唯幻論

岸田秀先生の思想である「唯幻論」を紹介する。混迷する現代、世界を読み解く理論は「唯幻論」以外には考えられない。

伊丹十三の本

2005年04月27日 | 
新刊『伊丹十三の本 「考える人」編集部編 新潮社』
1960~70年代最高のエッセイスト伊丹十三の全貌

この本を読んで確信した。伊丹さんは自殺ではなく謀殺である。
以前、伊丹さんは自殺ではなく謀殺であるとの自説を述べると、岸田秀先生は根拠を聞かれた。
ネット上で謀殺説がかなりあるので見ていただきたいが、
次回作のテーマが産廃であり、宗教がらみの利権に踏み込みすぎたと言うものが有る。

岸田秀先生には、「唯幻論者は自殺はしないのです。」と根拠を述べたのであるが、この本を読んで確信した。いくつかあるのだが、一番大きな理由は、伊丹さんは奥さんの宮本信子さんを愛しており、子供さんを愛していた事である。
この本には伊丹さんから宮本信子さんへの手書きのラブレター「愛スルノブコ」、また、伊丹さんが亡くなった5年後12月20日に、宮本信子さんが友人を招いたプライベートな会合で、当日を語った「『感謝の会』における挨拶」が収録されており興味深い。この中に亡くなった伊丹さんが「すごい怖い顔」だったとある。さぞ無念だった事であろう。(その後宮本信子さんの一晩の付き添いにより、安らかな顔になったとの事)

伊丹さんが現役のころ、宮本信子さんのテレビでのインタビューを偶然見て、いまでもその内容を鮮明に覚えているのだが、宮本さんは伊丹さんのことを評して「以前はすごくむずかしい人であったが、ある精神分析の先生に出逢って、性格が変わった。大変穏やかになった。」という主旨の話をされた。このテレビ番組を見ながら「ああ、岸田秀先生のことを言ってる」と思ったものである。

この本には岸田秀先生ファンにはなぞの人、先生の奥さんとご夫婦で写真入のインタビューが掲載されている。
伊丹さんの蔵書の写真もあり、もちろん本棚の中に「ものぐさ精神分析」「モノンクル」が写っている。伊丹さんは1977年に「ものぐさ精神分析」に出逢っており、翌年には共著の「保育器の中の大人」が出版されている。この本も伊丹さんを読み解く必読本である。

「ものぐさ精神分析 中公文庫」に掲載されている伊丹さんの解説は、解説としてのオールタイムベストである。この解説はすべての岸田秀ファンを代弁していると考える。

参考HP
http://love.ap.teacup.com/applet/elemental/200408/archive

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