『コタローは1人暮らし』《土2330》第10話(終)

あらためて最終話予告。


1話30分の短いドラマ。
でも1時間もののドラマに負けないくらい愛と温かさとメッセージに溢れた素敵な作品でした。

第十話（最終話）

　売れない漫画家・狩野進（横山裕）は、短期連載というまたとないチャンスを前に、まさに正念場を迎えていた。そんな状況でも、隣室で１人暮らしをする５歳児・さとうコタロー（川原瑛都）を気に掛ける狩野に、元カノ・新田あかね（高梨臨）はヤキモキ…。コタローに「進ちゃんの重荷になってるのがわからない？」と言い放ち、幼稚園の送り迎えもしばらくは自分が担当すると宣言する。
　 　その頃、弁護士・小林綾乃（百田夏菜子）のもとに、探偵・青田学（間宮祥太朗）から連絡が入る。コタローの父親から再度「息子の居場所を捜してくれ」と依頼があったというのだ！　さらに、コタローの元施設仲間・岩永佑（松島聡）のところにも、父親が現れていた…。それを知ったコタローは、密かに綾乃にある頼みごとをする。
　 　そんな中、『幼稚園の清水』では、恒例の『こどもおたのしみ会』が開催される。秋友美月（山本舞香）、田丸勇（生瀬勝久）には予定があるうえ、狩野はまさかの原稿の締め切り日…。新任教諭・花輪景介（西畑大吾）は、狩野らの姿がないためか、いつになく元気のないコタローを心配するのだが…？
　忍び寄る父親の影――。その時、コタローが下した切実な決断とは…？　そして、それを知った狩野らアパートの住人たちは――？
　さらば、コタロー。
　大人びた５歳児と日本一優しい大人たちの絆に、誰もがきっと涙する。『コタローは１人暮らし』、ついに完結！

あの、だから、担当（代理）さん、描きあがった原稿を見ながら「やっぱり絵が…」って厳しい（T-T）
でもやっぱり「構成はいい」。担当さんも一押し！って編集長に売り込んでくれてるらしい。ほんとに大チャンスだよね狩野どの。
狩野の元カノ・あかねが狩野のことを心配しているのはわかるんだけど、やっぱり原稿描いてる横で寝っ転がって漫画読みながらあれこれ話しかけてるのを見たら「いや、どう考えてもコタローきゅんよりアンタの方が邪魔だろ…」ってなってしまう（笑）。
あかねに「狩野の重荷になってる」って言われて幼稚園の送り迎えを拒絶するコタロー。それでもやってくる狩野。徹夜してましたって顔がリアル…。

コタローの父親から再度コタローを探して欲しいという依頼が来た、と小林弁護士に知らせてくれる探偵青田。青田もコタローを遠くから見守ってくれる大人の一人になったんだなって。
一方佑のところにコタローの父親が現れてコタローの居場所を探っているらしい、と佑がコタローに直接知らせに来てくれる。
コタローはまだ自分は父上と再び暮らせるくらい強くなってはいないと思っているし、養護施設に父が乗り込んできて迷惑をかけたことも覚えている。その上あかねから狩野の重荷になってるって言われて。
アパートの清水の人たちが大好きだからこそ、自分のせいで迷惑をかけたくないって思ったんだよね。たった5歳なのに。甘えたって全然いいのに。なのに、アパートの清水を出て他へ移る先を小林に頼むコタロー。
自分は"1人でちゃんと生きていく"ために一人暮らしを始めたのに、周りのみんなに頼って迷惑をかけている、それではいけない。って。
コタローの母がどういう事情でコタローを連れていかなかったのかは少なくともドラマの中ではわからない。ただ出て行くときに「必ず迎えにくるから、それまで一人でちゃんと生きていきなさい」と言い残してた。
母は誰にも助けを求めることも出来ずそうするしかなかったのかもしれない。でもその言葉が呪いとなって幼いコタローを縛り付けてしまったんだなって思う。

「迎えに来るからそれまでちゃんと一人で生きて」はコタローの中で「ひとりでちゃんと生きて」いなければ母上は迎えに来てはくれない──って変換されてしまったんじゃないかな…。

もしかしたら清水の幼稚園で最後になってしまうかもしれない（別のアパートに移るということはそういうことだよね）お楽しみ会。
その日は美月もバイトがぎりぎり、田丸はゆうたとの面会日、狩野は大事な締め切り日。
あかねは狩野にお楽しみ会のお知らせを見せない。一応あかね自身がお楽しみ会を見てくれてはいるんだけど、コタローは元気がない。離れようって思ったけど、でも、この場に狩野がいてくれないのはやっぱり寂しいよね。
コタロー、それが「寂しい」ってことなんだよ…。

