妻共々、リンクありがとうございます。
わたしたちもリンクさせて頂きますので今後ともよろしくお願いします。
エントツ山さんに負けないように長続きしなくちゃ、ちょっこし頑張ります。

あ、それと粟島情報ありがとうございました。
おかげさまで京ノ浜と足摺山を楽しむ事ができました。
keitannさん、reikoさん、Pもすごく喜んでました。
阿島山は次回のお楽しみということで…。

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