唯幻論

岸田秀先生の思想である「唯幻論」を紹介する。混迷する現代、世界を読み解く理論は「唯幻論」以外には考えられない。

唯幻論物語

2005年08月30日 | 
唯幻論物語 岸田秀 文春文庫 ☆☆☆☆☆

快刀乱麻を断つごとく、唯幻論の切れ味鋭く、ばったばったと斬りまくる。
斬ったもの

史的唯物論
ラカン
ユング
精神分析関係者多数
歴史学者多数
小谷野敦(泣いて馬謖を斬る、かな?やはり刀の穢れか。)

精神分析関係者、歴史関係者、これから学ぼうとする方には必読書。史的唯幻論を理解する為の必読書。この書は古典になるであろうことを予言しておく。




自虐史観

2005年08月23日 | 唯幻論
幻想に生きる親子たち 文藝春秋 自虐史観から引用

わたしは自虐史観には次のような特徴があると考えている。
(一)自分と対立する主張(たとえば皇国史観)を全面に否定する不寛容。泥棒にも三分の理と言われるように、間違いだとしても皇国史観の成立には、建国のときにせよ(当時は皇国史観と呼ばれていなかったが)、明治維新のときにせよ、それなりの事情と理由があるが、そういうことをいっさい考慮しない。
(二)たとえば、大江健三郎のように、悪い日本をひたすら非難することによって、自分は他の日本人と違って道徳的に高潔な人間だと思いたがっていることが、当人は気づいていないようだが、傍目には透けて見える。
(三)日本が犯した悪は自分とは無関係な赤の他人の日本人がやったことだと思っているらしく、そこに身を入れ思いを入れて痛みを感じているというところが見えない。
(四)日本を悪いと判断する規範が妥当なものなら、日本と同じような悪い事をした他国をも同じ規範にもとづいて同時に非難すべきであるが、日本だけを責める。これはダブル・スタンダードである。日本人は日本の罪悪だけを問題にすればいいのであって、他国の罪悪はその国の人の問題であり、自ら責めないのなら仕方がないという考え方も成り立つが、それは「君、君たらずとも、臣、臣たらざるべからず」という、主君に対する臣下の道徳であって、他国(連合国)を主君、日本を臣下と見ているから出てくる考え方である。そのような考え方は卑屈と言うべきであって、冷静な自己批判ではない。

平和主義の欺瞞

2005年08月15日 | 雑考
日本は東京裁判での、いわゆる戦犯としての絞首刑を含む諸判決を受け入れて、過去を償ったと考える。そのことでサンフランシスコ平和条約を締結し大東亜戦争にけじめをつけたと考える。

中国・韓国・北朝鮮の反日には、元寇でチャラであると考える。
元が中国とちがうというなら、日本が戦った相手は、アメリカの傀儡の国民党であり中国とは関係ないのである。
中国・韓国はアメリカの戦略に乗せられて反日をやるべきではない。日本もそれに反応して反中・嫌韓になりつつあるではないか。
中国・韓国を批判するより、日本の観念的平和主義者を批判する。国内問題は国内で議論すべきところを、何故、中国・韓国に持ち込むのか。

日本の精神衛生上、冤罪であろうと思われる東京裁判はやり直す必要がある。

「日本がアメリカを赦す日 岸田秀 文春文庫 第5章平和主義の欺瞞」から以下引用

 押しつけられた平和主義は、平和の敵です。
 押しつけられた平和主義は、自分で考え、自分で身につけたものではありませんから、観念化します。観念化した平和主義は、平和とは具体的にどういうことであり、平和へと至るにはどういう具体的方法があるかということについて何も指し示しません。平和、平和と大声で叫ぶことしかできません。侵略されても武器を取らないとか、いかなる場合も戦争は絶対反対だとか言うのは、平和について具体的に何も考えていないことを示しています。

アメリカの鏡・日本 ヘレン・ミアーズ

2005年08月03日 | 
新版 アメリカの鏡・日本 ヘレン・ミアーズ ☆☆☆☆☆

岸田秀先生のご推薦。
近現代の世界史の教科書にするべき内容である。必読!!

日本の子供は自虐史観を教育されるケースが多く、その洗脳を解くことに時間がかかるという非生産的な教育を行っている。
この本に出逢う事で、まともな歴史認識のスタートに立つ事が出来るであろう。

内容は欧米の植民地主義を模倣をした日本が大東亜共栄圏構想の下に大東亜戦争に突入したというものです。
この本と『日本がアメリカを赦す日』と併読することにより、日本の歴史観はWGIPの呪縛から脱却することができるであろう。

前書きから引用
日本が第1次世界大戦時には「敵」ではなく「同盟国」だったから重要なのである。一つの国がいきなり「友人」から「敵」に代わった理由がわかれば、私たち自身の考えと政策が他国の人々に向けられるとき、それがどのように見えるか、知ることができる。この本の意図は、少なくともその探求を始めることにある。

http://www.sam.hi-ho.ne.jp/s_suzuki/book_mirror.html