あかねはお知らせを隠してたけど、前に花輪せんせいからきいた日付を狩野はしっかり覚えていて。必死で原稿上げて駆けつける。それを阻止しようとするあかね。
コタローの送り迎えも銭湯も自分がやりたくてやっている。
徹夜で原稿を描くのも、コタローのために使う時間を作るため。
こないだまでやる気が出てなかった漫画にこれほど必死で取り組んでいるのも、自分が成功しなければコタローが「自分にかまっているからうまくいかなかった」って気を使ってしまうことがわかっているから。
いつのまにか狩野の生活の真ん中にコタローがいるんだよね。
あかねにも青田にも佑にも言われた。
狩野はコタローにとって「ただの隣人」で、コタローが大人になるまで面倒を見る義務も義理も責任もない。だから中途半端に関わらない方がいい。
「でも記憶してやりたいんだよ」
本来なら親が見守って記憶しているはずの、5歳のコタローが過ごす一日一日を、毎日成長していくその日々を、せめて隣人でいられる間だけでも記憶してやりたい。
それは、コタローが「一人暮らし」をしていても「一人でちゃんと生きて」いても、決して「ひとりじゃなかった」ことの証になる。
コタローという一人の人間がちゃんとここにいて一日一日をちゃんと生きて成長しているという証人に、狩野はなろうって決意したんだよね。なりたいって思ったんだよね。

そんな話をしている間にバイトを終わらせた美月と、ゆうたと一緒に田丸も駆けつけてくれた。
コタローを見守ってくれてる人たちは、誰もコタローに対して義務も義理も責任も持っていないけど、でもこうやって駆けつけてくれる。それはみんなコタローが大好きだからそうしたくてしてるんだ。

隣人たちが来てくれたことに気づいたコタローは、合唱も元気なかったのに、途端に大きな口をあけて大声で歌い始める。みんなが来てくれて嬉しいよね。聴いてもらいたいよね。
その瞬間、コタローはきっとどこにでもいる普通の５歳児と同じだったんだと思う。

田丸はゆうたと「またな！」と帰っていき、美月は「コタローちゃん、また"すぐ"にね」と意味深に言い残して帰っていった。
そしてそんなコタローと隣人たちの様子を見ていたあかねはコタローに「勘違いしてたみたい」と話しだす。コタローが狩野の重荷になってると思ったけど、逆で、コタローは狩野の原動力になっているんだって。
（いや、それに気づいて引き下がってくれたのはまあいいとして……５歳児に「彼の重荷になってる」と言っちゃう神経はやっぱりどうかと思うよ…）

ともあれ「狩野の重荷になってる」から出て行くという要素は無くなったわけだけど、父がコタローを探しているというもっと重大な問題が残っているわけで…

と思ったら「とのさまん」最終回のあと、あれは何だ、番組間のミニ番組的なものなのか？街角ピアノみたいなのを弾く一般人を映した番組のアーカイブみたいなものが流れ始めた。（そういうものの細かい説明しないよねーこのドラマ…）
そこに映し出されたのが自分の両親だと気づくコタロー。
機嫌よくピアノを弾く父、傍らで微笑みながら見守るお腹の大きい母。
あの中にいるのはコタローなのだろう。
「わらわ、初めて見たぞよ。父上と母上がなかよくしているのを…」
目を輝かせてそれをみつめるコタロー。 コタローの父はピアニストだったのかな。何かの理由でピアノを離れたか何かで荒れて、人が変わってしまったのかな。父自身もそんな自分をどうにかしたかったのかな。
コタローはとのさまんにこれほど心惹かれたのはとのさまんの声が父上に似ていたからだということにも気づく。
（とのさまんの声は父を演じた滝藤さんが演じています）

「コタロー、お前は愛されて生まれてきたんだな」

狩野が"コタロー"って、名前で呼んだ。ずっと、「おまえ」「おい」「あいつ」みたいに、名前では呼んでなかったのに。
コタローは幼い心に
母を殴る父やほったらかしにされたり母に「わたし何で生まれてきたのかな」なんて言われた、
父を警察に突き出すことになってしまった自分や母に連れていってもらえなかった
そんな悲しい記憶ばかり積み重ねてきた。
そんなコタローに、愛されて生まれてきてコタローという名前を贈られたのだという暖かい記憶をちゃんと残してあげたいよね……。

コタローは青田に父あての手紙を託した。
父は結局、どういうつもりでコタローを探していたのかはわからなかった。ドラマの中では姿を見せただけで殆ど自分の言葉では喋っていないから。
もしかしたらＤＶに走ってしまう心理状態から脱出できたからもう一度親子として暮らしたいと思っていたのかもしれないし、養護施設に乗り込んできた時と同じでＤＶ癖は治っていないけど自分の持ち物を取り返したいだけの感覚で探していたのかもしれない。だからどちらが良かったかは判断できない。

