むらくも

四国の山歩き

国見山(徳島県)

2009-09-29 | 祖谷山系

国見山 くにみやま

登山日 9月27日
標高  1409m
登山口 西祖谷山村後山峠1km余り手前(コンクリートの貯水槽のあるところ)もしくは後山峠金毘羅神社前
駐車場 下タンクのところは路肩広いところ4台程度駐車可、後山峠金毘羅神社前5~6台程度
トイレ 下タンクはなし、金毘羅神社前にあるが…使用可不可未確認。
水場  なし




国見山はその名のとおり、山頂に立つと北には阿讃山脈越しに讃岐富士が見え、東には祖谷山系、西には赤石山系や石鎚山系、南には梶ケ森その東には三嶺などの剣山系が眺望でき、360度のパノラマが楽しめる。
西麓には四国三郎の吉野川が蕩々と流れ大歩危・小歩危の景勝地、東麓には祖谷川が流れ、美しい渓谷を育んでいる。
この山に登るには大歩危の徳前にある有宮神社から、もしくは後山峠からが一般的。
北麓の川崎から登る道もあるようだが、著名なガイドブックには掲載されておらず、詳しいことは直接、地元の方やこの山域に詳しい方にお尋ねするのがいいようです。
後山峠(おうどう峠)については、後山峠からさらに東に車道を走り、しばらくのところで三叉路にでるので、左折し道なりに上って行くと後山峠上の登山口に行き当たります。そこにも広い駐車スペースがあって、そこからだと山頂までは最短の1時間余りで登ることが出来ます。
山道は広い防火帯あり、美しいブナ林有りで、手軽に登れることもあって人気は高く、またこれから冬山登山を目指されている方には最適な冬山ハイキングコースですし、特に白銀のブナ林と山頂から眺める360度の冬山展望は感動を与えてくれます。
後山峠手前1km余りのピンカーブを過ぎたところに、車道右側にコンクリートの貯水槽が見え、その近くには緩いカーブから取り付く登山口(道標・テープなし)があります。ここからもやや荒れて歩き難いが、国見山南西麓を巻いて歩き、大歩危からの登山道と合流し、山頂へ行くことが出来る。春になると山道沿いの斜面にはヤマシャクヤクなどの山野草が咲き、大歩危からの合流点左折してすぐ下にはカタクリの花が咲く。




後山峠手前の貯水槽のある登山口からは、秋にはまだ登ったことがない。造林小屋跡手前にあるお花畑にはなにか咲いているだろうか、それと分県ガイドブックにはウメバチソウが後山峠からの登山道に咲いているように書かれているように思った。前日にどの山に行こうかとあれやこれや迷った末に、ガイドブックに記載されていた「ウメバチソウ」に目を引かれて眠りについたのです。

翌朝、午前五時起床ー6:20自宅出発ー32号線を走り大歩危橋を渡って旧料金所跡手前を「国見山」標識に従って右折、しばらくのところで左折し道なりに登っていく。7:45広い路肩に車を止め、7:57登山口に取り付く。(写真は峠方向から下り(元来た)方向に撮影)




パイプで作られた手摺のある道を登り、すぐのところにある貯水槽の脇を歩く。前夜の天気予報では今日はあまり芳しくない。特に午後からは愛媛・高知とも雨、徳島が一番良くて、曇りの予報、信じよう。




早速、香川には少ないアケボノソウとそしてマツカゼソウ・ミズヒキのお出迎え。アケボノソウの模様は何度見ても不思議。黒い点々と緑二点の紋所。




急登の連続、ゆっくり歩くが汗が吹き出て、額から滴り落ちる。30分ほどで植林帯を抜け、自然林に入った。突然キーッと鳴くけたたましい声。猿ではなさそう、鳥のようだが、なにか分からない。こんどはヤマバトだろうか、ボーッボーッと聞こえてくる。なんだか、お前のノーミソは生まれつきボーッだわ、と言われてるみたい。しばらくボーッの鳴き声が後から追いかけてくるようなイヤな感じ…。

8:33 おおよその標高900m辺りで直進登り方向に薄い踏み跡。以前からこんな踏み跡の道、あったかな?どこへ行くのだろう、気になったが濃い踏み跡へと左折する。




巻き道らしく、ほとんど上り下りのない水平道を辿る。前を歩く妻が「アッター!」と叫ぶ。「シモバシラ」との一声。「えっ?この時期に霜柱なんて立つはずないだろ」と訝ったところ、「花の名前~」と一喝された。ふ~~ん…、はい、綺麗だ綺麗、キレイですよ!ヤケクソ気味でパチリ。しばらくシモバシラの花が続いていて楽しませてくれた。
やがて苔むした歩き難い岩のゴロゴロしたところに差し掛かる。春にはここから山野草が目立ってたんだけど、なんもない、苔岩だらけ。




