ういーっす!
今夜は冷えるねえ、マスター。
まるで真冬に逆戻りしたみたいだね。
うん、とりあえずビールね。
いくら寒くったって、おいら最初の一杯はビールって決めてるんだ(笑)。
それから、ビールに合うつまみ、何か適当に見繕って出してくれる?
ぷはあーっ♪
やっぱ、ビールはうまいねえ。
お、つまみも出てきたよ。
マスター、これは何?

ほほう、「ウミタナゴの唐揚げ」ね。
揚げたてのアツアツだね。
それじゃ、さっそくひとつ。
おいら、直接手でいっちゃうよ(笑)。
うん!柔らかい白身がほくほくして、美味しい♪
ウミタナゴって、身が崩れて食べにくいってイメージがあったけど、なるほど、こうすれば食べやすいんだね。
こりゃいいや。
マスター、これどうやって作るの?
まずうろこを取って、3枚におろして、中骨を抜く。皮は取らないんだね。
それから、中華だしの素で下味をつける?
ははあ、それでさっき、なんとなく中華っぽい味がしたんだね。
そして、唐揚げ粉をまぶして10分寝かせる。
あとは普通に揚げるだけだね。
サンキュ♪
今度家でやってみるよ。
ところでマスター、このウミタナゴ、どうしたの?
今朝はクロダイ釣りに行ったんじゃなかったっけ?
みんな言ってたよ。
今晩、居酒屋亀山亭に行けば、クロダイの活け造りが食べられるはずだって。
あ!わかった(笑)。
マスター、クロダイ釣れなかったんでしょ。
そんでもって、仕方ないからタナゴ釣ってきたんでしょ。
あははは。図星でしょ。
そういえばこの店、毎年この時期になるとウミタナゴ出してくれるよね。
毎年、クロダイに振られてるんだ!
年中行事だね。あはははは!
あれ、マスター、ちょっとムッとしてる?
仕方ないじゃん、マスター自分でネタ振ってるんだからさ(笑)。
いやあ、愉快愉快。笑い疲れちゃったよ。
そろそろ日本酒いってみようかな。
マスター、辛口の地酒ある?
うん、とびっきり辛口のがいいな。

お、来た来た♪
ふむふむ、大多喜・豊乃鶴酒造の「超辛口」本醸造とな。
いいねいいね。
辛口批評家のおいらにぴったりだねえ。
この名前がまたいいじゃない。
「伝説 村正の妖刀」だって。
人を惑わす、あやかしの一献ってことだね。
ところでさあ、村正じゃないけど、マスターの釣り竿も何かの呪いがかかってるんじゃないの?
小魚しか釣れないって呪いがさあ(笑)。
その伝説の「妖竿」をマスターが一振りすれば、そこいらじゅうの小魚が、ばったばったと狂ったように入れ食い、なーんてね!
あっははは!
きっとそうだよ。そうに違いない!
あーっはははは!
こりゃ傑作だあ!
あれ、マスター、どうしたの?こわい顔しちゃって。
もしかして、気を悪くした?
え?思いっきり悪くしたって?
お前なんかに飲ませる酒はないって?
とっとと帰りやがれこのすっとこどっこいだって?
あらら、マスター、お酒さげちゃったよ。
まだ一口も飲んでないのにい!
マスター、ごめん!
あやまるからさあ、お願いだから一口だけでいいから飲ませて・・・・・
<お知らせ>
本日の営業は終了いたしました(ぷんぷん)。
居酒屋亀山亭 店主