わらわはもっとつよきものになってからちちうえにあいたい。
そしてちちうえにすきになってもらいたい。

父は自分が幼い息子にどんな傷を与えたのか気づくことは出来ただろうか。
幼い文字を見つめてただ涙する父親がどんな思いでいたのかも簡単には想像できないなって思う。

ともかく一旦は父は諦めてくれたようで、無事にコタローはこれまで通りアパートの清水で暮らすことになった様子。
看板を塗り直すお手伝いで大家さんからお小遣いをもらうコタロー、でも実際の作業は狩野。
コタローは新しい目標が出来たっていう。
お金を貯めて。
いつか大きな、お城みたいな家を建てて。
父上と母上と。
狩野どのやみんなと一緒に暮らしたい。

「俺も入れてくれんの？」嬉しそうな狩野。
帰ってきた田丸、もとの部屋に戻ってきていた美月。
コタローと隣人たち、みんなそれぞれ一人暮らしの他人でただの隣人だけど。
でも、もう家族みたいなもんだよね。

「ここが俺たちの家だ」

ひとりでちゃんと生きていく、って、誰にも頼らず誰とも関わらず生きていくことじゃないんだよ。
コタローが色んな大事なことを与えてくれたから、みんなコタローを大好きだし大事にしたいと思ってる。
それもまた、ひとりで「ちゃんと」生きてるってことなんだと思うよ。
残念ながら母上とはもう一緒に暮らすことはかなわないけど。
いつかコタローの夢が叶いますように。
その日まで、コタローと隣人たちが幸せでいられますように。


てなわけで毎週の感想もあらすじかっていうくらいこまごま書いてきましたが、ほんとうに細かいとこにもいちいち何か語りたくなるような要素があり…これでも本人の意識ではだいぶはしょって書いたんですが（笑）。

あと最後にちょっとやましい好みの話をしますけど、わたし、コタローきゅんと狩野どのみたいな二人の15年後くらいの姿がめちゃくちゃ性癖に刺さるので「大きな家で（略）狩野どの（略）と共に暮らしたい」とコタローきゅんが言い出した時に性癖ぶっ刺さりすぎて倒れました……。
ドラマ上の狩野どのは35歳らしいんですが（原作では31歳だけど横山裕が40歳なので間をとったのではと推察。わりと横山さん31歳のままでもイケた気がします）15年後コタローきゅん20歳狩野どの50歳……ﾄﾞｷﾄﾞｷ……。
狩野どのが超売れっ子漫画家になってアニメ化やドラマ化とかもあって大儲けしてマンション買ってみんなで住んでもいいけど（お安くても家賃は取る）、コタローきゅんはこの分だと中学か高校で起業して大儲けしてハタチの頃には豪邸建ててもおかしくないと思うよがんばって！！！（？）

ともあれ横山裕の初主演ドラマで関ジャニ∞が主題歌というドラマだったけどそれはそれとして本当に大好きな作品になりました。原作者の津村マミさんもすごく盛り上がって下さってたし、主題歌もほんといい感じでぴったりだったし。
週末の深夜に暖かい気持ちになれるドラマを3か月間本当にありがとうございました。
ごちそうさまでした。


見逃し無料配信7/25　23：59まで！
最終話は1ヶ月見られるみたい。最終話だけでも見て泣いて！

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主題歌・関ジャニ∞ニューシングル「ひとりにしないよ」NOW ON SALE!!!!

作詞作曲編曲は関ジャムでもお馴染みの丸谷マナブさん。
もちろん「コタローは1人暮らし」の世界観をベースに書かれたものだと思うのですが歌詞も曲もドラマの世界にすっかりなじんでとても良いですね。
ＭＶも写真や手描きイラストを切り取って童話や絵本のような世界を作り出してくれています。
5人の声もとても優しくて。
この5話で狩野殿が言う「一緒に強くなるぞ」
この物語にとってきっととても大事な大事な言葉だから、主題歌の歌詞にも採用されたんだろうなと思います。
ちょうどその場面でこの歌が流れていたのもあいまって泣ける泣ける。

＜初回限定盤A CD＋DVD＋フォトブック＞
【CD】
01. ひとりにしないよ テレビ朝日系 オシドラサタデー 「コタローは１人暮らし」主題歌
02. サタデーソング MBS/TBS系「サタデープラス」テーマソング
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「ひとりにしないよ」Music Clip & Making & Solo Angle
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01. ひとりにしないよ テレビ朝日系 オシドラサタデー 「コタローは１人暮らし」主題歌
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01.「ブリュレ -Re:9EST edition-」 Music Clip(1half size) & Making & Solo Angle
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02.企画映像 「クリームシチューが出来るまで」
　収録時間：46分の「ｸﾘｰﾑｼﾁｭｰが出来るまで」含む計50分34秒
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●「ひとりにしないよ」 3面6P歌詞カードB封入


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01. ひとりにしないよ テレビ朝日系 オシドラサタデー 「コタローは１人暮らし」主題歌
02. サタデーソング MBS/TBS系「サタデープラス」テーマソング
03. クリームシチュー
04. 罪と夏 -Re:8EST edition-
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こちらSingバージョン。