ガレ場に来た。こんなに荒れてたかな?前方を歩く妻の脚が止まってしまい、「ちょっと待って、ちょっと待って」の連呼、ムカーシ、ムカーシ、どっかで聞いた歌だわい。なかなか前へ進めない。ヤマシャクヤクのお花畑にも来たが、苔むした岩がゴロゴロしてるだけでなんもない。辺りが獣臭く地面にはコロコロした黒い糞。前方右上斜面で石が転がる音がした。姿は見えなかったが、鹿が駆け上がっていったのだろう。シャクナゲの木が道に覆い被さるように茂っている。
沢を越え、石垣を組んだところに出る。周りの野草は鹿が食んだ後のようで、葉っぱが付いてなかった。




ハナウドのような…、この時期に咲くのはシラネセンキュウだろうか?
今度はヤブヤブに入っていく。前方からヤマガラの鳴き声。下のほうから音楽となんやら号令のような賑やかな声が聞こえてくる。麓にある西岡小学校での運動会のようだ。




アキチョウジ、そしてコフウロが咲いていた。ゲンノショウコとよく似ているが、葉っぱが完璧に裂けているのと、花弁とガクの形がほんのちょっぴし異なっている。




9:33 造林小屋跡に着く。小屋の前をとおりススキなどが茂るやぶ道へと入っていく。(後日、調べたところ造林小屋の脇をとおり植林地へ登って行くのが正解らしい)しばらく進んだ後、あまりにもヤブヤブなので、適当に植林地へと登る。コンパスで方向を確かめて、左へと振ると道に出た。




斜面にはアケボノソウがたくさん咲いており、道沿いにもシモバシラがちょっとした群生で咲いていた。今年お初のフシグロセンノウ。やがて、右からの踏み跡の濃い道と合流。(この道が造林小屋上へと登って辿って来る道らしい)




ヒョッホー♪シギンカラマツがあちこちに咲いているではありませんか。小振りで可愛い花でした。




この時期定番のツルシキミの赤い実。10:33大歩危からの尾根登山道と合流する。




足元には徳島県と記された古い杭がある。春になればこの左下の鞍部からコブに掛けてたくさんのカタクリの花が咲く。右折し急な尾根を登っていく。頭上にはツリバナの実がぶら下がっていた。




汗が額から流れ落ち、目に入ってきそうになる。ザックを降ろし、タオルで顔を拭い、ついでにポカリを飲む。またまたヤブヤブだ。木の枝が覆い被さるような道を避けて歩くがトゲのある草や木の枝でたちまち足や腕がひっかき傷だらけになる。やがて作業用モノレールの軌道が目の前を横切る。このモノレールを辿っていけばどこへ行くのだろう?地図上では近くに集落も林道もないようだが?シロヨメナ。




オタカラコウの咲く鞍部に出る。「オッター!」妻のトーンの高い雄たけびらぬ雌たけび悶絶声?。終わりかけのオタカラコウにはアサギマダラがとまっている。ヤマジノホトトギス。




またまた、ヤブヤブが目の前に。適当にヤブを避けながら登っていくが、やはり歩き難い。11:38山頂に着いた。すぐに高知から三人の女性たちが登ってきて、食事をしだした。山道にはウメバチソウが咲いてましたかとお尋ねしたが、見かけなかったとのこと、あれま、雨がパラつきだした。




おにぎりを口に頬張りつつ、景色を撮り、慌てて下山にとりかかる。高知の方は慣れているのか、弁当など広げたものをザックに仕舞い込み、カバーをし、カッパをチャチャチャッと着てものすごく素早い。お先にと言いながら降りていった。指呼の間にある中津山。




おうどう峠方面に降り、国見神社の祠へ。




慌てて小屋に飛び込み、ザックカバーをし、傘を取り出し、ヤッケを着る。岡山からの団体さんが小屋を横切り山頂へ向かった。




デジ一はザックに仕舞い込み、雨煙るブナ林を下っていく。ここからはコンデジだ。




アサマリンドウ(雨が降る直前に撮ったもので、花が開いているが、雨後はすべて閉じていた)とアキノキリンソウ(にしては花びらが大きい?ひょっとしてミヤマアキノキリンソウ?)




おかしいな~、こんなに早く徳島には雨は降らないと思ってたのに、やっぱり山はいつお天気が崩れるか分からない。13:05後山峠上の登山口に降りてきた。やはりウメバチソウはない。一輪も…(T_T)




そのまま車道を跨いで、急いでおうどう峠へと下る。道は綺麗に刈り払われており、靴が濡れなくて大助かり。やがて、金毘羅神社とその少し下にある登山口へ降りる道への分岐に差し掛かったところで、右折し尾根から外れる。ほどなく13:35後山峠下登山口に降り立つ。





ピンクのゲンノショウコと雨で大喜びの沢蟹。ウメバチソウには巡り会えなかったけど、山を歩けばいつもなにかしらに巡り会える。人との出合いは一期一会の楽しい会話。景色や花や動物たちとの出合いは感動と感激の出合い、別に言葉はいらないようだ。




三嶺と天狗塚方面




貯水槽登山口7:57-造林小屋跡9:33-尾根合流点10:33-11:38山頂12:00ー後山上登山口13:05-後山下登山口13:33-13:48貯水槽登山口


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(注)概念図です。

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2009-10-05 15:56:46
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